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街の和菓子屋さん「伊勢屋の謎」2022

【1031むすび】マルナカ伊勢屋(板橋)たらこ 《1058日目》


今の時代、大抵のことはインターネットを使えば答えを探し見つけることができる。


特に飲食店の情報は、お店にいかなくても、店構えやメニュー、味やその評価など こと細かく知ることができる。


それなのに…


どんなに探しても、探しても見つからないことがある。



それは・・・

和菓子の伊勢屋のこと。



伊勢屋と名乗る和菓子屋さんが日本中にあって、雰囲気もなんとなく似ている。でも、よく見てみると、店構えや売っている商品もバラバラ。いったいどんな関係なんだろうっていうこと。



⭐️なぜ、おむすび屋じゃなくて和菓子屋のことを調べるの?


そもそも、なぜおむすび屋ではなく、和菓子屋の話をしてるのかだって?

実は、全国のおむすびを調査しているうちに、街の和菓子屋さんで売っているおむすびが、親しみがあって懐かしい感じで、しかも旨いということがわかったから。




日本にはおむすび専門店というものが、およそ800店しかないとの話もあり、この旅を継続するためには、おむすび屋さん以外でおむすびを作って売っているところを探していく必要がある。


道の駅、スーパーマーケット、デパ地下、駅ナカ…
歩きでも、自転車でも、クルマでも、通るところはだいたいチェックをし続けている。

その中で意外にも多くのおむすびと出会っている場所がある。

それは、和菓子屋さん。



和菓子屋さんと言っても立派な店構えのところではない。言い方がよくないかもしれないけれど、庶民的な、いわゆる街の和菓子屋さんのことである。



⭐️伊勢屋とはどういうお店なの?

その和菓子屋さんおむすびを探す中で出会ったのが、各地にある「伊勢屋」。
もちろん、全ての伊勢屋におむすびがあるわけではなく、3軒見つけたら、そのうちの1軒くらいにおむすびがある感じ。

それでも、ほかの和菓子屋さんのおむすび率(10軒に1軒くらい)に比べると、かなりの高確率で、おむすびホットスポット的な存在なのである。



そして、その存在を調べようとしたのは、かれこれ2年以上前のことになる。



まずは、インターネットで調べようとしたけれど・・
お店の公式サイトなどは少ないらしくほとんどヒットしなかった。

代わりにgoogleの地図や写真の検索に大量に引っかかってでてきたのだ。



なんと、お店の屋根の色や、ロゴや店構えがどれも違う。

これは、チェーン店なの?

ロゴがひらがなのお店まで。店の新しさや雰囲気もぜんぜん違う。売っている和菓子も種類やかたちも店舗ごとに、バラバラだ。

そもそも、和菓子の伊勢屋で検索しても、チェーン店としてまとまっている本部のホームページが見つからない。
それどころか、店舗でホームページを持っているのもかなり少ないし、和菓子という業態なのからか、グルメサイトにもあまり登録されていない。

webで検索すれば、ほとんどの情報が調べられるこの時代に、伊勢屋の情報があまり出ていないのだ。

この伊勢屋とはいったい…
まさか、フリーメイソン的な…(過剰な想像)




⭐️ついにヒントを発見!

いろいろ検索してみたけれど、10年ぐらい前に書かれたこの記事が少しヒントをくれているようだ。


散歩の達人2010年4月号に埼玉県出身の鷺谷米蔵さんが1887年に四谷箪笥町に開業したのが和菓子「伊勢屋」と載っていました。3年後にのれん会が始まり100軒以上になったとか。現存の一番古いこの系統のマルヨネ「伊勢屋 門前仲町」ここから東京都下15店以上が独立分離の形で伊勢屋をオープンしているようです。ほか品川伊勢屋から独立の「伊勢屋 三軒茶屋 1932年」も頑張っています。


とはいえ、よくわからない。
共同で同じ屋号を使っている和菓子ののれん会で、その系統がいろいろあるのかなあと推測するくらいだった。


そして、その後も調査は続いていった。


その中で、わかってきたのは下記のようなことだった。


・全国に伊勢屋と名乗る和菓子屋さんは数百店舗ある

・江戸の街では、和菓子屋を名乗る共通の屋号だった

・地域の中で何店舗かが同じ系列店だったりする

・伊勢屋のれん会という、組合組織の存在



ここからしばらくの間、調査の進展がなかったのだが・・

今回、新たな情報を手に入れたので、お伝えしたいと思う。
もちろん美味しいおむすび情報も!



