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映画『夜明けのすべて』

2022年12月初旬 私は鳥取に向かった
バスを乗り継いで13時間30分
到着した時はすでに深夜前
降り着いたバス停のあたりには 街灯がなく
天上に輝く星たちが 旅の道先案内人となった

2023年12月に故・青山真治監督展覧会のトークイベントにて
三宅唱監督と出会う
『ケイコ目を澄ませて』も鑑賞したが
実は私が三宅唱監督を知ることになったのは それよりも前
コロナ禍で開催されていた『現代アートハウス入門』
テーマに沿って選映された過去の名作を上映後 監督たちが語っていく
極めて充実した内容の映画イベントだった
少なくとも 私にとって映画への創造性を拡げる助けとなった

三宅監督より
「来年『夜明けのすべて』という映画が公開されます。ぜひ」と
直々に伺い「はい、絶対観ます」と即答
映画の内容はあえて伺わず 公開まで心待ちにしていた

三宅監督と一緒に

‘この宇宙には 変わらないものなんて存在しないのかもしれない‘

映画の中では 時の変化の法則
自然の原理原則を語るかのような台詞が
散りばめられている

それは ヴィム・ヴェンダース監督の初期作 
特にロードムービー三部作を思い起こさせる

ヴェンダース監督は 時の経過とともに
台詞ではなく 映像や音、光や影で
自然哲学の真髄に迫っている
最新作『PERFECT DAYS』はまさにその真骨頂

主演である上白石さんのベルリンでの発言
「観客の姿勢は自由」
これは まさにヴェンダース監督が常に考えていることと重なる

‘夜明け前がいちばん暗い‘

陰が極まり 陽に転ずる
逆も然り

鳥取の夜空に輝いていた満天の星を思い浮かべながら
今後さらなる 三宅監督の表現過程と作品の変化に
ただただ思い馳せてしまう

映画ノート



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