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「限りある時間の使い方」昔見たロビン・ウイリアムズの映画が思い出された本

 こんにちは、オオハシです。本日も雨ですね。今年は週末が雨のことが本当に多い気がします。本日は、知り合いの方のバックの中にこのタイトルが見えて、気になった本。 最近、物理的本屋にあまり行けてないこともあって、こないだ久々に行ったら平積みされていてなかなか反響を呼んでいる本だと知りました。

 人それぞれ読み方・感想はあると思いますが、僕にとっては納得のいくというか僕のポリシーと合致していて応援された印象を受けた本でした。すごい量の参考文献が巻末に記されていて著者は本当に膨大な調査を行って書籍化しているんだなと感服します。それでは行ってみましょう。


限りある時間の使い方

オリバー・バークマン 著  高橋璃子 訳
2022年6月の本

  社会人になって初期のころから「1分1秒のコスト意識」をたたきこまれ、それこそこの本にある通り、膨大なToDoリストを高速でこなし、「効率を上げれば上げるほど、ますます忙しくなる。タスクをすばやく片付ければ片付けるほど、ますます多くのタスクが積みあがる」という日々を暮らしています。それはそれで自分なりにも満足しているし、仕事関係でいえば、とにかくかかるタスクへの時間をストップウォッチで計測して徹底的な時間効率化もチャレンジしています。インタビューを受け、記事にもなりました。


 
 この本は従来のタイムマネジメント本とは一線を画しています。といっても、従来のタイムマネジメント本って、それほど読んだことがあるわけではないのですが…。 自分なりに23年のビジネス生活で編み出してきたこと、より効率的に行うには自分をどうコントロールすればよいか、タスクがたまりすぎた場合はどう対処していけばよいか、それなりに自分で身につけてきたものがあります。

 そうした日々のタスク管理術もあるのですが、社会人になって結婚して子どもも生まれて、さて自分としてはどう生きていけばいいのかと悩んでしまっていた2004年(もう約20年前ですね)自分のポリシーを定めました。 いろいろ迷ったけれど、その時点での自分の考え方の軸というか中心的な部分について言語化しました。 そこで言語化した内容が、この書籍に書かれていた内容に近しかったので、僕にとっては腹落ちする本となりました。

2004年に定めた自分のポリシー いまも手帳にあります

 万民にあうかどうかというと何とも言えないところもございますが、日々忙しすぎる皆様には、立ち止まって読んでいただいて価値のある本だとは思います。ぜひご一読ください。中学の時に見てすごく感動した「今を生きる(Carpe Diem)」を思い出された一冊となりました。


下記、引用抜粋となります。多くなってしまったのでざざっとみていただければと思います。


未来はコントロールできない

 忙しさも先延ばしも、結局は怖いことから目をそらすための方便だ。ニーチェは次のように言う。
「我々は生活に必要な以上に熱心に、夢中で日々の仕事に取り組んでいる。立ち止まって考える暇ができては困るからだ。世の中がこれほど忙しいのは、誰もが自分自身から逃避しているためである」
 僕たちはスケジュールや計画に強迫的にしがみつき、未来をコントロールできないという事実を忘れようとする。

限りある時間の使い方 P40


「やらない」と決めること

 反射的にタスクをこなすかわりに、すべてをやりきれないという不安を抱えること。やりたい誘惑を振り切り、「やらない」と決めること。そのあいだにもメールや用事はどんどんやってくるし、そのうちの多くはまったく手がつけられないだろう。それでも、その不快感に耐えながら、本当に重要なことに集中するのだ。
 もちろん無理をして仕事を詰め込まなくてはならないときもあると思う。大事なのは、それをデフォルトにしないことだ。いつかすべてが片付いて完璧な時間が手に入るというのは、ただの幻想にすぎないのだから。

限りある時間の使い方 P63


良い先延ばし

 良い先延ばしをする人は、すべてを片づけることはできないという事実を受け入れたうえで、何に集中して何を放置するかを賢明に判断する。ダメな先延ばしをする人は、自分の限界を受け入れることができず、そのせいで動けなくなる。自分が限りある人間だということを認めきれず、失望を避けるために先延ばしを利用しているのだ。

限りある時間の使い方 P97


今を生きる

 過去は変えられず、未来はどうなるかわからない。
 そう考えれば、古代から多くの思想家が「今ここにある現在」に注意を向けなさいとアドバイスしているのもうなずける。いまこの瞬間だけが、僕たちに関係のある唯一の時間だからだ。

