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ネフの積み木の「なぜ」のはなし

今日はたまたま見たネフの積み木の話。

急上昇ランキングにデザイナーみんな大好きネフの積み木を買ったYouTuberさんがいたから観察がてらに見てみました。

動画の内容的には「高額な積み木は本当にその価値があるのか!?」みたいな感じで、ネフの積み木で遊ぶお子さんの動画を配信するというもの。

遊んでいるお子さんの年齢がネフのおもちゃで遊ぶにはまだ少し低くも感じたが、楽しそうに積み木を滑り台に見立てて遊んだりしていて非常に、デザイナーである自分は子どもがこういう風に遊ぶのか、ふむふむ、という感じで見ていました。

ただそんな中でも、お母さんの反応が非常にリアルで、1人で遊ばせたらまだ危ない大きさであることや、黒のピースは少し角が立っていたのか指を切りそうだから省く、など、知育玩具としての安全性とネフの積み木がエッジのある造形であることがすこし危険を招いてるのか、、とリアルな意見を感じました。

少々残念だったのが価格がただ高いから、本当にその価値があるのか!?、という入りだったように自分は思うのですが、本来のネフの積み木の良さをあまり理解してないまま購入してるのがすこし残念だったようにも感じたのも本音です。

ネフの積み木の良さは多角形の連続性で、どう組んでもいい積んで遊べることや、積む人によって見た目が全く変わること、そもそも積み方に答えがないこと、色彩豊かなこと、など、何かを完成させるというより積み重ねる中で新たな発見や感覚を磨くものだと自分は思っています。

それで、ふと思い出したのが学生時代の同じゼミ生で卒制で知育系の玩具を作る子がいて、その生徒に対して先生がネフのおもちゃについて語っていたことを思い出しました。うろ覚えですが「大人が楽しいだろうと思って渡すものは面白いのは大人だけで、子どもは結局何わたしてそれを玩具にする」みたいなことを言っていてなるほどなぁとなったのを覚えてます。

何を渡しても玩具になる。それでもネフがこのような積み木を作るのはなんでだろうか。そもそも子育てに必要なクリエイティブとはなんだろうか、、

子どもが純粋に楽しく繰り返す遊ぶ、発見、好奇心、など知育玩具を通して得るそのクリエイティブに至る思考にはどんなものが必要なんだろうかと考えた時に、

もちろん純粋な知育玩具としての楽しさも必要ですが、遊んでいる時に「なぜこの積み木はこんなに自由に組めるんだろう」とか「なんで他の積み木と違っておもしろいんだろう」とかの「なぜ」の部分に本当の価値があるんじゃないかと僕は思いました。

それはクリエイティブ職に就くためのかなり重要なことだと自分はとても感じます。

「なんでなんだろう?」と考えることこそが新たなものを作り出すことの始めのステップで、繰り返し、それを日々の中で違和感を見つける、そして観察力を磨き、新たに何かを生み出すことが僕はクリエイティブだと考えています。

多くの玩具が世の中にあって、レゴでも仮面ライダーのキットでもリカちゃん人形でも、なんでもそこには子どもの心をくすぶる、何か原因があってそれが生まれて商品になってるはず。でも、それは自分だけの世界を作り出せたり、自分がヒーローになれたり、新しい物語を自分の中で作り出せたり、いろんな要素が含まれているけど、そこには「なぜ」という要素はあまりないのではないか・・

ネフの積み木の魅力、その良さには幼すぎると気づかないかも知れないけど、もしその子が遊んでいる時に「なぜこの積み木はこんなに自由に遊べたのだろう」「なんでだろう」と子ども時代でも大人になってその「なぜ」と気付いた時には、ネフの価格以上のクリエイティブな思考をその子が得れた最高の瞬間なのではないかと、強く感じました。

今日はそんなネフのおもちゃの話。

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