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運命は、運命を変えられる。僕が『君の名は。』に泣く理由。

3年前、劇場公開初日に『君の名は。』を観た日のことは、今でも鮮明に覚えている。そして、今作を観直すたびに、あの日の感動がよみがえってきて、思わず涙ぐんでしまう。



それまで新海誠監督は、「運命」と対峙しながら物語を紡いできた。

『ほしのこえ』では、「運命」の信じ方を。『秒速5センチメートル』では、「運命」の受け入れ方を。そして、『言の葉の庭』では、「運命」への静かな抗い方を。

絶対的なものとして表される「運命」は、だからこそ神秘的な魅力を放っていたとも言える。

しかし、『君の名は。』で描かれた「運命」は、単に受け入れるだけのものではなかった。

あの作品に込められていたのは、「運命は運命を変えられる」という力強い「肯定」のメッセージであった。

僕は、その輝かしい確信に触れた時、気づいたらボロボロと涙をこぼしていた。

もちろん、僕だけではない。こうした全く新しい形の恋愛映画が、現代の日本において強く求められていたことは、天文学的な観客動員数が証明している。

今観ても、今作のメッセージは決して色褪せてはいない。


そしていよいよ、新海監督の最新作『天気の子』が7月19日(金)に公開される。

本来、「天気」とは、操ることも、抗うこともできない絶対的なものである。しかし、今作のヒロイン・陽菜は、「100パーセントの晴れ女」だ。

「運命は運命を変えられる」という『君の名は。』の渾身のメッセージは、きっと『天気の子』にも通底しているのだろう。

その上で、新海監督は、今回はいったいどんな新しい物語を紡いでくれるのか。期待して、公開日を待ちたい。




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