⭐️板橋にある伊勢屋を訪問


JRの板橋駅を降りて、滝野川銀座をぶらぶら歩き。
下町の商店街という感じですね。



その商店街の中で、見つけた和菓子屋さんが「伊勢屋」だ。

でも、それだけで喜んではいけない。
気になるのはおむすびを売っているお店かどうかだ・・


お店の中に入ってみる。

あった!
お饅頭や大福、のり巻きと一緒におむすびの姿が!
ラッキー!


でも、もうひとつ気になることがあった。
それは、和菓子の伊勢屋の謎。

思い切って、お店の方に聞いてみることにした。

和菓子の伊勢屋はチェーン店なのですか?




⭐️新たに出てきたマルナカ伊勢屋とは?


「そんなことはないよ。おのおのが名乗っているだけ」
お店の方はこう答えた。

「ただ、うちの屋号はマルナカが付くのだよね。マルナカ伊勢屋。ほら包み紙にも中のマークが付いているでしょ。近くの巣鴨の伊勢屋とかとは違うお店なの」

たしかに、包み紙をみると、中マークの存在が・・

伊勢屋と名乗るお店の中にある「マルナカ伊勢屋」の存在。

これは、いったい・・

この答えになりそうなものが、昨年散歩の達人のweb版に書かれていた。



菓子文化研究家の原亜樹子さんが、街の愛され和菓子店を紹介していくシリーズの中で、新小岩の伊勢屋のことを書いてくれていたのだ。
その新小岩の伊勢屋には、なんと「マルナカ」の文字が・・

『伊勢屋』の創業は昭和30年。2020年に惜しまれつつも閉店した墨田区京島の餅菓子店「美松」から独立した職人さんたちが組合として立ち上げた、屋号「マルナカ(〇に中)」の「伊勢屋」の一店舗だそうだ。そのため、正確には店名の前に「中」を〇で囲ったマルナカがつく。

マルナカ伊勢屋組合には最盛期には約50軒加盟していたそうだが、その多くは後継者がなく閉店した。組合は解散したが、マルナカ伊勢屋の屋号の店は、こちらに加え、江戸川区の船堀、鹿骨、足立区の綾瀬などで個々に店を続けているそうだ。

この板橋の伊勢屋が、この記事のマルナカ伊勢屋組合で合致するかはわからないけれど、なんらかの関係はありそうである。


新しい情報は、今日のところはここまで。
また、新しい情報がわかり次第、お伝えしたいと思いますし、もし読まれた方の中に、伊勢屋に関する情報をお持ちの方がいたらぜひ教えて欲しい。




⭐さあ、️和菓子屋のおむすびを食べよう

マルナカ伊勢屋のたらこおむすび!
しっとりとした海苔の感じが、なんとなく懐かしさを思い出させる。

ひとくち、かじる。
うん、いい。


和菓子屋さんのおむすびのいいところは、お米を扱うのが上手なところだ。
ちょうどいい炊き加減、ちょうどいい柔らかさ、ちょうどいい塩気。
うまく表現できないけれど、とにかくちょうどいい。
毎日食べて飽きないというか、ほっこりできる。

おむすびを1000日以上リポートしてきたけれど、飽きないどころか、もっと食べたいし、もっと知りたいと思えてくる。



和菓子の伊勢屋の謎 2022。
今日は、このあたりで。


ご馳走たまでした!


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