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政治講座ⅴ761「ビザ発給停止は権力闘争の誇示か、戦争の兆候か」

中国の混乱は相当なものである。中国共産党の権力闘争も相まって、解放軍の暴走・クーデターが始まる可能性も出てきた。報道記事から混乱ぶりを紹介する。

         皇紀2683年1月12日
         さいたま市桜区
         政治研究者 田村 司

中国のビザ発給停止 羽鳥慎一「なぜ、日本と韓国(だけ)?」

J-CASTニュース の意見 - 5 時間前

「日本にある中国大使館が日本国民に対するビザの発給を停止したと発表しました。来月から中国で働く予定の男性が、突然のこの発表に困惑をしています」と司会の羽鳥慎一がと切り出した。11日(2023年1月)の「モーニングショー」は、中国が日韓に対して行ったビザ発給の停止とその思惑ついて伝えた。


中国のビザ発給停止 羽鳥慎一「なぜ、日本と韓国(だけ)?」© J-CASTニュース

2月から中国で働くため、今週中にビザの申請をするはずだったという製造業の男性は番組の取材に答え、「代理店から『きょう急に発表されました』と連絡があって、今バタバタと大慌てで動いているところですね。引っ越し準備を全部いったんキャンセルしてってなっていくと、正直本当にどうしようかなってところです。観光ならば予定を変えればいいという簡単な話だと思うのですが、就労ビザなので」と厳しい状況を説明した。

「ほかの国々も中国に対して水際対策を取っています」

中国がビザ発給の停止を発表した理由は、日本政府による中国からの入国者への水際対策強化への対抗措置と見られている。

ビザの発給停止はいつまで続くのか。テレビ朝日の冨坂範明・中国総局長は番組に中継で出演し、こう説明した。

(以下引用)

「日本の中国大使館は、再開の時期について『通知を待て』としか言っていません。ただ、韓国の中国大使館は、再開の条件について『差別的な入国条件を取り消せば、再び調整される』としています。逆に言うと、中国が不満に思っている到着時の検査や隔離措置をやめない限り、ビザの発給停止が続く可能性があると思います」

(以上引用)

羽鳥「ほかの国々も中国に対して水際対策を取っています。なぜ、日本と韓国なのでしょうか」

冨坂「例えばアメリカは、出国前48時間の陰性証明は求めているけれど、到着時の検査や隔離措置は求めていません。そういった意味で日本や韓国よりかは水際対策が緩いと言えますので、そういった点で差が付いている可能性があります」

安部敏樹(社会起業家・リディラバ代表)「中国らしい対応という感じ。日本が水際対策を厳しくすると先行して言ったことで彼らのメンツをつぶし、それに対してビザを人質にしたと。これはどう見ても対等ではないので、不適切だと思いますけれども。日本の初動に対して何か反応したかったというのは、外交的に見ればある程度理解できる」
羽鳥「決してプラスになることではないですよね」安部「ここでビザを人質にして対立する意味はあまりないですよね、正直」(ピノコ)

松野官房長官、ビザ発給停止の中国を非難 「極めて遺憾」

毎日新聞 - 3 時間前

 松野博一官房長官は11日の記者会見で、中国当局が中国を訪問するための日本でのビザ(査証)発給手続きを停止したことについて「我が国が新型コロナ対策を目的として、国際的な人の往来を止めるものとならないよう可能な限り配慮して水際措置を実施している一方で、中国が新型コロナ対策とは別の理由で査証発給の制限を一方的に行ったことは極めて遺憾だ」と述べ、中国側に外交ルートで抗議し、発給停止措置の撤廃を求めたことを明らかにした。今後の対応については「中国の感染状況や中国側による情報開示のあり方などを見つつ、適切に対応していく」と述べた。

松野博一官房長官© 毎日新聞 提供

 中国では感染者が爆発的に急増。日本政府は昨年12月30日以降、中国からの入国者に対して入国時検査や陰性証明書の提出などの臨時措置を実施している。今回のビザ発給停止措置は、こうした日本の水際対策への対抗措置とみられる。【村尾哲】