限りある時間の使い方 P145


赤ちゃんとの時間

 物心ついたときから、僕は将来の結果のために日々を過ごしてきた。いい成績をとるため、いい仕事に就くため、健康な体を手に入れるため。そうやって努力すれば、いつか素敵な将来がやってくるのだと思っていた。そして赤ちゃんがやってきたとき、僕は赤ちゃんにも同じことをさせようとした。
 将来この子が最善の結果を得るために、今の時間を利用しようと考えたのだ。
 生まれたばかりの赤ちゃんと過ごすのに、そんな態度でいいのだろうか?
 もちろん、予防接種を受けさせたり、幼稚園に申し込んだりと、将来のことをいくらか考えておくことは必要だと思う。でも息子は今ここにいて、0歳である期間はたった1年だけだ。この二度とは戻らない貴重な時間を、いつだかわからない未来のために犠牲にしたくはない。
 息子は、ただ純粋に、そこに存在していた。わけもわからず投げ込まれた世界で、その瞬間を懸命に生きていた。僕もそこに参加したいと思った。ちっぽけな手が僕の指をつかむのを感じ、不安定な頭が音に反応して振り返るのをしっかりと見ていたい。

限りある時間の使い方 P153


有意義な休み??

 現代に生きる僕たちは、休みを「有意義に使う」とか「無駄にする」という奇妙な考えにすっかり染まっている。将来に向けて何らかの価値を生み出さないものは、すべて単なる怠惰でしかない。休息が許されるのは、働く元気を取り戻すためだけだ。こうして純粋な休息としての休息はどんどん肩身が狭くなっていく。将来のためにならない過ごし方をすると、なんだか悪いことをしたような気分になる。
 でも、本当は、余暇を「無駄に」過ごすことこそ、余暇を無駄にしないための唯一の方法ではないだろうか。
 何の役にも立たないことに時間を使い、その体験を純粋に楽しむこと。将来に備えて自分を高めるのではなく、ただ何もしないで休むこと。
 一度きりの人生を存分に生きるためには、将来に向けた学びや鍛錬をいったん忘れる時間が必要だ。怠けることは単に許容されるだけでなく、人としての責任だといっていい。

限りある時間の使い方 P172


努力と禁欲と自罰

 日々のあらゆる時間を努力で満たしていれば、いつか幸せな未来がやってくる。そう信じる気持ちは宗教とたいして変わらない。すべてが完璧にうまくいき、悩みも苦痛もなく、何も努力しなくても安心していられる状態 -それと天国のあいだに、どれほどの違いがあるだろう。現代人が休みの日に仕事をするだけでなく、筋トレで自分を痛めつけるのも何ら不思議ではない。禁欲と自罰でみずからの高潔さを証明していなければ、敗者の烙印を押されそうで不安なのだ。

限りある時間の使い方 P176


今、この瞬間に集中

 そんなつらい現実を受け入れて、何の得があるかって?
 ここにいることができる。
 人生の本番を生きられる。限られた時間を、本当に大事なことをして過ごせる。今この瞬間に集中できる。
 もちろんそれは、長期的な計画を否定するものではない。結婚、子育て、組織の立ち上げ、政治改革、気候危機の解決。どれも非常に大事な問題だ。ただ、そういう時間のかかわるプロジェクトでさえ、今この瞬間がなければ始まらない。結果はどうあれ、目の前の一歩にしっかりと取り組むしかない。
 それが今できるすべてだからだ。

限りある時間の使い方 P252


ありのままの自分を受け入れる

 心の安らぎと解放は、承認を得ることからではなく、「たとえ承認を得ても安心など手に入らない」とおいう現実に屈することから得られる。
 誰に認めてもらわなくても、自分はここにいていい。
 そう思えたときに、人は本当の意味で善く生きられるのだと僕は思う。
 「こうあるべき」というプレッシャーから自由になれば、今ここにいる自分と向き合うことができる。自分の強みや弱み、才能や情熱を認め、その導きのままに進んでいくことができる。

限りある時間の使い方 P259


尻込みしている分野は何か?

 まだ自信がないからと、尻込みしている分野は何か?
 (中略)
 たとえ経験や自信がなくても、やるのを諦める理由はどこにもない。
 どうせいつまでたっても手探りで、確信のないままやるしかないのだから、尻込みをしていても仕方ない。待つのはもう終わりだ。今すぐに、やりたいことをやりはじめよう。知識や技術が足りなくても構わない。
 どうせ誰だって、あなたと同じようなものなのだから。

限りある時間の使い方 P260


さぁ、自分の時間を生きよう

 どれだけ多くの人を助けたか、どれだけの偉業を成しとげたか、そんなことは問題ではない。時間をうまく使ったといえる唯一の基準は、自分に与えられた時間をしっかりと生き、限られた時間と能力のなかで、やれることをやったかどうかだ。
 どんなに壮大なプロジェクトだろうと、ちっぽけな趣味だろうと、関係ない。
 大事なのは、あなただけの次の一歩を踏み出すことだ。

限りある時間の使い方 P265

以上

引用が多くて超長文になってしまいました。自分の言葉で綴った小見出しを眺めてみると、なんとなくそれなりにこの本の主張をうまくとらえられたんじゃないかな、と自分を褒めてあげたくなりました。(相変わらずの承認欲求かよ)

最後まで読んでいただきありがとうございました。せっかくなので「スキ」を押していただけると筆者喜びますのでご協力ください。

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