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「あなたならできる」の力と上司の責任

誰かに言われて自分の自信になっている言葉はありますか?
自分は誰かにそういう言葉をかけられているでしょうか。

組織でいえば、上司やリーダーという役割のある方は部下やメンバーに自信を与えられる状態を自分でつくれているでしょうか。


大学時代の教授のひとこと

元々持っていた人と違うことがしたい、普通に生きても面白くない、といった考え方に加えて若い頃のイキりも重なって、大学時代、僕は周りと同じような就職活動をしませんでした。

友人たちは基本的に名のある企業を目標とし、大企業を中心に就職活動をしていましたが、僕は地元の中小企業ばかり面接を受けていたのです。

当時はめちゃくちゃ浅い発想で、組織とはどういうものなのかも考えずに「大企業の歯車になりたくない!」とか語っていました。
地元ではそこそこネームバリューのある大学だったので企業側も面接で「どうして大企業に行かないの?」という感じも結構ありましたが、人と違うことに悦に入っていた僕は「歯車になりたくないんで」みたいな物凄く恥ずかしいイキり返答をしていました。(今思えばそんな学生よく採用してくれたものです…)

結局地元企業の営業職として就職したわけですが、周りの人たちもみんな就職が決まった頃、こいつは外銀、こいつは商社、といった感じで大手に就職を決めた同期生がいる中、さすがに「俺ってこれで良かったのかな…」という考えが芽生えていました。

何となくモヤモヤとしていた時に、ゼミの教授から「まぁ君の場合はどこにいっても君らしくやるから大丈夫だね」と言われたんです。

確か飲み会の帰りか何かで特に深い意味をもって言われたわけじゃないんですが、この「どこにいっても自分らしくやれる」という言葉がすごく嬉しかった。

自信になったし、20年近く経った今でも自分の中で強く残っていて、何か悩んだり迷ったりした時は「俺はどこにいっても自分らしくやれるから大丈夫」と思えています。先生ありがとう。

「あなたならできる」の力と上司の責任

これは組織の中で上司と部下においても大切だと思っています。

部下に対して「あなたならできる」と言えること、部下を信頼することが、その部下の自己効力感、自己肯定感や自信、モチベーションをどれだけ高めることか。

もちろん成果を求めるのが仕事ですから甘いことばかり言うわけにはいきませんし、何でもやれるやれると声を掛けようということでもありません。

上司は自分の部下に対して、この人ならやれる、と自分が思える状態にすること自体が仕事でもあります。
単に信頼するという精神論ではなく、スキル的にもマインド的にも自分が信頼できる状態に自分の部下を成長させることが仕事なのです。

部下に対して「仕事が任せられない」とか愚痴を言っている上司を見かけますが、それは自分のマネジメントの無能さを晒しているのと同じ。
私は信頼できる部下をつくれない無能なマネージャーなんです、と同義です。

信頼できる部下をつくり、その部下に自信を与え、また部下からも信頼を得るということは上司がその役割に課せられた責任だと思っています。

上司という立場に立っている人の中には、自分はプレイヤーの時から自分の上司の期待に応えてきたし実力があるから今のポジションについている、自分と比較して自分の部下は努力が足りない、と考えてしまう人もいると思います。

確かにそうかもしれません。

努力してもっと良いパフォーマンスを発揮しようとすることは組織で働く人の義務ともいえます。

でも、その努力さえさせてしまうのが上司のスキルであり、「あなたならできる」と言える(言えるように上司としてまた努力してきた)器だと思うんです。

まとめ

人は努力なくして真に自信を持つことはできません。しかし、周囲の言葉はそのきっかけになり得ます。

仕事においては、そのきっかけをつくること自体が上司の責任であり、またやりがいでもあるのではないでしょうか。


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