原題：Sicario: Day of the Soldado　★★★★★

FBI捜査官のエミリー・ブラントと同じ目線になって、国境地帯で展開する無法の麻薬戦争の真っ直中に投げ込まれた『ボーダーライン』（15）の続編。

もはやボーダーラインというよりも、原題の「暗殺者・ヒットマン」のストーリー。しかも今回は、容赦のない国境麻薬戦争に否応なしに巻き込まれていく子どもたちの登場とベネチオ・デル・トロ扮する元検事の暗殺者との関係が軸となっております。

巻き込まれた少年、少女の日常は崩壊し、もう二度と元の生活には戻れなくなります。

いずれもまだローティーンなのに、その意味では文字通り一線を超えてしまうのです。

愛のままに、
わがままに、
僕は君だけを傷つけない

そんな少女との関わりに、何度デル・トロさん！と心の中で叫んだことか。次第に生まれていくデル・トロさんと麻薬王の娘イザベラ・モナーとの絆は、もっと観ていたかったほど。

骨太で胸アツなテイラー・シェリダン印はそのままに、監督はドゥニ・ヴィルヌーヴからイタリア人監督ステファノ・ソッリマにバトンタッチも、これはこれで大あり！

亡くなった前作の作曲家ヨハンヨハンソンへの追悼もあり、音楽はその弟子のヒドゥル・グドナドッティルが担当、いずれにしても新次元である印象を受けました。

テイラー・シェリダンは3部作として構想しているそうで、3作目・完結編？を楽しみに待ちたいと思います！