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政治講座ⅴ1708「米国の内戦勃発? 混沌とする世界」

  米国で内戦が勃発しても驚かない。何故ならば、米国は南北戦争と言う内戦を一度経験しているからである。
今後も別な次元で分裂する戦いが起こりそうである。
しかし、世界情勢を鑑みると利害関係で分裂する以前に敵の存在があるために、外部の敵へ団結へと向かう可能性がある。それは中国であり、ロシアであろう。
 米国の歴史を俯瞰すると英国からの独立戦争以降、戦争だらけの歴史である。そして、民主主義と言う仮面を被っているが本質は侵略国家であり、覇権主義国家であり、軍事産業複合体商業国家なのである。外見的な軍事力という武力以外にも敵国と狙いを定めた国家を内部から崩壊させる手段をとるのである。その内部から崩壊させる手段が自国内の崩壊へと薬の副作用が起き出したのが今の分裂している米国である。翻って、ロシアのウクライナ侵攻の発端は米国のウクライナへの内部工作が発端なのである。
今回は米国と中国の報道記事を紹介する。

     皇紀2684年3月28日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司


米国は新たな内戦の瀬戸際にあるのか

CNN.co.jp によるストーリー

米首都ワシントンにある連邦議会議事堂の外にいる警察官/Julia Nikhinson/Bloomberg/Getty Images© CNN.co.jp

(CNN) 2024年に入ってから3カ月、どうやら政治の暴力にまつわる悲惨な予言は、今や我が国の主流派と同様に過激な非主流派からも共通して発せられるようだ。トランプ前大統領は、恐らくこれまでで最も声高に叫ぶ予言者だろう。もし自分に対する刑事告訴が24年大統領選の敗北につながることがあれば、「国に混乱が起きる」と警告している。最近では、見たところありふれた政治上の手続きでさえも、結果として暴力の兆しになることがある。米連邦最高裁が1月にバイデン政権の側に立ち、連邦政府の国境監視員に対してテキサス州が設置した蛇腹形鉄条網の撤去を認めた時には、選挙で選ばれた公職者の一部から内戦の前触れだと指摘する声が上がった。24年に向けた脅威に関する声明の中で、国土安全保障省は他の脅威と共に、同年の選挙が「潜在的暴力の重要事象」になると予想している。

22年の著書「アメリカは内戦に向かうのか」の中で、名高い政治学者のバーバラ・F・ウォルター氏は米国の状況について、誰が想定するよりも内戦に近づいていると主張する。原因は政治的過激主義と分極化社会的及び文化的部族主義、大衆による陰謀論の受容、銃器並びに重武装した民兵組織の拡散、政府とリベラル志向の西側民主国家に対する信頼の衰えといった事象の有害な混在だ。重要な要因の中で、ウォルター氏は加速主義に言及。それは「現代社会はもはや救いようがなく、終焉(しゅうえん)を早めなければならないという終末論的な信念、あるいは新秩序を実現するためにこそ終焉を前倒しすべきとする考えを意味する」。

加速主義は白人至上主義者、白人ナショナリスト、人種差別主義者、反ユダヤ主義者、外国人嫌い、反政府の民兵といった層に支持され、革命を高らかに呼び掛ける思想と捉えられている。彼らが熱烈に信じているのは、現代の西側リベラル国家が大変に堕落した無能な存在であり、取り返しのつかない状態だという言説だ。それを破壊し、新たな社会と統治様式を作り上げなくてはならないと彼らは考える。

西側が崩壊の崖っぷちにいるとされる中、加速主義の支持者らは、民主主義を追い詰めて忘却の淵に落とし込むには暴力的な反乱が必要だと主張する。破壊を前倒しすることによってのみ、白人の支配する社会と新秩序の出現が可能になる。それが彼らの思考だ。対立と分極化を扇動するため、暴力的な攻撃を人種的少数派、ユダヤ人、リベラル派、外国人の侵入者、権力エリートに仕掛ける。そして既存の秩序に地殻変動的な崩壊を引き起こし2度目の内戦を誘発するのが加速主義の常套(じょうとう)手段に他ならない。

