TUMUGU Hair

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大人女性のための個室サロンTUMUGUです。

はじめまして。 おとな女性のための個室サロン TUMUGUです。 唐突ですが、ヘアサロンTUMUGU代官山店 (本店) が、ホットペッパービューティーアワード 2024 ベストサロン部門 GOLD Prize を受賞しました (関東エリア、2席以下の部)。関東エリアのヘアサロンのなかでの年間売上1位、です。 2022 SILVER、2023 GOLD、2024 GOLD と3年連続での受賞となります。このような栄誉にあずかり、多くのお客様からご支持をいただきここまで来

    • 出店とコロナ禍・後編 — エクステ開発 ④

      TUMUGU田園調布は、スタイリストはKiRiKoのみ、待合0席、アシスタント0人、セット面1席の、完全個室制ヘア&まつエクサロン。 いま現在は、「白髪は気になるけどカラーは楽しみたい」「ヘアボリュームが気になる」といった大人女性のお悩み解消に特化したコンセプトが地域在住のお客様に受け入れられ、予約待ちのお客様が出てしまうほどの盛況になった。 そんな田園調布店は、探しても到底見つからないような好条件の物件だったにもかかわらず、2019年12月のオープンから何ヶ月もの間、客

      • 出店とコロナ禍・前編 — エクステ開発 ③

        2020年1月の2店舗同時出店を振り返って、Maruはこう話す。 「それまでは、ボリュームアップエクステの施術内容に対して、実際のサロンの仕様があべこべだった。エクステを施術するなら、サロンは個室にすべきだったんだよね。KiRiKoのお店を出してそこに気がついたのがきっかけで、TUMUGUの出店コンセプトが形になったね」 エクステをメニューの中核として売り出していくのは、やはり難しいのかもしれない。 2017年から2019年まで面貸しの美容室でエクステ開発を進めてきた末

        • コンセプト — 美容師 Maru ⑤

          「これからは身軽なフリーランス美容師が勝つよ」 2016年、Maruがフリーランスとして独立するに際し、そんなふうに話していたのを憶えている。的を射ているな、と思った。 「VUCA(ブーカ)の時代」という単語をメディアで見かけるようになったのは、2010年後半くらいだっただろうか。VUCA = 変わりやすく、不確実で、複雑で、正解があいまいになり、将来の予測が難しい時代。 多くの人々がマリッジ・マイカー・マイホームとともに安定の将来設計を追い求めた昭和とは対照的に、「現

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        大人女性のための個室サロンTUMUGUです。

          田園調布 出店 — 美容師 KiRiKo ⑤

          「ボリュームアップエクステというモノの存在は知ってました」 年代を問わず、髪のボリュームをふんわりさせたいというニーズは大きい。その改善手段のひとつに、パチッとヘアピンで地毛に留めて着用する「ウィッグ」がある。 それとは別の手段として、長いあいだ増毛サロン各社が打ち出してきた技術が「ボリュームアップエクステ」。 ウィッグとは違い、地毛1本1本に対して、エクステ毛を数本編み込むことで、ボリューム感を増すことができる技術だ。 KiRiKoが見たビラは、そのボリュームアップ

          田園調布 出店 — 美容師 KiRiKo ⑤

          普通だからこそ — 美容師 KiRiKo ④

          「東京に出てきて、というか社会人として初めての仕事だったし、そういうもんなんだと思ってましたよ。なんせ他を知らなかったので」 そう言ってKiRiKoはあっけらかんとしている。 「そこまで厳しい仕事場に、躍起になって留まる必要あったんですか?」 聞くと、KiRiKoは自身の人生を変えた出来事について、唐突に、取り立てて感情を込めることなく淡々と、告白してくれた。 「実は、高2にあがる手前くらいのときに、中学校時代からの親友に先立たれたんです」 言葉に詰まってしまった。

          普通だからこそ — 美容師 KiRiKo ④

          一点モノ — 美容師 KiRiKo ③

          「学園長から学生まで、当時はかなり個性派 、というかキワモノぞろいの学校でした」 昔のことを思い出しながら語ってくれる口振りは、決して饒舌ではない。でも、等身大で気取らない、実直な人柄、随所にお客様への真心がにじみ出てくる。こんな美容師さんにヘアカットをお願いしたいと純粋に思う。 「いま思えば、小さい頃から一点モノの服作りが好きだったのも、自分がそういう人間になりたかったから、なんですかね。変わりモノになりたいふつうモノ、でした」 トガりたい。個性を手に入れたい。その憧

          一点モノ — 美容師 KiRiKo ③

          「普通なんですよ」— 美容師 KiRiKo ②

          「ドベからトップに…すごい。スポ根マンガみたいですよね」 2024年現在。 TUMUGU田園調布店は、待合0席、アシスタント0人、セット面1席。スタイリストもKiRiKoのみの、完全個室制ヘア&まつエクサロン。幹線道路に面した1階の路面店は、地域の方々に多くご来店いただいている。 ブログ記事に書かせてもらうため、サロンワークの合間に昔の話を聞かせてほしいとお願いした。もちろんすべて脚色ナシの、ノンフィクション。 スタイリスト陣の過去の話を聞ける機会は、これまで無かった

