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良い音は、良い物で聴きたい。

はじめてイヤホンを両耳に付けて音が流れた時の感動は、今でも覚えている。


私が物心ついてから、家ではほぼ日常的にポール・マッカートニービリー・ジョエルをはじめとした洋楽が流れ込んでいた。この頃の私にとって音楽というものは、左右に分かれたスピーカーで聴くものであると理解していた。

ところがその概念は小学生だった頃にすべて覆されるのだった。大のTUBE好きである従兄弟が、ポータブルCDプレーヤーを持って遊びに来たある日のことである。

そこで「良い曲が入っているから聴いてみなよ」と従兄弟から勧められた『-恋愛旅団-』という曲がイヤホンを通して両耳に流れ込んできた時、一瞬だけ言葉を失ってしまうほどに、これまで感じたことのない脳内革命が巻き起こったのだ。

この時をイメージするなら、今から10年以上前に放送されたアニメ「Angel beats!」に出てくる岩沢というキャラが、初めて音楽に触れた時のシーンをそのままそっくり映し出されている感覚と似たものであった。


以来私は、10代にしていろんなイヤホンもしくはヘッドホンに興味を持つようになった。しかしまったくバイトをしていない身としては、たいていの物は手の届く位置にはなかった。

精々、携帯の機種を変更した際に付いてきたイヤホンや、高くても月に一度親から貰えるお小遣いを長い間かけて貯めては、ようやく購入することができそうな物が限界であった。

高校生の頃、ほぼリアルタイムで見ていたアニメ「けいおん!」で目にした、AKGのヘッドホンをネットで調べた日には、その驚愕的な値段を前に、空いた口が塞がらなかったことを今でも記憶している。

あの頃は欲しくてもなかなか買えずにいた思いを抱いていたからこそ、社会人になり自分でお金を稼げるようになってからは、ウォークマンをはじめ数万円かかるヘッドホンを平気で何台か買い込むようになってきた。


最近では年に一回のペースでワイヤレスヘッドホン、もしくは完全ワイヤレスイヤホンを購入している。

その際、前もってAmazonなどのサイトに投稿されたレビューを参考にすることもあるが、何も試聴しないまま一情報だけで購入に結びつけるのは意外と難しい。

直接家電量販店に出向いて自ら気になったものに触れて聴いてみないと、値段が安かろうと高かろうと肝心な音についての善し悪しがつかなくなってしまうこともある。

それでも、自分にとって良いと思う音楽を、良いと思う物で聴きたい気持ちは、これまでもこれからも変わらず持ち続けたいものである。





最後までお読みいただきありがとうございました。 またお会いできる日を楽しみにしています!