しかしこのテロリスト戦略は、実際のところ長い伝統の一部となっている。過激で事態を不安定化させる極右の暴力が、そうした伝統を作り上げてきた。その理由を理解し、それらの事象をより広範な文脈で捉えるには、21年1月6日に発生した連邦議会議事堂襲撃事件をある軌跡におけるもう一つの節目と見なす必要がある。その軌跡は1970年代後半に端を発し、80年代を通じて勢いを増した。95年のオクラホマシティー連邦政府ビル爆破事件の後、法執行機関による全国的な取り締まりに続いて進化は失速したが、バラク・オバマ氏が2008年に大統領に選出され、同年の金融不況が米国に衝撃を与えると、新たな目標が注入された。さらにその後、10年代に入るとそれはソーシャルメディアにより武器化された。熱狂的な言説と政治の分極化も追い風になり、米国を分断し続けた。

国家安全保障会議(NSC)の元メンバー、スティーブン・サイモン氏とジョナサン・スティーブンソン氏は、北アイルランドと中東における宗派間の争いについて深い知識を有する。彼らも同様に、米国が簡単に内戦に突入する恐れのある状況を説明している。彼らは執筆した記事の中で次のように書いた。米国は「今や『不安定均衡』の状態にあるようだ。これは本来物理学の用語で、わずかに移動した物体が別の力を引き起こし、元の位置から一段と遠ざかる現象を意味する」。この状態は、暴力行為が米国を混沌(こんとん)と無秩序に追いやるリスクを高める。加速主義者らが望んで止まない事態だ。

最も陰鬱(いんうつ)な評価はしかし、カナダ人ジャーナリストのスティーブン・マーシュ氏が22年の著書「The Next Civil War:The Dispatches from the American Future」の中で行ったものだろう。同氏は新たな米国の内戦は避けられないと主張している。「米国は終わりつつある。問題はどのようにして終わるかだ」(マーシュ氏)。同氏の見解では、「米国は宗派対立のようなものに陥っていく。そうした状況が見られるのは通常、暴力の歴史を抱える貧困国であって、世界で最も長続きする民主主義と世界一の経済力を誇る国ではない」。

過熱気味の人騒がせな主張かもしれないが、これらの不安の背後には一抹の真実以上のものが存在する。米メリーランド大学の民主主義・市民関与センターと米紙ワシントン・ポストが21年に調査したところ、民主党支持者のほぼ4分の1、共和党支持者の4割は政府に対する暴力の行使が「多少なりとも正当化できる」と考えていることが分かった。

この質問に対する回答の割合としては、過去20年以上で最も高い水準となった。これらの懸念がほとんど軽減されていないのは、最近ポスト紙とメリーランド大学の同センターが24年に入ってから行った新たな調査で分かる。「共和党支持者は21年の時点と比べ、議事堂に突入した人々により同情的で、トランプ氏に襲撃の責任はないと考える傾向も高まっている」と、ポスト紙は報じた。

しかし世論調査にしろ予測にしろ、実際に起きることを予言するわけではない。我々は内戦の可能性が比較的低いと考えているが、その理由の大部分は米国の政治的分断がもはや北部対南部のような明確な地理的分類に落とし込めない点にある。また分断は、奴隷制のような単一の争点を中心に繰り広げられているわけでもない。それでも米国は目下、別の種類の脅威に直面している。単純な赤い州(レッドステート:共和党の強い州)と青い州(ブルーステート:民主党の強い州)の違いや都市対地方の構図に従うことなく、異なる暴力の形態が、組織化された分離主義というよりも持続的な全国規模のテロ行為として顕在化する公算が一段と大きい。

