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Road trip 2023 🇪🇸 Day 15:世界で最も不器用で優しい大聖堂

Hola! こんにちは!Twoodです。

引き続きロードトリップを振り返ります。
Day 15 この日はトレド旧市街へ向かいました。

トレドへ向かう前にここへ寄りました
Catedral de Justo Gallego メホラダ・デル・カンポ
2021年11月28日亡くなった一人の老人。
彼はおおよそ60年間程、ほぼ一人で大聖堂の建築を続けていました。

彼は元々トラピストの修道士だったフスト・ガジェーゴ・マルティネス。通称Don Justoは、1961年、結核を発症した時にこの大聖堂を建てようと決心しました。

病気のために当時住んでいた修道院を追放されてしまった彼は、信仰の対象となる大聖堂を自分で作ってしまおうと考えたのです。
彼は聖母ピラールに生き続けることを誓い、この人生をかけた大掛かりなプロジェクトをスタートさせた。そのため「我らが聖母ピラール」という意味の「Nuestra Señora del Pilar」が大聖堂の名称となった。
驚くべきことは、ドン・フストは建築に関してまったくの素人で必要な知識もなかったということ。両親から継承した7,300㎡以上の広大な土地を平坦にすることから始めていきました。

材料は主に地元の建設会社から寄贈されたリサイクル材料と余剰品を使用しています。

実際に色んな所に安物のリサイクル資材が目で見て取れます。


96歳に亡くなった彼は、つい最近まで建築中の大聖堂の中で忙しそうに動き回るドン・フストの様子を見ることができたというのだから何とも贅沢な経験でしょう。

そしてその頃には参拝者や世界中から聞き入れた人々が彼に突き動かされ頼まれてもないのに手伝い始めたといいます。
ドン・フストは生きてるうちに完成しないことは自分でも分かっていたが、信仰によって突き動かされ、作業を止めることなく日々を過ごたそう。

そして自分が死んだらこのカテドラルでの埋葬を願っていました。

しかし、残念な事に地元政府より地下室がスペインの衛生規則を満たしていないことが発覚、判断により、代わりにメホラダ・デル・カンポの墓地に埋葬されたそうですが…
多くの場所にこのように食事する場所と、パエリア米の麻袋が積まれていたので気に掛かっていましたが、じつはこれは世界中からの寄付。

食に恵まれないものがここで食事をできるようにと…
彼の信念と親交は多くの人へ影響を与えたのです。
このように多くの場所で彼の指や足の跡が残っているのも不格好で、でも何故でしょう。

私はここへ入って参拝席へ座った時すごく感情がこみ上げてきて涙が止まらなかったのです。
私は無宗教だし信仰心も占いもあまり信じないタイプ。

しかしここで、私は彼の信念や生き様を感じたのです。
イタリアやフランス、スペインなど、多くの聖堂の美しい天井を見てきました。
しかし、これほど醜くて格好いい天井見たことありません。

色んな所に隙間ができていてつばめがたくさん飛んでいました。

鳥の声が聖堂内に優しく響き心の震えが止まりませんでした。
彼の肖像画。
実はこちら空き缶で作られています。
詰めれたお米たちがこちらにも。

この大聖堂で感じた感覚はきっと今後どんな大聖堂に行っても感じることは無いでしょう。
Catedral de Justo Gallegoを後にし1時間車で走り着いたトレド旧市街地
町をぶらぶら歩いていると木の懐かしい香りが私をここの中へ誘いました。
静かに覗いていると、元気な笑顔で「こっちこ〜い」と招き入れてくれたのは伝統木工芸の職人のルイスじいさん。
彼の代で遂にこの伝統工芸が絶えてしまうんだと話してくれました。
勿論、彼は1ミリも英語が話せません。私もスペイン語は0.2ミリくらいしか話せません。

でも何故でしょう、こういう ”対話”って本当に言語は要らないのですね…

機械木工製品が安く買えるこの世の中、本物を持つ者も作る者も消えていってしまうのって悲しいことですね‥

何故か彼は日本語版のトレドの本を持っていて、何故かそれを私にくれました。

私は彼からはちみつのスプーンを購入。
これで毎朝ルイスとの会話を思い出せます。

最後に交わした固い握手。
彼のゴツゴツした職人の手。

亡くなった職人だった自分の祖父を思い出してしまいました。

人との繋がりって良いですね。
そんな優しい気持ちで「またね」と言ってそこを去りました
強い日差しを浴びながら着いたのは…
Catedral de Santa María de Toledo トレド大聖堂
世界遺産の街トレドを訪れたら絶対に外せない観光スポットがカテドラル(トレド大聖堂)

