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3.未来ファンタジー_ホロパース2121

#小説   #巡りあわせの森 全11話

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- 次の日、とあるレストラン -

 「アンリさんの料理久しぶりだな〜!」

 サトリは家族とともに、ユラの姉アンリの働くレストランに来ていた。そこにはユラの家族も揃い、6人でモンドー通過のお祝いをしていた。

ユラ父
「これでユラもサトリも大人の仲間入りだなぁ。嬉しいよっ」と涙目になっている。

サトリ父
「本当ですよ!シロに二人が万引きで捕まったときは、人生真っ暗になりました!お前たち覚えているよな?」と少し困ったような、懐かしそうな表情で話を持ち出した。シロとは白い飛行体の通称である。

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 ユラが6歳の頃。没頭していたゲームの主人公は、怪盗アルセーヌ・リュパンがモデルの謎解きRPGで、20世紀に編み出されたさまざまな盗みの手法が使われていた。すでに「鍵」と「施錠」という物体が存在しないサトリとユラの時代、となり街の骨董品屋に二人で入ったとき、ユラはゲームで見た美しいカラクリ箱を見つけた。手にとると開けるのに夢中になってしまい、30分ほど奮闘していた。ついに開けたとき、中には小さな鍵と箱が入っており「リュパンで見たやつだ!」とユラの心が煌めいた。ドキドキしながらそれらを手に取った瞬間、「わ!」とサトリに驚かされた。その勢いで後ろにけつまずくと、手に鍵と箱をもったまま店の外に出てしまった。その瞬間をとらえた監視カメラの警報がなり、二人は店主に店の奥へ連れていかれてしまった。二人はすぐにリングで両親に連絡し、近くで買い物をしていたサトリの父がものすごい勢いで駆けつけた。カメラの映像を見るよう店の人を説得し、結局その映像を見た店主は彼らが盗むための行動に見えなかったし、リングからも警察への警報が鳴らなかったので、軽い注意程度で二人は解放されたのだった。この時代になると、いじめや犯罪は本当に珍しいもので、その脳信号が感知されると、すぐにシロが駆けつけ事情聴取をした。そして問題ありと判断されると観察エリアに送られる。観察エリアはシロが電気信号で脳を子どもに戻した人間を再教育したり、生まれながらの精神病患者を管理する場所で、サトリたちが住む超大国とは別のエリアにあった。

サトリ
「懐かしいね!あのときは父さんが近くにいてくれて、本当ナイス!」
サトリ父
「ナイスじゃないよ!頭が真っ白になって何が起こったかわからなかった!」
サトリ母
「本当よ!私も観察エリアに行くのかと思って心臓が止まりそうになったわ」
ユラ母
「人違いじゃないかと思って願ったものよね。でも懐かしいわね〜」
などと、ほのぼのとした家族の付き合いはもう10年以上続いている。

アンリ
「みんな飲み物どうする?」
厨房からタイミングを見計らってアンリが注文を取りに来た。すると大人たちは白ワインを、サトリとユラはマスカットのソーダを頼んだ。

アンリが作ったスペイン料理はどれも絶品で、心ゆくまで堪能した。最後にチョコレートムースを堪能している二家族の話題は、サトリとユラの旅行に移っていた。

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ユラ
「みんなは卒業旅行どこへ行ったの?」
ユラ父
「父さんは中国大陸へ行ったよ。漢方の勉強をしたくてね」
ユラの父は今では薬膳カフェをアクションにしており、全国にいくつも店を持っている。

ユラ母
「私はイタリアよ。プロヴァンスでデザインを学びに」
ユラの母は絵皿アーティストをアクションにしている。そのアクションをお店に入ってしていたとき、お店に置く皿を探していたユラの父と出会い、いまに至る。

サトリ
「父さんは?アメリカ?」
サトリ父
「そうだな。ダイビングと免許を取りに」
サトリの父はスカイダイビングをアクションとしており、時々海外に行ってはムササビのようなスーツを着て、岸壁を飛行している。この時代、多くの個人が移動ドローンの所有ができるようになっており、自動操縦にもなっていたが、僻地へ行く場合はメンテナンスエンジニアの免許が必要になっていた。

サトリ母
「私はアフリカよ。今でも太陽が沈むタンザニアの地平線が懐かしいなぁ。ねぇあなた、二人が旅行に行ってるあいだ、私たちもアフリカに行かない?」サトリの弓道の才能は、母ゆずりだった。母のアクションは、ハンターである。この時代、銃は全世界で禁止されており必要な狩りをするための免許を持った者だけは、弓矢でのハンティングが許されていた。特にアフリカや南米では今でも、獣に襲われる地域に人々が住んでいるので、彼らを守ることと、食料を得ることは白い飛行体の許可があったときにハンターが世界中から集まってくる。ハンターはキャンプをしているあいだ、現地の様子を世界に配信する役割を担っているのだ。

サトリ
「アフリカも良いなぁ。新しいハンターにも会ってみたいしなぁ」
サトリ母
「それならアマゾンはどう?」

サトリとユラは驚いて、目を合わせ

「どうして?」と同時に聞いた。

サトリ母
「この前のハンターニュースでアマゾンにジャガーが増えすぎてないかって原住民がシロに相談したらしいのよ。あのリングのない部族ね。アマゾンのジャガーは固有種でね、原住民は「神」という畏敬の対象として今でも崇めているの。本来は数年に一度、ジャガーに食べられてしまう人はいるんだけど、この一年間でもう3回も同じ部族が襲われているみたい。それも個体のちがうジャガーだから、増えすぎているだろうってことで招集予定が書いてあったわ。ジャガーの狩りは昼夜問わないから、夜に襲われることが多くて村の人々は眠れない日々を過ごしているそうよ。そろそろ南米専門のハンターが集まり始めるわよ。それに美味しいじゃない?アマゾンのスペイン料理とチョコレート!」

サトリ
「面白い」
ユラ
「面白いね」
二人はまた顔を見合わせた。

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ユラ父
「それならアマゾンにしかない、薬草がいくつかあるから取ってきてくれないか?」
ユラ母
「私もダイニングマットが欲しいから、いくつかもらってきて!」
サトリ父
「おれもマチュピチュからのダイビング許可降りれば、一緒に行きたいなぁ」
という流れで、二人はアマゾン行きを決めたのである。

>>>4.ジャングルライフ

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