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逆立ちするクセ -昼食前の謎習慣、ゆりごろう先生に学ぶ- #044

気づけば、職場で昼食前に逆立ちをするようになっていた。

逆立ちはもちろん自分でやることにしたわけであるが、いつからそうしているのか、何の意味があってそれを続けているのか、もはやわからなくなっている。

職場の休憩室にはヨガマットが置いてある。昼食を準備した後、3つ折りにしたマットに頭をつけて三点倒立をする。

職場の後輩が何年か前にに取ってくれた写真。これはヘッドスタンドというらしい。
普段は両手のひらをマットにつけた三点倒立をしている。

これは職場の同僚たちにとってはいつも通りの光景なのだが、異動や新入職の職員、たまに来る実習生には説明が必要だ。

つなまよ「ちょっとお昼食べる前に逆立ちするけど、気にしないでね」
新しい人「え?…はい」
同僚たち「そうそう、私達も最初は驚いたんだけどね」

とんでもない職場に来てしまった、と思われているかもしれない。


時々「どうして逆立ちしているんですか?」と聞かれる。「逆立ちは健康に良いらしいですね」と言われることもある。

しかし、私は自分がどうして逆立ちしているかよくわからないのである。

気づけば、そういう習慣になってしまったのだった。きっかけはヨガだったと思う。

私は今までに何人かの先生からヨガを教わってきた。そのうち「アシュタンガヨガ」の教室では基本的に、動きの順番が決まっていて、後半になると仰向けで足を上にあげたり、逆立ちの姿勢をとる流れになっていた。

逆さまになるポーズは最初うまくできなかったのであるが、やってみるとなんだかすっきりするし、きれいな姿勢で倒立をしている人の姿を見て、いいなぁと思った。

それで効果はよくわからぬままに、私は日々とにかく逆立ちをしてみることにしたのだった。


何かを習慣化するには、普段やっている行動と組み合わせるとよい。

心理職としてよくそう伝えている私は、職場での昼食の時間と組み合わせることにした。逆立ちをしないと昼食が食べられない、という流れにしたのだった。

新しく習慣化したいことをすでにやっていることと組み合わせるやり方は、さまざまな研究で有効性が示されている通りとても強力で、私は気づけば何も考えずに逆立ちをするようになってしまった。そうして、次のやり取りになるのである。

「何で…、逆立ちしてるんですか?」
「いや、ちょっと理由はわからないんですよね」

逆立ちを見た何人かが教えてくれたところによると、逆立ちの健康効果は「内臓が正しい位置に戻る」「血流が良くなる(足から頭の方向に血が流れる)」「頭頂のツボを刺激する」「バランス感覚が鍛えられる」「身体の感覚に意識を集中できるから余計な考えが浮かばなくなる」「筋トレになる」といったことかもしれない。

ちなみに教えてくれた人の内、誰一人逆立ちをやっている人はいなかったので、これらが本当かどうかは未だ謎である。どなたか知っている方がいたら教えて欲しい。


そういえば私にとって、逆立ちと言えば石田ゆり子(ゆりごろう)さんだ。

三点倒立をしていた時、私はふと「腕だけでの逆立ち(つまり普通の逆立ち)」をやってみようと思い立った。逆立ちができたら、かっこいい。

それでyoutubeなどでやり方を調べたのだが、何だか腕が折れそうだし、倒れるのが怖くて、うまくできなかった。

そんなある日たまたま、石田ゆり子さんの著書「ハニオ日記」を手に取った。

ゆり子さんはお家(ゆりごろう王国)で、たくさんの猫たちや犬と暮らしている。その日々の記録の中に、ゆり子さんは逆立ちが好きでよく逆立ちをしているということと、きれいな逆立ちの写真があった。
(下のリンクは石田ゆり子さんの逆立ちと、ヘッドスタンドのインスタグラム投稿)

ゆり子さんの逆立ちの写真を見た私は、急に逆立ちができる気がしてきた。筋力不足で腕が折れるのが心配だったのだが、こんなにスタイルのよいゆり子さんにできるなら、筋力の問題ではなさそうだ。

何度か練習してみると、私も腕だけでの倒立も少しできるようになった。でも狭い場所では足をけり上げる時に、何かにぶつかってしまうのと(何度か踵を机にぶつけて心が折れかけた)、腕だけの逆立ちは長時間はまだ辛いので、私は今も昼食前に三点倒立だけをやっている。

昼食前、誰か隣で一緒に逆立ちをしてくれないかなと思いつつ、私は今日も逆立ちをしている。

2024年2月9日執筆、2024年2月12日投稿

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