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【読書メモ】『絵本の記憶、子どもの気持ち』(著:山口雅子)

特定の図書を利用者が求めている場合であっても、書架の間をその図書を求めて見てまわる過程、すなわちブラウジングする過程で、関連の資料を見つけることができる。こうしたことを通じて読書意欲を高めたり、知的好奇心を刺激され、知的な興味を高めることができる。

ブラウジングによって効果的に資料にアクセスできる。また、ブラウジング自体がそのテーマに関する学習の一環にもなるので、より多くの資料に自由に接することができることが望ましい。

出典:『図書館ハンドブック 第6版』

図書館司書には昔から興味があり、ン十年前の大学時代に一度試みるも(教員、学芸員で手一杯になり)見事に挫折したのですが、思い立つこともあり2012年くらいから母校の通信課程で勉強させていただきました。

その中で、(当時SEだったこともあり)そういえば「(Web)ブラウザ」の語源にも連なってるのかなんて思ったのが「ブラウジング」との概念で、端的に言うと「(検索)目的から派生する拾い読み」といった説明となるでしょうか。この先にあるのが、セレンディピティとかになるのかなぁ、、

なんて思い出したのは、その司書資格を取った前後(2013年頃)に、確かジュンク堂(池袋)で図書館関連の書籍を探しながら出会った『絵本の記憶、子どもの気持ち』との背表紙を(断捨離がてら)久々に見かけたからかもしれません。

さてこちら、図書館司書を経て大学で教鞭をとられることになった山口さんが、授業の中で学生たちに「思い出の絵本」を問いかけていきます。大学生にもなるとほとんど忘れていると思いきや、本人にとっても意外なほどの印象に残っている記憶が引き出されていくようで、、私自身もいくつか懐かしい記憶が甦ってきました。

『かいじゅうたちのいるところ』
『はらぺこあおむし』
『そらいろのたね』
『ぞうのババール』
『おばけのバーバパパ』
『タンタンの冒険』
『機関車トーマス』

などなど、、そして興味深かったのは「子どもの読みたい本と、大人の読ませたい本は、必ずしも一致しない」との点。

これは確かになぁ、、と思いながら、当時息子(2006年生まれ)に読書習慣をどう定着させようかと悩んでいたのを思い出しました。ちなみに息子に一番最初に買ったのは『はらぺこあおむし』でした、本人は覚えてないでしょうけど。

といっても、特にアレ読め、コレ読めと押し付けるような事はせず、、家内が出張で不在時の週末等に図書館の絵本部屋で一緒にゴロゴロしたり、本棚に並べておく書籍を折々で微調整していたくらいだったのですが、まぁ、気づいたら読書をする習慣は身についていたようです(屋根裏にしまってあった漫画とかも勝手に引っ張り出してましたし)。

個人的に、子どもの読書習慣の主目的は「一つ所に留まって何かに集中することが苦にならないようになる」との感覚だったので、正直読む対象は、漫画でも、ラノベでも、小説でも、ノンフィクションでも、エロ本でも、専門書でも何でもよいと考えていましたし、今でもそれは同じです(乱読万歳)。

座って集中との点では家庭用ゲームなどでもいいとは思いますが、「紙の本」だと必ず終わりがあるので時間的にもキリがつけやすいのですよね、、閑話休題。

もちろん年相応な配慮、ー小学生の時にガッツリとしたエロ本とかはさすがに、、『ドラえもん』のしずかちゃんとかで十分ー、は意識していましたが、中学生に入るくらいからは(息子が手に取ったかどうかは知りませんが)それなりにきわどい描写のある漫画や小説等も手が届く場所に並べてもありました(『ストロベリーナイト』や『孔雀王』、『魔界都市シリーズ』等々は結構なエログロ度合ですが、、手に取った形跡はなかったかな)。

そんな息子も4月からは無事に大学生になり、授業も数回まわって少し落ち着き始めたようです。1年生の前期はまだまだ教養レベルの授業でしょうけど、この先専門書を手に取る機会も増えてくるでしょうから、読書習慣は継続していってほしいところです。筋肉と同じで、継続して使い(読み)続けないと「読む力」も落ちていってしまいますしね、、と、老眼鏡を眺めながら。。

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