スペインのカトリックの総本山である大聖堂で、正式名称をサンタ・マリア・デ・トレド大聖堂と言います。

大聖堂にしては入場料が強気の価格なのですが、その分見どころが多く、エル・グレコをはじめとした数々の名画や豪華な聖体顕示台など、貴重な展示物と荘厳な大聖堂でした。
たくさん写真を撮ったので興味のある方は拡大して一つ一つの装飾に目をやってみてください。
この細かさとサイズには鳥肌モノです。
ちなみに入館料にはオーディオガイドも含まれているのでしっかり内容を細かく説明してもらえます。(日本語ガイド無)
イエスを背負い歩く聖クリストファーの巨大フレスコ画
カテドラルの大きな見どころの一つである主祭壇。主祭壇は鉄柵で囲まれているため、近付くことはできません。

高さが約30mもある主祭壇には、キリストの生涯を綴った「新約聖書」の20場面がびっしりと描かれています。
天窓のドーム天井には美しいフレスコ画が描かれており、天窓から差し込む光がトランスパレンテを照らしています。
正面から覗き込むとそこは天国を目の当たりにするよう。
カテドラルで絶対に見逃せないポイントである聖具室(香部屋)

著名な画家による宗教画がたくさん展示されています。

特に見逃せないのが、聖具室に入ってすぐの部屋の正面に飾られているエル・グレコ作「聖衣剥奪」と天井画のルカ・ジョルダーノ作「聖イルデフォンソの昇天」。

「聖衣剥奪」は、絵の周りの額縁装飾も非常に豪華なものとなっています。

部屋の天井いっぱいに描かれた「聖イルデフォンソの昇天」は言葉にできません。
マリアの聖像の微笑みが優しいです
椅子の一つ一つには、それぞれ異なった彫刻が施されています。

この彫刻は、キリスト教の再征服運動(レコンキスタ)が終結したグラナダ戦争がモチーフとなっています。
見どころ満載のトレド大聖堂、語れば2時間掛かりそうなのでここまでに…


この後この街で最も手軽だった中華料理へいきました。
(もちろんボスくんの希望)

なんだかファンシーですがここもベルギーの1/3の値段でした…
スペイン在住の人羨ましい…
そして突然思い立ち…。
私達、トレド旧市街地を一周回ってみようと画策。


距離にして7.45km
※見やすいように自転車用のナビに設定してますがルートは同じです。
時間は 1時間半と書いてましたが景観を楽しんだりしてたので2時間程歩きました。
Puente romano de Alcántara アルカンタラ橋
カスティーリャ王国(1035年〜1715年)の首都だったトレド。

東西南をタホ川に囲まれたトレドの旧市街にアクセスできる橋は2つあり、西のサン マルティン橋と東のアルカンタラ橋。

古代ローマ時代から存在したというアルカンタラ橋は、北進するイスラム教徒との戦いにおいて破壊・修復を繰り返したため、様々な建築様式が入り混じり現在の姿となりました。
上部には当時使われていたと思われる重厚な門が残っており、アルカンタラ橋は跳ね上げ橋でないため、この門が外敵から街を守るために重要な役割を果たしていたのでしょう。


外周から見る旧市街地も美しいですね。
気温40℃日陰なし…
おお泳ぎたい…。

しかしこの南ヨーロッパのヒートウェーブにより川に見えますが干上がっており水深かなり浅いです。

ちなみにベルギーに帰国して1週間後、この川が冠水してしまうほどの大雨が降ったそう。
想像できないことが起きる時代ですね…
スペインのトレドを流れるタホ川。タホ川に架かる、トレドの西側に位置する場所にあるサンマルティン橋は、1165年に建築された橋を14世紀に再構築された橋。

ゴシック様式が主流であった14世紀に造られたサンマルティン橋も迫力がありました。

元々あった橋を再建築するに至ったのは、ペドロ一世とエンリケ2世の兄弟による戦争の際に、橋が破壊されたことが要因でした。

破壊された橋は司教の命令により再建築され、のちにスペイン・アブスブルゴ家の最後の国王であるカルロス2世時代に通路の幅を拡張したとされています。また、サンマルティン橋はトレドの防衛としての役目を果たすほど石造りの頑丈なものであり、橋の両端は城塞の役割をしています。
橋は5つのアーチにより、頑丈な橋を守り続けており、橋からはトレドの街やタホ川を眺めることが出来る、歴史的建造物と景観を楽しめる観光スポットとして、多くの観光客が訪れる。
旧市街地内に戻ってきました。
この頃にはもうヘトヘト。

この日の総歩行距離15.78kmでした。
テントに戻り食欲もそこまでだったのでタパスパーティーという名の適当な食事

完全に疲れと暑さのせいですねテーブルも散らかったまま。
しかしこれがテントで過ごす最終日。

Day15 お読みいただきありがとうございます!
今日はここまで。


Road trip 2023 🇪🇸 編、一緒に旅してる感覚で、引き続きお楽しみください!
次回遂にこの旅の最終日、ベルギーへ帰国編。

〜現在地点〜

Belgium ー Carcassonne ー Figueres ー Barcelona ― Valencia ―📍Madrid


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