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あんときのデジカメ 棚田と瀬戸内海のコラボレーション with 京セラ Finecam SL400R

(はじめに)一度は撮影したいと思っていたのが棚田です。しかし、讃岐で出会うとは思っても見ませんでした。夕方の瀬戸内海と一緒に、今回は、京セラFinecam SL400Rでスケッチしてみました。

五月晴 海へ詰め寄る 棚田かな

傾斜地にある稲作地のことを「棚田」と呼びます。棚田百選という言葉もある通り、それは、日本の伝統的な風景……そして、それは近代日本において「伝統」として創作された神話ですが……として、写真ではよく見るもので、一度は自分でも撮影したいとは考えていました。

東京から遠く離れ、讃岐へと移住しましたが、まさか讃岐で棚田と出会うとは思いつきもせずにいました。たまたま、仕事の帰り道、少し遠回りにはなるのですが、峠越えをせずにすむコースを選択したところ、田植えが終わったばかりの棚田とご対面できました。

棚田の光景はたしかに美しくもあるのですが、その美しさやよき伝統というものの薄皮をめくってみると、耕作できる農地が不足している云々の大変さが必然するのも事実であり、美しさをシャッターで収めながら、物事を画一的に理解することの危うさを深く心に刻む一時にもなりました。

五月晴 海へ詰め寄る 棚田かな

さて、誰の俳句でしょうか?

はい、わたしです(汗

業界再編期のスイバルカメラ

 かつてはcontax一眼レフカメラを製造販売し、デジタルに乗り遅れたとはいえ、個性的なカメラを販売してきたのが京セラです。カメラ事業から撤退して10余年過ぎましたが、2004年に販売されたのが今回使用したFinecam SL400Rです。

 回転レンズを搭載した400万画素、撮像素子が1/2.7インチ原色フィルタ付きCCDで、非常にカッチリと映ります。筐体はマグネシウムダイカストボディで、安っぽさが全くなく、撮影していて楽しいカメラですが、バッテリーの持ち具合がいまひとつというところでしょうか。

 この手の回転レンズ式のカメラを「スイバル(あるいはスイベル)/ swivel」と呼びます。デジカメ黎明期にはよく見かけましたが、最新機種ではほとんど見られなくなりました。構図を自由に調整できるので便利ですが、筐体が弱いことが難点でしょうか。

 私見かつ印象批判に過ぎませんが、ちょうどこの時期にほぼほぼデジカメの基本的なスタイルが確立しましたので、この再編のタイミングでデジカメを継続する、あるいは撤退するという分岐点になったのだろうと思います。

三豊市から多度津町へ

 ローカルな話題で恐縮ですが、撮影場所です。三豊市三野から津嶋神社(JR予讃線・津島ノ宮駅)へと下っていく県道221号宮尾高瀬線を降り、そのままさぬき浜街道(香川県道21号丸亀詫間豊浜線)を東へ進み、海岸寺へと至るコースです。

 浜街道ですが、ちょうど三豊市と仲多度郡多度津町の境から海岸寺へ至るコースが路幅が狭く、自転車ですと結構、危険なコースで、ゆっくりと撮影できず、ショット少なめです。当然自動車ですと、途中停車して撮影という訳にもいきませんから、周囲に注意しながら自転車というのがベストでしょうか。しかし、穏やかな瀬戸内海の浅い夕暮れというのもなかなか素敵なものですね。

 さて、Finecam SL400Rです。400万画素でありながらも、まあ、「よく写るな」というのが正直な印象です。この時期のコンパクトデジタルカメラでは珍しく、連写性能が装備されているそうですが、こちらは、後日紹介したいと思います。

ということで撮影データ。ISO100、プログラムオート、露出補正なし、ホワイトバランスオート。画像は2,272×1,704で保存。撮影は5月11日。三豊市~仲多度郡多度津町で撮影。

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氏家法雄/独立研究者(組織神学/宗教学)。最近、地域再生の仕事にデビューしました。