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ルノワールに恋したオルセー美術館

04|パリの美術館めぐり旅 4日目 - 2019.1.2|

オルセーの思い出を語る前に、ひとつ言いたい。

私は旅行が好きだ。
なにより旅行プランを立てるのが、好きだ。

『ことりっぷ』とか『地球の歩き方』とかを本屋さんで吟味しているときが、旅行を最高潮に楽しんでいる瞬間なのではないかと思うくらい。
(時間にケチなので、行き場所をパズルみたいに組み立てて効率よくしていくのも楽しい笑)

2018年の年末年始に行ったパリ旅も、『美術館めぐり』をテーマに行程をつくった。


~パリの美術館めぐり旅~

1日目(12/30)
エッフェル塔 ~ グラン・パレ『ミロ展』

2日目(12/31)
ルーヴル美術館 ~ オランジュリー美術館

3日目(1/1)
モン・サン=ミシェル※1

4日目(1/2)
オルセー美術館 ~ モンマルトル※2 ~ シャンゼリゼ通り

5日目(1/3)
ルーヴル美術館〈2回目〉 ~ ノートルダム大聖堂※3 ~ ポンピドゥ・センター

※1:元旦は美術館がどこもお休みなので、ガイドさん付きの日帰りバスツアーで思いきって遠くまで。
※2:映画『アメリ』の舞台・モンマルトルは外せない!詳しくは次回。
※3:ラルクファンとして、『REAL』というアルバムのジャケット写真にあるガーゴイルをひと目見たくて(2019年4月頃の火災のニュースはとても悲しかった)。


今回は、旅の4日目にあたる1月2日におじゃましたオルセー美術館のお話。


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オープン少し前に着くと、すでに長蛇の列。

(年末に行ったルーヴルもオランジュリーも、ほぼ待ち時間なく入れたので、新しい年になって皆がいそいそと活動をはじめたような感覚を抱いた。まるで春になって生き物たちがいきいきと動き出すかのように。)

待ちぼうけ、遊ぶ子どもたち。


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1時間ほど並び、館内へ。

おおきくは地上階(0階)、中階(2階)、上階(5階)とフロアが分かれているなかで、われわれは一目散に5階へと向かった。

(同行者のみつこ氏は美術館で監視員をしていることもあり、事前に美術館情報を調べてくれていた。じつは名作といわれる作品がぎゅっと集まっているのが5階だったのだ。※2019年に館内レイアウトが変わったそうです。ご注意くださいね。)

うわぁ、すごい。

マネ。ドガ。セザンヌ。モネ。スーラ。ルノワール。

ルーヴルでも思ったけれど、どんな褒め言葉を使っても足りないくらい見ごたえのある作品ばかり。感性を研ぎ澄まし、ひと作品ずつ向き合っていく。

印象派の鮮やかな色彩が、眼前にぶわっと広がる。


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そして、

かの有名なルノワールの『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』。

あまのじゃくな私は、有名すぎて今まで興味を持たずにいたけれど、生で観るとこんなに鮮やかだとは。こんなに軽やかだとは。こんなにも美しいとは。

自然と見入っていた。

見入っている私をみつこ氏が撮っているのも気づかず、見入っていた。

週刊少年ジャンプの主人公が何かをきっかけにして特殊能力に目覚めるみたいに、ここオルセーでルノワールの魅力に目覚めたのだ(覚醒)。

日本から12時間以上かかるパリまで実物を観にきた大いなる意義を、じんわり味わった。


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フラッシュなしなら、撮影OK。
カメラっ子やスケッチしているひともチラホラ。

オルセー名物の大時計。雰囲気に浸るみつこ氏。

階段を降り、中階(2階)へ。パリ万博のために建造された駅舎を利用しているらしく、ワイドな吹き抜け。建物全体がカッコいい!


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中階、地上階でも、ゴッホの自画像、マネの笛を吹く少年、クールベの画家のアトリエ、ミレーの落穂拾いなど連なる名作たちで、満腹に。

みつこ氏が考えてくれた通り、上階から観てよかった。だって、感性が新鮮なうちにルノワールを観ることができたから。

これから日本でもルノワールを観るのが楽しみだ(もちろんポストカードもばっちり購入)。

パリ時間に合わせた腕時計をみると、午前が終わろうとしていた。

満たされた感性とはらぺこのお腹で、われわれは映画『アメリ』の舞台であるモンマルトルへと向かった。


つづく

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