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今でも思い出す「好きだった」人①

ぽちっとしてくださり、ありがとうございます。

最近Netflixでドラマを見ていて、俳優さんの顔立ちや雰囲気が昔好きだった人と重なってその頃のことをふいに思い出す瞬間が多いんです。

皆さんにも忘れられない人はいますか?

カフェの隣席で知らない人たちが恋愛話をしてるのをこっそり聞くように、読んでいってください。


私が大学生だった頃、2019年頃にInstagramでは
#〇〇と繋がりたい 
のように人と繋がることが流行っていました(たぶん)。
私もその1人で、自分のコーディネートやカフェなどの投稿していました。


そこで仲良くなったのが、好きだった彼でした。

おだやかに優しい関西弁を話す人でした。

自己紹介から始まり、好きなものの話やお互いの日々の話などたわいもないやりとりが続きました。

最初はDMでやりとりをし、仲良くなってからは電話をするようになりました。

お互いマメなタイプだったので、1日も欠かさず連絡を取り合っていました。

すでにその頃には私は彼に思いを寄せていたんだと思います。
彼はそんな気はないような感じでした。

そこから1年ぐらい経った頃。彼が東京にくる用事ができたとのことで、会わないかと提案してきました。私はすぐに返事をし、会うことになりました。



ドキドキしながら迎えた当日。
チームラボに行ったり、ご飯を食べたり、電車に乗ったり、私の大学の講義をこっそり一緒に受けたり。ずっと声だけを聞いていた人が隣にいる感覚が不思議で、あっという間に時間が過ぎていきました。

ただ、彼はデートというつもりではなさそうですし、カップルでもないのでお互いに
「ありがとう、またね〜」
と伝えて解散。

私は次の日も楽しかった昨日のことで頭がいっぱいでした。そのことを友達に話しました。
すると、私が彼に会いたいことが伝わったのでしょう。
「今日まで東京にいるんでしょ?会いたいって言いなよ。だってもう二度と会えないかもしれないんでしょ?」
と言いました。

大学の講義を受けながら教授の話をそっちのけであれやこれやと考えて、
「よし。この講義が終わったら彼に連絡しよう!」
そう決心しました。

講義が終わりスマホを見ると彼から
「今日、もしよかったら会わへん?」
とLINEが来ていました。
驚きと嬉しさでいっぱいでした。

「まさか、もう一度彼に会えるなんて…。
しかも彼も同じように思ってくれいたとは!」
と繋がりを感じた瞬間でした。

その日も楽しく東京を散歩しました。夜になり、関西に帰る彼を見送ることにしました。駅までの電車の中でふいに
「会えて本当に嬉しかった、いなくなってほしくない」
とそれまで気づかないふりをしていた自分の気持ちが込み上げました。隣に座る彼に気づかれないように頬を伝う涙を顔を触るふりをして必死でなかったことにしました。そのせいで、いつもより沈黙の時間が多くありました。

改札で最後にあいさつをする時も涙があふれそうで
「ありがとう」
としか言えませんでした。
彼が見えなくなってから、幸せで、でも寂しくて辛くて、胸いっぱいになった感情が全部涙となって流れ落ちました。



またその次の日からいつも通りのやりとりをしました。

「遠距離恋愛は無理やもんなぁ…。今は良くても先がないねん…。」
恋愛話をしている時にそんなことを言われました。
自分でも薄々わかっていながらも、ショッキングな話でした。

きっと彼は友達としてこれからも仲良くしたいと思っていてくれていたのだろうと思います。けれども、私は友達として関わろうとしても言うことを聞いてくれない自分の心が辛く、切なく感じました。

そして、何も伝えずに連絡を取ることをやめてしまいました。



1ヶ月くらい経った頃でしょうか。共通の知り合いに私のことを聞いていたようでした。それでも連絡が取れない私を心配して、手紙をくれました。それに対して、もう連絡は取れないこと、これまでの感謝の手紙を返しました。
私が大好きで、「関西にはない」と彼が言い張っていたグリコのBitteを添えて。当時の私にとって、そのお菓子を渡すことが最大限の想いを伝える方法でした。

それから彼から連絡が来ることはありませんでした。

遠くに想う人がいる生活が終わりました。




彼の当時の気持ちを聞かずに、自分の気持ちも伝えずに終わらせてしまったので今も心に残っているのです。

私は彼が話したいと思ってくれていることが嬉しくて、時にハッとするような助言をしてくれる所、ものごとを深く冷静に考えることのできる所や冷たく聞こえることを言うわりに心の底に静かな思いやりがある所、お酒を飲んで見せる可愛らしい所が好きでした。

私が人生最初で最後に「恋をした人」でした。

彼はどう思っていたのか、元気でいるだろうか。


どうか幸せであってほしいと想っています。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。



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