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見る者のスポーツマンシップも問われた気がする夏の甲子園決勝戦

昨日行われた夏の甲子園決勝戦。
神奈川代表慶応が、夏連覇を狙った仙台育英を下し107年ぶりの優勝を果たしました!

1番バッター丸田君の攻守にレベルの高いプレー。
エース小宅君の見事なピッチング。
キャッチャー渡辺君の見事なフレーミングと、夏の王者にふさわしい高い技術のプレーとチーム力が光りました。

敗れた仙台育英も夏連覇の重圧と戦いながら、初戦から並み居る強豪校を倒し決勝まで駒を進めたのは見事でした。
二年生のメンバーも多く、来年以降もチームとして非常に楽しみです。

8-2と点差はついてしまいましたが、チーム力はかなり拮抗していました。

大会直前には練習試合を行い、仙台育英のユニフォームは仙台育英学園の理事長の出身大学である慶応大学のユニフォームをもとに作られたという不思議な縁もある両チーム。
105回の記念大会にふさわしい決勝戦でした。

しかし、やはり今回は試合以外の部分で騒がれてしまったのが本当に残念でした。

物議を醸している「大応援団」ですが、僕はこれに関しては仕方ないのかなと思います。
OB・OGなど学校関係者の数も多いですし、声援の大きさが違うことは過去に何度もありました。
仙台育英がアウトになった際に声援が上がっていたことも問題視されていましたが、アウトを取った慶応ナインへの応援ですしこれも各チーム自然と行っていることです。

何よりブラスバンドの音色と声援は高校野球の華です。
しかも、4年ぶりに帰ってきた大声援。
そこに規制を掛けてしまってはどこのチームも応援出来なくなってしまいます。

ただ、残念だったのはその応援に「リスペクト」があまり感じられなかったこと。
大声援も、選手への純粋な声援というよりはスタンドの方達が大きな声を出して楽しんでいるだけのように見えてしまったり、声援で仙台育英サイドを驚かせようという風に感じてしまう部分がありました。
あくまで主役はグラウンドで戦っている選手たちです。その意識がもっと必要だったのではないでしょうか。

それは、マスコミも。
試合前から慶応が優勝したような盛り上がりっぷり。
夜のニュースでもトップニュースで決勝戦を取り上げていました。
そこに、仙台育英へのリスペクトは感じられませんでした。

野球以外の学力や進学実績にまでこじつけて批判するのはどうかと思いますが、一野球ファンとしても今回は後味の悪い決勝戦になってしまいました。

試合内容が素晴らしかったからこそ、外野が水を差す形になってしまい余計にモヤモヤしてしまいました。

そんな中、「グッドルーザー(潔く負けを認める人)であれ」という須江監督の教えを体現し、優勝インタビューを見届けた仙台育英の「リスペクト」は美しく映りました。
スポーツマンシップとは何なのか?
グラウンドで戦う選手だけでなく、スタジアムに足を運ぶ観客も含め全員で作り上げていくものなのだと教えられた大会だったと思います。

そして、決勝戦に向けて注目されたのが…
北海道日本ハムファイターズの郡司選手。
慶応高校を目指すも不合格となり、仙台育英高校に進学。
大学は慶応大学という経歴の持ち主です。

「決勝は郡司対郡司。どっちが勝っても郡司が優勝みたいなところがあるので、どっちも応援してあげてください」
と、両校に笑いを交えたエールを送っていました。

これもまさに両チームへのリスペクトが詰まった愛のあるメッセージでした。
新しい高校野球の形が沢山示された今大会。
見守る側にも時代に合わせたスポーツマンシップが求められていると感じた大会でした。

高校野球。今年も感動をありがとう!

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