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和紙の可能性

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和紙のこと、染めや工芸など和紙加工のこと、つづっていきたいと思います。
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藍染め和紙を使った書道用のお道具箱

藍染め和紙を使った書道用のお道具箱

友人の三浦さんに頼まれて、書道用のお道具箱を拵えました。

須恵器の焼き物の硯がぴったり入るサイズに仕切りを入れ、横には筆と文鎮が入るように細長く仕切りを入れました。

硯がかっこいいでしょ。三浦さんの旦那さんが須恵器の作家さんで備前焼作家さんです。ドウサ液で模様になった藍染めの和紙が気に入って、箱の内側に貼りました。

硯側を手前にして、できるだけ柄の水の流れが繋がるように仕上げてます♪

蓋の

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屏風

屏風

ネコと箱と屏風🐱
夏の終わりの個展では原点回帰で屏風も数多く取り混ぜて出品します。
ちなみに タイトル画像の屏風は 初個展の時に出品した屏風の写真。
柿渋液にクエン酸と重曹を同時に混ぜると炭酸ガスが発生して柿渋が焦茶色のアワアワになります。それを塗りつけた作品。乱暴なことしてました。
初個展から約30年の時が経ち染め和紙にいろんなバージョンが増えたので、楽しみにしておいてくださいませ☆

〒70

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屏風に箔を貼る

屏風に箔を貼る

15年くらい前に作った古い屏風。
デザインがうるさいので、箔を貼ってリメイクします。

箔を貼らない部分にマスキングするために、和紙を水切りします。

今朝ドウサ液を使って箔を貼りました。

金色は真鍮箔、銀色は本銀箔。
これからマスキングしたところを外します。

どうにかうまい具合に貼れました。

ひらひらしてるのがいいんじゃない?
って今日アトリエに打ち合わせに来てくださったギャラリー栂(とが

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猫箱

猫箱

名刺入れの箱の蓋に猫乗りました。
近日中にデビューします。

ずいぶん前に作った屏風です。
柿渋染めですが、デザインがごちゃごちゃしすぎているので、箔を使ってリメイクしようと思ってます。
その部分にどのくらいのボリュームで箔を貼るか。
そしてそれからどのように色を入れていくか。
まず、デザイン考えます。
今年中に一度個展を開催したいと思っていますので、それに向けて作品作りためていきます。今回は箔の

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屏風の上貼り

屏風の上貼り

デザインに沿って下書きをした屏風に貼る紙を切ります。
番号を振って、上下をわかるようにしておきます。

裏から糊をつけ下の部分から貼っていきます。
糊の濃さは壁紙を貼る時くらいのどろりとした糊

ラインがまっすぐに出るように、アクリル定規を使います。

片面貼れました。
思いの外時間がかかり今日はこれまで。
次回反対側を貼り完成です。
アトリエの床の模様とリンクしてるのが可笑しい。
完成が楽しみで

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屏風のデザイン

屏風のデザイン

屏風に貼る和紙のデザインが決まったので屏風に下書きしました。

型紙を取って、箔を貼った染め和紙のどの部分を使うか検討します。

型紙を当てて、どの模様を活かすか、どの場所に貼るか決めます。
一辺が42.8cm の菱形。
デザイン部分の大きな菱形は箔を貼った柄物。
小さい三角と菱形は無地を使うつもりです。
同じようなデザインで無地ばかりで貼った屏風は次の写真

無地でも光の当たり具合で模様が浮かび

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屏風のデザイン

屏風のデザイン

タイトル画像は屏風のデザインを考えるための十分の1スケールにしたモノです。
先日箔を貼り混ぜて色をつけた和紙を切って使います。
仕上がりのイメージは一枚目の写真の屏風。
これは無地で貼ってます。

切り分けをどのくらいの大きさにするか、どこにどの部分を持ってくるか。
シュミレーションしながら考えてみます。
大きな紙に染めだけのデザインで納得のいくものが出来かねるので、バラバラにして組み替える。その

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屏風できた

屏風できた

10月29日にレポートした屏風が完成しました♪
屏風は紙の蝶番で出来ているので、両面使いになります。
これから反対側の面のデザインを考えていきます。

〒700-0822 岡山市北区 表町1-2-36 わがみやうめだ
梅田剛嗣 電話 086ー231ー3371

屏風の上貼り

屏風の上貼り

10月21日の記事で受け貼りした屏風の上貼りのために、まず、下書きから。
これに合わせて上貼りの和紙を染めます。

これを下書きの線の幅に短冊状に切りいよいよ上貼り

網代に組みながら、糊をつけて一本一本貼っていきます。

昨日6時間くらいかかってようやく片面が完成しました。
2枚折れなので反対の面も水曜日に貼ります。
広げた時に内側から外側に向かってグラデーションになるのが楽しみです。
網代あみ

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屏風の受け貼り

屏風の受け貼り

屏風の下貼りの最後の工程 受け貼りをしています。
二方を喰い裂き 二方を断ち切りにしています。
喰い裂きにした方には薄い糊をつけます。

ひっくり返して、断ち切りの方には濃い糊をつけます。

それを喰い裂きの部分が上に来るように少しずつ重ねて貼っていきます。
真ん中には糊がついていなくて浮いている状態なので、受け張りと言います。
受け張りをすることで下地の汚れや、しわ などなど表張りの本紙に影響し

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古い壁掛けの手直し

古い壁掛けの手直し

古い柿渋染めの壁掛けの手直し。
金属粉で装飾しようと思います。

全体にドウサ液を塗ります。
このドウサ液には少しだけこんにゃく粉を混ぜていて、ちょっとだけ漆のような粘り気があります。

まず最初に錫粉を振りました。
銀色です。

続いて真鍮粉を振りました。
錫粉に比べて、真鍮粉は粒子が大きいからか?錫粉を弾いて面白い模様を作ってくれます。

ちょっと派手だなぁ笑笑

〒700-0822 岡山市北

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協働

協働

書道家の和月さんとの協働で書に使えるインパクトのある和紙の染め紙を作っています。
今回は大和藍の染料で描いた模様。

一尺の大きなのり刷毛を使い一気に描く

じわじわと模様をつけて完成したのがトップの写真。
このあと、水洗いして藍のアクを流します。
これだけでは模様が強すぎて上に書く書が生きないので、黄檗の染液を煮出して重ね染めしようかなと思ってます。
黄檗を染めると藍色のところが黄緑に変色し、全

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繕いをしました。

繕いをしました。

20年以上使ってくださって端の方がボロボロになってしまったタペストリーの繕いをしました。
裏から似たような色の和紙を当てて繕いました。

色も褪せてしまってたので、柿渋と藍で色を入れ直しました。

いずれ10年もすると褪色していくと思います。
タペストリーの両端に電気のスイッチがあるので、裏から破れにくいように布を当ててくださいとのご依頼だったので

裏側にナナコという掛け軸に使う布を貼って補強し

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柿渋と箔

柿渋と箔

アルミ箔を使った実験をしています。
色墨はうまくいきました。
柿渋を使ってみたのですが、とりあえず、塗った時はいい感じの色に仕上がって喜んでたのですが、何日か経つと、柿渋を塗ったところが箔と一緒に剥落してしまいました。
これはこれで、自然の風化っぽいので良きですが、剥落が多すぎて、使えないかなぁという感じ。
柿渋が乾く時の縮みが激しいのと、柿渋の粘着力が強すぎるからかなと思います。
ただ、発見とし

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