【料理本3】トルコ料理の誘惑Ⅱ
現代企画室の『トルコ料理の誘惑』を借りて読んでいます。
(1)遊牧民から受け継いだ食文化
(2)アナトリア土地の土地とビザンチン帝国から受け継いだ食文化
(3)イスラム食文化を継承したオスマンの宮廷料理と食文化
トルコ料理の食文化の形成は主に3つだが今回は(1)遊牧民編をお届けする。
一般に遊牧民とは、馬、羊、ヤギ、牛やラクダなどの家畜と共に夏の住居地と冬の住居地の間を定期的に移動して暮らす人々である。
遊牧民は、家畜の肉を常食していると思われがちだが、家畜は
大切な財産のため日常的に食べることはない。イスラーム教の儀式や親族のお祝いで家畜を屠って食べる事はあるが稀だ。
遊牧民の主食はバターやチーズ、ヨーグルトなどの乳製品である。ヨーグルトはトルコ人が中央アジアの平原で遊牧生活を送っていた時代にその起源は遡及されるものだ。
日本の市販ヨーグルトは砂糖や果物が入って甘く味付けされたものが多い。一方トルコでは前菜やスープなどの調味料、主菜にかけるソースとして使われる。例えば、ソースとして使われる場合には攪拌したヨーグルトに擦り下ろし大蒜が加えられる事もある。ヨーグルトは食事の一部として食されているのでスーパーなどで売られているヨーグルトの量は桁外れに多い。
また、「カイマック入り」と表示されたヨーグルトも売られている。
原乳の脂肪成分が膜状の層になってヨーグルトの表面を覆っているのが特徴だ。トルコにはアイランというヨーグルトドリンクがある。このアイランには塩が入っている。これが盛夏には脱水症状や熱中症予防に効果がある優れた飲み物となる。
遊牧文化を継承した乳製品といえば他にもチーズやバターがある。トルコのそれぞれの地方にはその土地固有の特徴のあるチーズが伝承されてきた。
トルコ東部のエルズルム県産のトゥルム・チーズはヤギの乳をヤギの革袋のなかで発酵させたチーズとしてトルコ全土で有名だ。
ダーダネルス海峡に面したチャナッカレ県産のエズィネ・チーズはヤギと羊と牛の混合乳を発酵させて作られその豆腐のような柔らかい食感が根強く人気である。
白チーズや溶けるチーズとして知られているカシャール・チーズは
トルコ中の家庭に広く普及している。
乳製品が豊富なトルコでは日本の市販乳製品と種類や規模が格段に違う。
トルコの牛乳生産量は年間約1600万トンであり日本の2倍を優に超えている。ヨーグルトは年間約280万トンであり日本の約3倍でありチーズは年間約20万トンであり日本の約1.5倍である。
私が作った料理で今回のテーマと近いのはジャジュックですね。
ヨーグルトをバリバリ使っていますからね😊
■参考文献 『トルコ料理の誘惑 私を虜にした食と文化』 井藤聖子 現代企画室
学習教材(数百円)に使います。