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怒涛の一日から休息の一日まで

昨日は昨日でかなり疲れていたのかもしれない。昼食をとった後で、いつものごとく睡魔に襲われ、横になったのち暫く体が動けないままでいた。


月末であり、かつほとんどの企業は決算月ということもあって、大半の取引先から「早く伝票をよこしてほしい!」などといった電話が、事務所内を飛び交っている。

中には、ファクスを介して送ったにも関わらず、手元に届いてないだの誤って紛失してしまっただのといったコールバックを受けることもあった。

すでに郵送する準備が整っている封筒を、もう一度開けては中身を取り出し、再度送信しなければならない事態にまで発展していた。


加えて、午前中に外を出た日にはもれなく、大雨と強風の二重奏デュエットに見舞われてしまう。

傘を差しても無意味と言わんばかりに雨風が吹き荒れている中、各運送便から届けられた荷物の中身がダメになってしまわないよう、厳重に倉庫の奥まで運び込むのも一苦労であった。

仲の良い先輩であるKさんと協力して、倉庫のシャッターの開け閉めをタイミングよく見計らい、次々と入れ込んでいく。

月末であるにも関わらず、明らかに需要と供給が見合っていない大量の荷物をすべて入れ終わると、Kさんとともに「まったく商品取りすぎなんだよ〜」と呟く。


やがて夕方になり帰る頃合いには、まさかの晴天が広がっていた。午前中まで嵐と化していた光景はいったいなんだったのかと思わざるを得ないほどに。

それはまるではるか遠く離れた場所に移動してきたかのように、空には雲一つもみえていない。


そんな中で最後の運送便のトラックが到着し、すぐさま集荷をおこなってもらっている。しかし、その担当者が使用している端末の調子が悪いのか、送り状や一覧表などに乗っかっているバーコードがうまく読み込めていない。

今年から端末を新しくして貰ったそうだが、その後で初期不良が起きて修理に出した形跡はない。担当者曰く、一人につき専用端末1台あたりに、我々の想像を超えるような金額を投資しているとのことだそうだ。

ゆえに大荒れの天気の中、雨に濡れただけでそう簡単に故障するはずがない。しかしながら、バーコード一つも読み取れないようでは、端末の意味もなく役にも立たない。

その後一か八かと再起動を試みたところ、端末はなんとか読み取ることができた。今まで出来なかった原因はいったい何だったのか、気になるところではあった。


その運送便は、次の会社さんでの集荷を控えているため、悠長に原因を探りあっている場合ではなかった。ここで未曾有みぞうのトラブルに見舞われた挙句、予定より長く時間を費やしてしまったため、集荷を終わらせては急いで後にしていった。

時代の流れとともに利便性が向上したといえども、こうしたトラブルが起こってしまうようでは、何のために効率をよくしたのだろうか。と、その場に居合わせていたKさんと呟くのであった。


…といったある意味で怒涛の一日が過ぎ去ってから翌日、気がついたら時刻は夕方になっている。自室の床に寝そべっていた私の元には、いつも寝る時に使っている枕と毛布が敷かれていた。

母が買い物に出かけると言っていたそうだが、その際適当に相槌を打ったまではかろうじて憶えていた。そしてその後自分の身に何がどうなったのか、まるで記憶がない。


怒涛の一日と休息の一日が過ぎた今、その場で綴れるのはこれだけしかなかったもので、とりあえず記憶が頭からごっそりと抜け落ちてしまう前に、文字に起こした次第である。







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