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ドイツ・イギリス留学のためのMotivation Letter (志望動機書) の書き方

欧州の大学では入試制度が無い場合が多いです。このような大学への出願では、GPA、履歴書、そして志望動機書などの書類の評価によって合否が決まります。

書類ごとに点数が割り振られており、その合計点でライバル達と争うことになります。配点は大学ごとに異なりますが、一般的に志望動機書が重要視されています。GPAは推薦書で挽回できますし、履歴書などは出願の時点ではどうしようもありません。だからこそ、志望動機書は最後の砦であり、一番力を注ぐ必要があります。

本記事では私がイギリスとドイツの大学に出願した際に使用した志望動機書をもとに、大切なポイントを解説していきたいと思います。

【追記】本記事を大幅に加筆修正したものを、ドイツ留学ラボに寄稿しました。寄稿した記事ほうが内容がアップデートされていますし、情報がずっと多いので是非見て頂きたいです!

ドイツ留学ラボ『ドイツ大学院に合格にしたので、出願スケジュールから大学訪問、IELTS受験、書類準備についてまとめてみました。』
https://tobitate-german.com/report00037-2


志望動機書の構成

一般的な志望動機書は次のような構成です。

第1段落=Purpose
(出願されるコース、大学を志望する明確な理由を簡潔に)
第2段落=Qualifications and Education
(大学で学んだことやどのような姿勢で学習に臨んでいたかなど、過去の教育環境から得た知識や技術などを書きます)
第2段落=Working Experience
(職歴を書きます。職歴がない方はアルバイトやボランティアなどの経験でも大丈夫です。大学での勉強でアドバンテージになりそうなものを書きます)
第4段落=Reasons
(志望する大学とコース選んだ理由を書きます)
第5段落=Goals
(将来の目標や卒業後の展望などを書きます)
第6段落=Conclusion

※大学によっては記入内容が指定されていることもあるので注意です。基本的には上記の構成で問題ないと思います。


添削前の原稿

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これは海外の受験対策サイトを参考に私が書いたものです。これを、大学の先輩でありドイツ人のマウリジオさんに添削をお願いしました。すると、以下のようなフィードバックが返ってきました。

・The main purpose in this statement is to highlight why you want to study there, and what your motivation is
(志望動機書の目的はなぜその大学で学びたいのか、モチベーションは何なのかをハイライトすること)
・section 4 and 5 are very important, and you should move them up
(section4, 5の文章は重要なので上のセクションに移動するべき)
・In Section 3 you are almost bragging
(Section 3 はほぼ自慢になってる)
・Universities don't care for "strong" leaders, they normally want motivated people who can work with other people in a lab.
(大学にとって強いリーダーであることは重要でなく、他の学生と研究室で協力できる熱意のある学生を求める)
・Show that you are used to work in groups with international people.
(Section3 は国際的なグループで活動したことを示す内容にすべき)

さらに、何でその大学で学びたいか、モチベーションは何なのかが一番重要とのことです。この部分こそ重点的に記入すべきであり、また実績の部分も書き直さなければと反省しました。


添削後の原稿

先輩からのフィードバックを反映して、書き直しました。

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文章がスッキリとして読みやすくなり、伝えたい部分も明確になりました。


ポイントまとめ

・その大学で学ぶモチベーションをしっかりハイライトすること
・重要な文章は上の方の段落に配置する
・エピソードを書くにあたって自慢ぽくしない
・大学はリーダー性よりも、他の学生と研究室で協力できる学生を求める
・国際的なグループでの活動などアドバンテージになることを記載する

ちなみに文法や単語の間違えも減点対象になるので、提出前に有料の添削サービスなどで一度見てもらうとベターだと思います。


【追記】無事、志望先のノッティンガム大学から合格を頂きました。

手応え的に「明確な目標 (動機)」「実践的な経験」などがいい評価につながったのではないかと考えています。ヨーロッパの学生は一度社会経験を積んでから大学院に進学すると聞きますし、実践的な経験がある前提で評価されるのかもしれません。

私の場合、澤田酒造での2年間について書きました。他の大学の先生もこの経験にとても興味を持ってくださったので、志望するプログラムに関連する経験を持っていると合格すると点数があがるのかもしれません。

一方で、旅行 (長期でも) などのエピソードは加点対象から外れる可能性があります。欧州なら異国の人と接する機会があって当たり前ですし、特別な体験がない限り書く必要はないと思います。

そして、大学の留学担当の先生からアドバイスなのですが、

・ページは基本1枚
・文は重複するな

とのことです。毎年何百、何千もの志望動機書が届くので、2ページ以上のものは読む気すら起きないと仰っていました。

また、長い文章では内容が冗長になりがちなので減点対象になりかねません。さらに、各段落で「だから私は志望しました」などの文を日本人は書きがちです (私も)。第3段落なら「このプログラムを通じて私は技術を向上することができるでしょう。」で止めるということですね。


あとがき

いかがだったでしょうか。志望のキッカケや理由は人によって異なり、私の文章はあくまで一例にしか過ぎません。あなたの熱意やアピールポイントをしっかり書き込めばきっと大学側も答えてくれるに違いありません。

大学出願で一番の鬼門となる志望動機書ですが、このnoteが誰かの役に立ってもらえたら幸いです。


【追記】ドイツの大学に提出した志望動機書

第一志望のUniversity of Hohenheimからも合格の連絡を頂くことが出来ました。このとき提出した志望動機書はUniversity of Nottinghamの時よりもアップデートされています。せっかくですので、皆さんにも共有したいと思います。

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