虎から下りない指導者は中国国民の団結を生むか

川村 雄介 - 8 時間前

騎虎難下。胡錦涛退場の党大会動画を見ながら、中国人の友人が呟いた。「虎に跨ったら下りることはできない。下りたら食い殺されてしまうから。虎とは権力のことだ

虎から下りない指導者は中国国民の団結を生むか© Forbes JAPAN 提供

 衝撃的なあのシーンの真相は外部からはうかがい知れない。目線に違和感を覚えさせる胡氏の様子には、健康状態に問題があるようにも感じられた。
「外国人はみんなそう言うが違う。胡さんは昔チベットで党書記をやっていた。チベットは高地で紫外線が強いので目をやられたんです。健康状態に問題はない
ひな壇に居流れた最高幹部が、怒りを含んだような様子で退場する胡氏を無表情に無視する態度も気になった。傍目には習近平氏の権力が盤石になった瞬間のように映る。「違うね」。友人が言う。「軍の幹部には胡錦涛シンパが多い。リベンジ始まるよ。シ(習)さんはこれから大変だ。だから絶対、虎からは下りない。すごい権力闘争になるね
翌週、別の中国人ビジネスマン趙さんと新宿で落ち合った。2年半ぶりの来日だった。駅前にあふれかえる人混みを前に「大丈夫ですか? マスクはつけているけど、コロナ前と同じ人出じゃないですか」。いまの中国では絶対考えられない。マンションにひとりでも感染者が出たら建物全部が封鎖されるし、夜になれば通りはガラガラだ。「公務員の友人はほとんど毎日PCR検査を受けている。夜、スマホに緑色の通知が来ればOK。でないと翌日は出勤できない」
これでは中国経済は大変である。国内外のヒト、モノ、おカネの動きが滞り生産も消費もガタ落ちだ。根雪のように横たわる債務問題も深刻である。四川省を筆頭に地方財政は破綻に近い。国際決済銀行の想定では、中国の総債務額は339兆元(約7000兆円)に上る。加えて巨額の隠れ債務が潜むという。その主犯ともいうべき不動産債務は、歴代の政権が無理やりねじ伏せてきたが、それにも限界がある。債権債務問題は物理的現象でもある。風船が膨らみ続けることはできない。いつかは破裂する。
少子高齢化も急速に進んでいる。一人っ子政策を廃止して8年たつが、一向に出生率は上がらない。来年には人口世界一の座をインドに譲りそうだ。他方で高齢化が進み、財政難の下で福祉経費も増大していく。人々の格差も縮まらない。
ITやDX化が進む中国だが、ここでも政治優先が今後の成長に影を落としている。日常生活の隅々までDX化される一方で、巨大IT企業と政治の微妙な関係や社会監視の強化が人々を寡黙にさせている
さらに米国との緊張関係は、冷戦から「温戦」というべきレベルに移行している。米国は経済の締め付けにとどまらず、安全保障、政治・外交の分野にまで、本格的な制裁に入ろうとしているかのようである。
従来、経済優先で中国に接してきた西欧の雰囲気もかなり悪化してきた。一帯一路の行方も不透明だ。親中的で経済の結びつきを強めてきた中東欧諸国は、ロシアのウクライナ侵略を黙認している中国から急速に離れ始めている。中国からの資金援助でつながってきたアフリカなどの途上国は、債務の軛(くびき)にあえいでいる対中債務がGDPの10%を超える国は42カ国に及ぶという。史上まれに見る発展を遂げたこの国は、あまりに急いで大きくなり過ぎ、世界の孤児になりかけているのだろうか。
党大会で習氏の1強ぶりが強くアピールされたが、それは中国人の日常生活にも浸透している。趙さんが声を落とす。「国営企業では毎日勉強会への参加を求められ、毎週試験が行われる。最近、習さんが何を話したか、その意義は何か、についての講義とテストですよ。落第したら大変なことになる」。大学でも信じがたい光景が見られるという。「教室は監視カメラで見張られている。教授が隙を見て、多少政府に辛口の話をすると学生がスマホで撮っている。授業が終わったら、学生たちに糾弾されるんです」。どこか見覚えがある。そう紅衛兵だ
内憂外患に見舞われているとしか思えない中国である。深い経済関係にある日本としても心配だ。趙さんに「中国ヤバいよねえ?」と尋ねると、彼は急に語気を強めた。「まったく問題ない。わが国は米国と本気で対決する決意を固めた。米国のお陰で14億人が習さんを指導者として挙国一致だよ」。
そして昂然と言い放った。「鷲(米国)が舞い降りた瞬間、虎(中国)が襲いかかるんだ
内憂があるほどに外圧に団結するのが近代中国だ。ふと国共合作を思い浮かべた。
 川村雄介◎一般社団法人 グローカル政策研究所 代表理事。1953年、神奈川県生まれ。長崎大学経済学部教授、大和総研副理事長を経て、現職。東京大学工学部アドバイザリー・ボードを兼務。


中国河南省、89%が感染=新型コロナ、地方に広がる―地元政府発表

昨日 16:49


新型コロナウイルスの感染拡大が地方に広がる中国で、
混み合う安徽省の病院=5日、鳳陽県(AFP時事)
© 時事通信 提供


【北京時事】中国河南省政府は9日、同省の新型コロナウイルス感染率が6日時点で推計89%に達したと発表した。中国政府が示す感染情報は実態と懸け離れていると指摘されるが、一部の地方政府は推計値の公表に踏み切っている。北京や上海など大都市圏だけでなく、感染の地方への広がりが明らかになっている。

「敬老の国」中国で未曽有の老人死、ゼロコロナ破綻で

編集委員 中沢克二

2023年1月11日 

老人を尊重する「敬老」という伝統がいまも生きる儒教の国、中国。14億人の巨大人口を抱える国家でまん延する新型コロナウイルス感染症が、2億人の高齢者を苦境に追い込みつつある。

2022年12月中下旬から1日当たりの老人の死者数が未曽有の高水準に達した。中国の頭脳といわれる中国科学院、工程院のアカデミーメンバーである「院士」もこの1カ月あまり、80歳以上を中心に死者が目立つ

参考文献・参考資料

中国のビザ発給停止 羽鳥慎一「なぜ、日本と韓国(だけ)?」 (msn.com)

松野官房長官、ビザ発給停止の中国を非難 「極めて遺憾」 (msn.com)

虎から下りない指導者は中国国民の団結を生むか (msn.com)

中国河南省、89%が感染=新型コロナ、地方に広がる―地元政府発表 (msn.com)

「敬老の国」中国で未曽有の老人死、ゼロコロナ破綻で: 日本経済新聞 (nikkei.com)

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