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私的ピックアップ外伝 作者別ぜんぶ感想①「マツモトキヨシさん」

逆噴射私設大賞で作者に殴られた賞の3名を個別ピックアップします。詳しくはこちら。

マツモトキヨシさん

凄まじい発想と詩的で哲学的な描写にヤバみがある作風です。
逆噴射小説大賞以前からも短編を発表していて、特に『彼女のO』(5100字) はヤベーと思いました。(語彙不足)

あと急にTwitterで訳の分からないことを言い出して脳を攻撃してくるので注意しましょう。(私はジステンパーという単語がまともに聞けなくなった)

1作品ずつ思いのたけをぶつけていこうと思います。思いっきり来い。応。

ギロチナイゼーション 1582

本能寺!自刃によって己の人生に結着をつけようとする織田信長の前にその男は現れた。「私はギロチン」「苦しまずに首を刎ねてやる」

凄まじいビジュアルインパクト。彼が出現する条件とは?歴史の修羅場に次々と出現われるのか?そして、自刃を決意した相手を改めて殺す理由とは? これは救いなのか?あらゆる疑問が浮かんでは炎上する本能寺に飲み込まれて灰になっていく。降伏するしかない凄まじいギロチンです。

ザ・ホール

世界一有名な「あの穴」を舞台に、先送りにした滅亡と滅亡した未来の狭間に生きる人類を描きます。狭間の世界での日常はどのようなものなのか? 未来にも過去にも居場所がなくなった人類は……哲学!!

クトゥルフ相撲

淡々とした描写の積み重ねで我々は船の乗り手となり避けえない対決に向かうことになります。さらりと語られる力士同士の関係性も見所。勝機を持って土俵へ向かう彼は間違いなく正気、刮目せよ。

深海相撲

再び相撲。究極の環境下で行われる異形の相撲です。マゲボンベのディティールがガジェット的にとても美味しい。これはクトルゥフ相撲の未来の姿かもしれません。深海相撲はメジャーな題材のようで、他にも作品がありました。(なんでこの題材でカブるんだ)

量子相撲

三度相撲。逆噴射小説大賞の中でもランキング的にほぼトップに近い位置にいる究極の問題作にして話題作。量子加速器で行われるドラマを相撲の取り組みに例えて最小スケールでありながら最大の土俵リングを用意した凄まじい作品です。

アポロ:ヴァンパイアキラー

太陽から隠れた月の裏側に何があるのか? 当然ヴァンパイアです。世界史に秘匿された戦いが始まろうとしている。その手があったか!となるけど、考えついても実体化させないって普通は。

アタック・オブ・ザ・ケセランパサラン

ほんわかした全く怖くない存在「ケサランパサラン」によって、人類が壊滅をしていく姿を描きます。毛玉であり、雲のようなものであり、粉です。 人類、粉に死す。クライマックスでは粉塵爆発があると思います。

寿司職人VSデーモンコア

なんだこのコアは、放射性物質みたいだな、と思ったら、マツキヨさんが実在するデーモンコアの情報を出してきました。勝てねえ。フィクション脳の人類はゴロンと放り出された本物には勝てないんだ。

最初に知性が芽生えた猿

明晰な一人称視点。意識の獲得前後の生活の違い、そしていきなりとんでもないゴール地点を発想するなど、なんだか人智が到達できない領域を描写されているような気がします。

いじょうです。

見出し画像は特に関係がないはずのイメージ映像です。

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