ネットで何か物を買う時、「調べる」ことをしてから買いますか？
商品の仕様や特徴、値段を調べて買うことは多くの人がしていると思うけれど、購入者の口コミは、どの程度参考にしますか？

夫は、とりあえず買ってみる派だ。
理由は、買って使ってみないと分からないから。
口コミは関係なく（参考程度には見ている様子）使うのは自分だから、と。

かたや私はというと、入念な下調べをしてから買う派。
どうしてかと言われたら、やっぱり失敗したくないから。
口コミもしっかり参考にする。
買う商品が決定してからも大変。
今度は、「どこの」お店で買うかを調べるのだ。
価格が安く、送料もできたら無料、お店の口コミも評価も見る。

さらに買うお店も決まったら、買うタイミングまで考える。
楽天ユーザーなので、マラソンがそろそろ近いとか、この日がポイント５倍だからとか、それを待って購入することも多い。
そんなことをしていたら売り切れた、なんて苦い経験もあるので人気の商品や数が少ない場合は、待たずに購入することもできるようになった。

手に入れた商品が、もし合わなかったらどうするか？
夫はすぐ手放す派だ。合わない物を使い続けることはしない。
すぐ返品、出来ないものはメルカリへ。

このメルカリ出品、私の仕事と化している。そのため、私の仕事が増えることになる。
買う人と売る人のこの構図が、時々私のイライラの原因になることがある。
イライラが膨れ上がると、もう出品しない！と爆発するのだ。

買いたいだけ買って、すぐ売るとか私に対して嫌がらせかと思う気持ちになるのだ。
私だって売りたい訳でない。買いたい方にいきたいのだ。

ここで夫の名誉のために言っておくが、「売って」とは言ってこない。
「売ってもいいよ」と言うのだ。
メルカリに出さないことになると、二束三文のリサイクルショップ行きとなる。
過去にメルカリ出品が面倒になり、リサイクルショップに売りに行ったことがある。数千円で売った後に知ったのだが、実は数万円の価値があった時計を手放していた苦い経験がある。

なので私の心持ちとしては、新品同様を売るならメルカリがいいのだ。
新品同様なので、定価と大差なく売れる。
罪悪感が少し減るのかもしれない。
私は買った本人ではないのに私の罪悪感というのも変な話だが。

彼はその差額で、自分に合わなかったという経験を買っていることになる。
その考えのせいか後悔は少ないらしい。

私はというと、合わなかったとしても多少我慢して使い続けるのだ。
どうしてか？
あんなに時間をかけて探したのだから、この時間を無駄にしたくないと思ってしまう。
なので、合わなくても使い続けようと努力する。

コロナ禍で買ったオートソープディスペンサーもその一つ。
自動で出るから便利とかなりの時間をかけて調べて買った。
なのに、泡の出が悪い。そして感度も悪い。
感知度が低いのか、何度も手をかざさないとなかなか出てこない。
不便に思いながらも使い続けていると家族からも不満が出てくる。
手を何度もかざして、ディスペンサーのご機嫌を取るその時間が毎回長い。

「もう自動じゃなくていい！」

先日、ついに家族全員から三下り半が下り、捨てることになった。

夫の方式だとすぐに他のディスペンサーに買い換えて、自動で出てくる楽さを堪能しているかもしれなかった。
私の未練たらしい行動で、自動の物を次にまた買うこと自体が怖くなってしまったのだ。
自動じゃなくていっか・・・となってしまった。

好きじゃないものを嫌々使う必要ないでしょ、と夫が言う。
本当にその通りだと頭では分かっている。

お金がもったいないと正直思う時もあるけど、自分で使ってみないと良し悪しは分からないのも事実。

冒険できなくて、失敗が怖くて、調べ魔と化している私。

失敗が怖くてあれこれ調べて費やす時間。その時間より、自分の時間の方がもっと大切なんじゃないかとようやく気付き始めた。
そう思いながらもついつい調べたくなっちゃって、時間を費やしてしまうこともまだあるけれど。

スタバで飲み物を選ぶ時、それなりのお金を出すなら美味しいものを選択したいと思っている。
発売したばかりの限定ドリンクについては、飲んでる人も少ないのに「限定」「今しか飲めない」というだけで、調べ魔の私もあっさり冒険してしまう。

スタバの商品という美味しいに違いないという安心感があるとはいえ、なぜか新商品発売と聞くと発売終了前には飲みたい！と思ってしまうのだ。
失敗を考えず、口コミを待つことなく、スタバに行ってしまう。

スタバに行くように軽やかに自分が買いたい物をとりあえず買ってみるという行動が、私にも必要なのかもしれない。
慎重になり過ぎて失敗を恐れる前に、経験すればいいのよね。
全く見ずに買え！と言っているのでは無く、ほどほどに。

これは人生の大きな選択ではなく、ただの買い物の話。
でもそういう考えでいないと人生を左右する決断なんて、私にはいつまで経ってもできないんじゃないかと思える。

失敗の経験を買うことを恐れずに、自分の時間をもっと別のことに使いたい。