05_チームもWin-Winで動く
「なぜきちんと伝えているのに、動いてくれないのだろうか」
マネジメントの経験のある方であれば、一度は心に抱いたことのある見出しではないでしょうか。
組織の上に立ち、責任が大きくなればなるほど、他責的に考えることは許されなくなります。しかし同じ人間である以上は、心中でこのような感情が芽生えることもあると思います。
本質的には人を変えようとするよりも、自分が変わるほうが早いことを知っている方であれば、自分の接し方やコミュニケーションで改善をしようとします。
しかし、具体的にどのように違いを作っていけばいいのか?
これが悩みの種になることも多いかと思います。
筆者自身も、上記のような悩みをたくさん経験しました。
確固たる事業の目的やビジョンを掲げて旗を振れば、人は自然と共感して付いてきてくれるものだ。(そもそも理念やビジョンに共感して入社をしてきてくれているはずだ・・・)と思い込んで、チームの運営に携わっていましたし、時には「パーパス」など事業の指針をメンバーと一緒に作り上げる試みも実践しました。
試みが効果的に働いたケースもありましたが、それが上記のような「課題を解消し、チームの結束を強固にしたのか?」と問われると、そう言い切れないという歯切れの悪さがあります。
「相手とチームのビジョン」がリンクしなければ、人は動かない
これは、その時にいろいろと悩んで到達した一つの結論です。
わかりやすく言えば、組織運営にもメンバーとの「Win-Win」が前提になるということです。事業の成果を上げてくれるのは、マネジメントではなく実務に取り組んでくれる現場の方々です。その方たちとのwinを作ることがとても大事だということです。
「Win-Win」というとクライアントや営業先など対外的に使われる言葉ですが、これは社内・チームでも大いに必要な考え方、いや最重要であると言って良いと考えています。
今日、多くの組織で評価制度や報酬制度が存在します。メンバーは設定した(もしくはされた)目標を追い、達成度合いによって、報酬が増えたり、職位が上がったりします。
もちろん「偉い立場になりたい」「ガンガンお金を稼ぎたい」などがトッププライオリティの方であれば、成果と報酬の比例を突き詰めれば良いのですが、ただ考え方・価値観・動機づけ、すべてが違う人材が揃っているのがチームです。昨今では会社の「MVV」の浸透を目的に、行動評価を設定するケースも増えてきました。
ただ極端な話ですが、「お金をたくさん稼ぎたい」ことが最重要である人に対して「事業の展望や意義・ミッション」などを熱く伝えたとしても、(言葉では理解していても)腹落ち、つまり芯には刺さりづらいということが多いのが現実だと思っています。
それよりも大事なことは、「〇〇さんはなぜお金を稼ぎたいに至ったのか」「〇〇さんがお金を稼いだその先には何があるのか」などの「背景」と「未来」を深堀りしていくことで、その人が発する言葉の意図や本質が少しずつ見えてきます。
そして、ここに時間をかけることがマネジメントにとって、チーム作りの重要な仕事になるのです。
もし「1on1」や「振り返りの定期面談」などのコミュニケーションを行われている方であれば、一つご参考になりそうなフォーマットを共有します。
共通目的を持つことは、これからの成長の要になっていくはず
今日、海外に進出する優秀な方も増えてきましたし、パラレルキャリアや副業といった言葉も一般的になり、「一つの企業で長く働く」ということは当たり前ではなくなってきました。
企業側の視点で見れば、優秀な人財を長期的に確保するという難易度は高くなっています。
とはいえ、「いい人財がいない」と嘆いていても、事業を強くすることはできません。
いい人を雇用するために、年収ベースを高く設定する、働き方を柔軟に用意するといった施策はたくさんあります。
ただ、一番大切なことは、今いるチームの中で働いてくれるメンバー、一人一人とのwin-winを創り、グリップを強固にしていくことだと思います。
この能力を経営層・マネジメントが身に着けていくことが、チームひいては企業のサービス力を強くし、少し大きなことを言えば、日本や社会の成長・好循環を生み出す力に変わっていくと信じています。
以上、今回は、チームを強固にするための考え方について書いてみました。
読んでいただけた方にとって、一部でもご参考になれば幸いです。
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