忘れてはならないのは、民間の手にある銃器の数で、米国は世界のトップに立っているということだ。しかも他国を大きく引き離して。米国は世界人口の4%しか占めていないが、スイスを拠点とする独立系の調査プロジェクト、スモール・アームズ・サーベイによると、世界中の銃器のざっと4割がそこに集中している。米国で民間人が所持する銃器の数は推計3億9300万丁国民1人当たり1丁以上所持している計算だ。実際のところ、米国における民間所有の銃器の数は、他の上位25カ国を合わせた数を上回る。20年に米国で購入された銃器の数は2300万丁近くと、記録が残るどの年よりも多かった。サイモン氏とスティーブンソン氏は、こうした米国における民間所持の武器の拡散が「リーダーのいない抵抗を一層実行可能なものにしている」と分析する。その抵抗は20世紀後半に民兵の理論家が支持。現在は極右や反権威主義的なブーガルー運動(アロハシャツを着た彼ら)が掲げるのが典型となっている。

事実、個人の銃所持の権利を認めた合衆国憲法修正第2条を最も熱烈に擁護する人々の一部は、新たな内戦に向けた自分たちの願望を表明している。銃の権利は1990年代初めの民兵運動を刺激し、ティモシー・マクベイが95年のオクラホマシティー連邦政府ビル爆破事件を起こすのを思い立つ上で重要な役割を果たした。この事件は2001年の米同時多発テロ発生まで、米国内で最も多数の死者を出したテロ攻撃だった。

仮に米国が実際の内戦を回避するとしても、様々な暗いシナリオを想像するのは難しいことではなく、広範にわたって一連の政治的暴力が起きる恐れがある。そうなれば国の安定は失われ、既存の分断は一段と固定化。政府が市民を守る能力にも深刻な問題が生じるだろう。米国における民主主義的規範の崩壊を扱った23年の著書の中で、当時外交問題評議会(CFR)の会長だったリチャード・ハース氏が提起した可能性は、米国が北アイルランドで長年続いた流血の宗派紛争「トラブルズ」のパターンに直面するというものだ。

ハース氏は次のように警告する。「仮に我々が恐れるべきモデルが存在するとすれば、それは北アイルランドとトラブルズに由来する。1960年代後半に始まった30年に及ぶ争いには、数多くの準軍事組織、警察、兵士が関与し、結果的に約3600人が死亡。地元の経済生産は激減した」。米国の主導的な白人至上主義者らは、内戦と暴動を誰よりも擁護する部類の人々だが、彼らは北アイルランドを手本として引き合いに出してきた。そして現地の有力なテロ組織、アイルランド共和軍(IRA)を、模倣する価値ありと見なしている。「すぐに我々自身にとっての『トラブルズ』が広がっていくだろう」。米国の極右暴力地下組織を率いた初期のリーダーの一人、ロバート・マイルズ氏は、古代スカンジナビア語の暗号名「Fafnir」を名乗り、80年代のオンラインフォーラムでそう書いている。「IRAの活動パターンはこの国の各地で見られるようになるだろう。(中略)すぐに米国はアイルランドの再現となる」(マイルズ氏)

最終的に2020年大統領選の結果を承認することには成功し、翌年1月6日に連邦議会議事堂への突入に加わった暴徒は1000人以上が逮捕された。これらの少なくとも半数は裁判で有罪を認める、もしくは有罪判決を受けている。また22年中間選挙の周辺の出来事は、大半が平和的なものだった。にもかかわらず、米国における極右テロの脅威は続いている。

長きにわたる歴史的な軌跡が議事堂襲撃事件で頂点に達し、陰謀論の拡散と横行は継続。人種差別主義、反ユダヤ主義、外国人嫌いも高まりを見せ、既に米国内の政治的、社会的言説に入り込んでしまった。容易に銃器が手に入る環境も相まって、銃乱射や重要インフラへの攻撃、爆破などといった政治的動機に基づく国内での暴力が新たに行使される可能性は、退けることも無視することもできないのが実情となっている。

