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武器がなければ戦場には立てない

僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。

今年の10月でお店をオープンしてから3年が経ちました。
元々は大学時代にコーヒー豆を輸入する会社を立ち上げたことがスタートだったので、起業してからはかれこれ5年の月日が流れました。

「起業した」と言っても、仕事など舞い込んでくるはずもなく…
ただひたすら共に起業した相方と将来への青写真を描く日々でした。

そんな僕らが最初に起業家っぽいことが出来たのは、ビジネス交流会などに参加すること!
人と人の繋がりが強い土地柄からか、京都は人的な起業家支援が充実していて、22歳の若造ながら比較的早い段階で様々な起業家や金融機関・役所・起業家支援の仕組みづくりをされている方とお会いさせていただくことが出来ました。

「まずは知ってもらうことが大切!」
そう思っていた僕らは、出来立ての名刺を携えて様々なイベントや交流会に参加させていただきました。
その当時はコーヒーショップを構えてはおらず、卸販売やネットショップでコーヒー豆を売っている状態でした。実績も売り上げもほとんどありません。
それでも、どの方も熱心に起業までの経緯や今後の展望を聞いてくださり、僕らもそんな時間がやっと起業した気分を味わえた時間でもありました。

しかし、次第に気付き始めます…
「これ何かに繋がっているのか…?」
増える名刺、増えない仕事。
ただ起業家っぽいことをしているだけの時間なのではないか…
徐々にそんな危機感と喪失感が生まれてきます。
(もちろん、ありがたいことに出会いをきっかけにお仕事を頂いたり、また別の方を紹介して頂いたりしていました)

それでも、イベントの中身を吟味しながらではありましたが、参加できる場にはなるべく顔を出すようにしていました。

そんなこんなで、僕らにも少しずつ「仕事」が出来始めた頃に訪れたのがコロナ。
描いていたプランは全く白紙になり、まさにゼロからのスタート。

そこから、いつか構えたと思っていた実店舗を計画を前倒して作ることを決断。
2020年10月のLaughterのオープンに繋がっていきます。

そして、今年2023年。コロナ禍も一旦収まり、様々な意味での「活気」が再び戻ってきました。
すると、起業当初にお会いしていた方々からご連絡を頂き、一緒にお仕事をさせていただけるケースがいくつもあったのです!

その時に僕は気付きました。
「あの時の僕らには何も武器がなかった」と。

22歳の若者がコーヒー豆を輸入して販売したい!と壮大な夢を語っている。
でもお店も無いし、販売経路もかなり小さい。
実績もないから、何か仕事をお願いするにはまだ不安がある。でも、志はありそう。

大人の皆さんにとって、当時の僕たちは応援することしかしてあげられない存在でした。
まさに、武器をほとんど持たないまま戦場に向かっている状態でした。

それから5年が経ち、曲がりなりにも事業を継続して実店舗を構え、ようやく僕たちは小さいながらも武器を手に入れることが出来たのかなとこの1年ですごく実感しました。
「与える者は与えられる」
そんな言葉がありますが、ビジネスとはまさにお互いに相手にとってポジティブな影響を与えられると信じて関係を結ぶものです。
起業したての僕らは「与えていただく事しかできない」存在だったのです。                                                                                        

コロナが落ち着き始め、「何か新しいことを始めたい!」と思っていらっしゃる方も沢山います。
そんな時に、「コーヒーだったら確か前にコーヒー豆の事業をしていきたいと言っていた若者がいたな…」
そんな風に思い出していただいて、頼ってみようかなと思える存在になれているのかもしれない…
と我ながら感じています。

今率直に思うことは、まずはこれまでどんな形であれ僕らと出会い背中を押してくれた方々に感謝したいということ。
そして、夢や目標に近づくためには結局は今という瞬間の行動の積み重ねでしかないということです。

この5年で、自分たちが提供できるリソースはもちろん、経験や出会いという武器も沢山手に入れてきました。

日々状況は移り変わり、栄枯盛衰なビジネスの世界ですが、手に入れた武器たちと共にこれからも戦い続けていきたいと思います。


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