          「普通なんですよ」— 美容師 KiRiKo ②

          さつまおごじょ — 美容師 KiRiKo ①

          「子どもの前でけんかしてんじゃねぇよ!」 2000年頃、鹿児島の片田舎。 父と母がいつものようにまた言い争いを始める。3つ下の妹もそばで見ているのにまたコレだ。少しは気配りできねぇのか。 あまりに腹が立ったので、みかんが5~6個入った食卓のザルを親2人めがけて投げつけてやった。両親はあっけにとられている。仲裁はうまくいったが、居たたまれないから、そそくさと自分の部屋にこもる。 あーあ、もう。 +++ KiRiKo、当時10歳。一家全体で口げんかの絶えない、やんちゃ

          さつまおごじょ — 美容師 KiRiKo ①

          迷走 — エクステ開発 ②

          「今日のランニング、13km走り終わったよ。あと8km走る予定」 2018年、見るからにMaruのトレーニングが過熱していくのが少し気になっていた。1日に合計21kmってハーフマラソンですか。身体は大丈夫なのか。 わずか3kmの軽いジョギングだけで膝をやられた私からすると、Maruがサイボーグか何かにしか見えなかった。 のちに聞くと、大丈夫じゃなかったのは、身体ではなくメンタルのほうだった。 サロンワークを終えて帰宅後、妻や2歳の娘と過ごす時間が、ギリギリのMaruを

          迷走 — エクステ開発 ②

          駐車場ミーティング — エクステ開発 ①

          「きょう飲まない?缶チューハイで良いよね」 2018年3月、ある日の夕方18:00過ぎ。Maruから声が掛かる。まだ日が伸びておらず、この時間でもだいぶ暗い。 その日の仕事がMaruのヘアサロンに近かったため、待ち合わせはスムーズにできた。缶チューハイとビールを各自コンビニで買って集合。 「その辺で飲もうぜ。いっこ思いついたことがあって、提案」 どこにするともなく、ひとけの無い細い脇道を入っていく。奥まったところに見つけた駐車場に入る。 打ち合わせの頻度も増えていた

          駐車場ミーティング — エクステ開発 ①

          光明 — 美容師 Maru ④

          「2016年の独立から2017年にかけての間は、常に将来への不安がつきまとってたよ」 Maruは当時をそう振り返る。「お金を作らねばならない」という強迫観念に囚われて、ほとんどノイローゼに近い状態だったらしい。 少なくとも、はた目にはそう映ってはいなかった。ただ、思い返してみると、Maruの視野が「美容業以外」に向いていた気もする。 突然、株を勉強し始めた時期があった。いっときは、整体サロンの店舗開業にも興味を持った。生命保険を組み替えてみたり、あるときにはアルバイトに

          光明 — 美容師 Maru ④

          人は見かけに依らない — 美容師 Maru ③

          人は見た目が9割という書籍があるが、そうでもないな、と感じることが最近少し増えた。 ぶっ飛んだ容姿でも中味は質実剛健、という人々は多くいるし、 ときには、弱音を吐かずハッタリをかまして、体裁を取り繕う必要もある。 目の前で笑っている人が、本当は自分の知らない数えきれないほどの困難を抱えて生きている。そういうことだってある。 見かけから得られる情報は、たぶんよくて5〜6割くらいだ。 +++ Maruへの英語指導を続けるかたわらで、飲みに行ったりなどプライベートの場を

          人は見かけに依らない — 美容師 Maru ③

          泥臭く — 美容師Maru ②

          2024年現在。TUMUGUのマネージャーをする仕事のさなかで、40代~50代くらいのベテラン男性美容師の方々から、昔話を聞かせてもらうことがある。 なんでも、2000年代の大手ヘアサロンでは、先輩美容師から「ハイブランドの上質な衣服を着こなせ」と厳しく教え込まれていたという。 1990年代の、安室奈美恵さんに憧れた「アムラー」たちによる茶髪ブーム。そして2000年代、浜崎あゆみさんを筆頭に巻き起こった金髪ブーム。 もとより華やかな美容業界を、自らを磨き上げた美容師さん

          泥臭く — 美容師Maru ②

          「かっこよくします」— 美容師Maru ①

          宣言。 そういう類のものは、最終的にはほとんどが達成されなかったり、守られなかったりする。 守る気があっても無くても口から出てくるような、小さな約束。あるいは結婚式での誓約や、政治家の公約などの大きなもの。 いろんな事情で貫き通せなくなる。子供でも大人でも、そういうことはままある。 問題なのは、宣言した時点で、相手に期待が生まれてしまうことだ。 相手の期待を裏切るリスクが生まれる。 だから、宣言には勇気が要る。 始めに少しだけ、Maruとマネージャー(私)の出会

          「かっこよくします」— 美容師Maru ①