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乙女として心掛けたいこと-寫眞編


  先ず、恥じらいは捨てましょう。

  外見だけが綺麗な人は要りません。貴方の乙女を引き摺り出したいのです。すなわちエス。超無意識的な部分が顔を出した時を見落とさずに救ってあげたい。普段認識している私。という貴方。が超自我として外見を塗り潰すよう覆い尽くしてしまう前に、救い出してみせます。
  安心して、難しい事ではありません。正しい乙女であれば、私に全てを預けられるでしょうからね。

  だからといって、分かり易すぎるのもナンセンス。乙女は間接的美学です。直感を、図々しく、お淑やかに伝えなくては居られません。
   それは出来すぎた表情。仮面を被っている可愛らしさは、今必要ではありません。それは、写真を撮られているという意識が、なんて勿体ない事に、貴方の煮えたぎる思いを抱えたマグマに蓋をしてしまうんです。
  あくまでもカメラが見えて居ない振りをするんですよ。私に、一人芝居を存分に見せ付けて下さい。

  一番良いのは、眠っている時。睡眠中。
  内臓の中、頭の中を全て揉んで洗ってひっくり返して、洗いってあげましょう。グラリグラリと体操をする様に、不安定に身体を動かしながら地球にぶら下がって重力を感じていてください。
  生きてるのか死んでるのか分からないくらいが丁度良いのです。その時だけは私であって私じゃない様な。貴方であって貴方じゃない様な。自分でいて自分じゃない様な。其れを思い出してください。
  無意識的のいとはじまり。持っている手から滑り落ちたら、アッという間に、私の見えなくなってしまいそうな所まで転がってゆきます。乙女の気分は容易く、ほそく繊細で、しなやかで、艶やかで、絡まってゆきます。

  御洋服だって、昭和風にデザインされた中国製のワンピース、SやMじゃあいけません。
  乙女は本物のアンティークに思い馳せなくてはなりませんから、着こなすのは、ウン十年前の、おばあちゃん家の箪笥に眠ってしまっている、かび臭い赤のワンピース・ドレスが宜し。其れに合わせて、骨董市で見つけた、一目惚れのチョーカーを付けて下さいね。
  型紙通り、味通り。機械通りではない、人の味を深みを苦味を感じて受け取れるものですから。乙女は。

  黒髪。お化粧は薄く、然の儘で宜しい人に限る。

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