ブルース・ホフマン氏は外交問題評議会(CFR)の対テロ及び国土安全保障担当シニアフェローで、ジョージタウン大教授。ジェーコブ・ウェア氏はCFRのリサーチフェローで、ジョージタウン大学とデセールス大学の非常勤教授を務める。本稿は一部、両氏の近著「God,Guns, and Sedition: Far-Right Terrorism in America」を出典とする。記事の内容は両氏個人の見解です。

激増する中国からの移民が習近平政権に牙を剥く「歴史の証明」

アサ芸biz の意見

激増する中国からの移民が習近平政権に牙を剥く「歴史の証明」© アサ芸biz

中国で移民という新たな「長征」が始まっている。

長征は建国前に国民党軍に敗れた毛沢東が本拠地であった端金(江西省)を放棄し(1934~36年)、餓えのなかで国民党軍と戦いながら、徒歩で延安まで1万2000㎞を移動し続けたことを言う。

中国共産党が誇るその戦いから、およそ90年が過ぎた今、中国人が共産党政権から逃れるために決死の覚悟で中国からビザを必要としない南米・エクアドルに渡り、車と時には徒歩でジャングルを通って北上してアメリカで不法移民になることに救いを見出す中国人が急拡大している。

「人民の国」から敵であるはずの「自由な国」への移民とは皮肉な事態であるが、その数はここ2~3年で増える一方で、昨年は4万人に達し、24年は5万人を超えると見込まれているほどだ。その多くは中国の監視社会から逃れ「自由」を求めたと伝えられているが、中国の移民史を紐解くともう少し違った側面が見えてくる。

中国の移民の歴史は、8~9世紀の唐代に始まり、16世紀の大航海時代の明代で広がりを見せたが、倭寇の勃興もあって明代後記に終焉に向った。

その後、アヘン戦争の敗北で、中国人の海外移民が本格化した。イギリスがマレー半島のスズ鉱山の労働力として連行し、米国が奴隷労働の黒人に代わる安価な苦力(クーリー)と呼ばれる労働力として、中国人移民がゴールドラッシュに沸くカルフォルニアの鉱山や大陸横断鉄道の建設に従事した。

彼らは社会の最底辺にあったが、中国人は同族・同郷の出身者で幇という組織を作って団結し、助けあったことが知られている。

歴史に残る彼らの活躍で中国共産党史にも記録されているのが、腐敗した清王朝打倒のための同郷ネットワークである幇を生かし「大量の資金」を打倒王朝派軍に送り、辛亥革命を支え共産党国家成立の切っ掛けをもたらしたことだ。つまり注目は、現在急増している移民と不法移民が将来中国共産党の存在に刃を向けるような影響を与えるのかどうかである。

中国から海外に、年間、およそ100万人近くの移民が生まれていると推定されているが、中国人から移民先として人気のない日本ですら、この10年で定住を目的とした入国者が2倍を超え、全国で中国タウン化が進んでいる都市が増えていることを考えると、この数字も納得できる。

移民が増えた理由の一つは、「ゼロコロナ政策」で、共産党を支持していた富裕層が賄賂と人脈を駆使しようとマンションから出る自由が持てない期間を経験し、共産党支配の恐ろしさを改めて知ったことだ。さらにもう一つは、先の全人代で共産党の優位性を定めた法改正があり、共産党が経済よりもあらゆる面で国家安全(共産党)を優先する姿勢を明らかにしたことにある。

要は、習近平中国は経済優先した鄧小平時代と決別し、たとえ対立する民主主義国家と鎖国的な状況になっても仕方ないという方向を選んだのだ。

(団勇人・ジャーナリスト)


参考文献・参考資料

米国は新たな内戦の瀬戸際にあるのか (msn.com)

激増する中国からの移民が習近平政権に牙を剥く「歴史の証明」 (msn.com)

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