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11月7日

これといってやる事がない。わけではなく、やる事は山の様にあるのである。デザフェス50、文学フリマ東京に向けてTシャツやzineなどを作り販売の準備をしなければいけない。
やる事もわかっているので、やればいいだけなのだが、やらない。惰眠を貪り猫の様に過ごしたいのだが、猫は猫で生きるのがまた大変そうである。
動物図鑑によれば1日の7割を睡眠に費やし、残りの3割で自分の食い扶持を見つけないとならない。
人間の様に決められた時間をのらりくらりと生返事だけで過ごし、夕方になったら一目散に家路に着くというルーチンを過ごせば、余裕で飯が食えるなどという楽な商売ではなく、1日の3割、つまり約7時間で結果を出し報酬(食事)を得なければならないのだ。
これは非常に難易度の高い技であり鈍臭い本当にゴロゴロするだけが取り柄の様な俺にそんな生活が出来るのであろうか? 否、不可能である。まず、営業がむずかしい。競合であろう猫のテリトリーを外し、尚且つ餌を与えてくれそうな人間をリサーチし営業をかける。
茶虎の多いエリアであれば黒い毛並みを、ポッチャリが多いエリアではスマートなボディを見せつけるなど、他社との違いを見せないとクライアントに興味を持ってもらうことすらできない。
他社との差別化に成功したとして、そもそもクライアントが猫ではなく、犬好きの場合なども考慮すると、1日にかなりの営業を熟さないと猫としてやっていけないのである。
つまり俺は猫社会においてもまともに稼ぐ事は不可能であり、そのうちに痩せこけ適当な平家の婆に高級とはかけ離れた安いカリカリを与えられ、辛うじて生き延びる。そんな生活に幸せを感じ始めた矢先、婆が持病を悪化させ死亡。さすがの俺も傷心し衰弱、その後、動物保護施設に入り若い猫たちに猫の生きる道、猫道を教えながら天寿を全うするのである。
とか考えていると既に世間は夕方。
晩飯のおかずにアボカドともやしが欲しいなとスーパーへ。アボカドは98円、もやしは35円。決して高くはないが凄まじく安いというわけではないが買って損はなしということでカゴへとぶん投げる。刺身用のサーモンが239円。よくみると半額シールが貼られているので119円なのでこれも欲しいわねなんて言いつつ買う。
ビニールの買い物袋は3円ほど掛かるのでエコバック持参です、はい、ご協力ありがとうございますってな感じで外は夕暮れ、オレンジデイズ。
昨日に比べるとあったかいねーなんてこれが油断のもとで寒暖差に弱い俺は油断することはない。
夕飯は昨日のイタリアントマト鍋のスープに鶏肉、キャベツ、豆腐を入れたイタリアジャポネ鍋。サーモン、アボカド、パプリカのマリネ、もやしのナンプラー牛脂炒めという豪華な顔ぶれで、先日届いた薄目のグラスに俺はハイボール、2号はビールでお互い4杯くらい飲みつつ、昨日の相棒を鑑賞して最近の刑事ドラマは凝ってるようで浅い。相棒も最近の3シーズンくらいは全ての動機が薄い話が多いね、なんて知ったような口を聞きつつ、それのさらに何倍も薄い焼酎のお湯割を飲んだあたりでもう、猫とかどうでも良くて今日も吉日だったなと思いました。

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どうもありがとうございます。 今晩のおかずが増えまっす。