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奇跡のレッスンから学ぶこと(#コラム)


指導者は子どもたちにとってとても重要だ。
小学生、中学生、高校生、大学生。
子どもたちはどのステージにおいても指導者の影響を大きく受ける。
とりわけスポーツの世界では、子どもたちのその後の活躍に大きな差が出る。最悪の場合、そのスポーツを断念する子どももいる。

日本人指導者がスポーツ指導すると、どうしても体育の域を出ない。外国人が傍から見ると「まるで軍隊ね」と嘲笑する。組織、規律、制約・・・まず子どもたちにここから学ばせる。
個性より組織だ。
だから子どもたちはそのスポーツがだんだん楽しくなくなる。

プレーヤーとして成功した日本人指導者がふんぞり返って指導する時代は終わったのだ。
某テレビ番組で「喝!」を出す解説者は未だにイチローや大谷選手に否定的だ。世界中でその活躍を目の当たりにしても、現実逃避に一生懸命だ。自分の経験していない方法やステージはすべて受け入れない。
でもこれはこの解説者が稀有なのではない。こんな日本人指導者がたくさんいる。
そして、日本の若い才能の芽をどんどん潰していく。


私はNHK番組『奇跡のレッスン』をよく見る。
バレーボール、サッカー、スキー、スケート、ダンス・・・
この番組は、世界で活躍するプレーヤーを指導してきた「指導者のプロ」を日本に連れてきて1週間ほど小中高生たちを指導する番組だ。指導する内容はスポーツに限らず、音楽だったり絵画だったりいろいろな分野のものがある。どの分野でもめざましい成果を上げるのだが、結果が点数で表れるスポーツでは一目瞭然だ。個人競技も団体競技もみごと1週間足らずで成果をあげる、まさしく『奇跡のレッスン』なのだ。
子どもたちの成長したところだけを残し、そうでない映像はカットしたりして、編集による見せ方が上手なんだとは思うが、それを差し引いても1週間足らずで、こうも変わるかというほど子どもたちは変わる。

まず外国人指導者は日本人からみて指導方法は総じて明るくユニークだ。
決して「指導」という名の押し付けはしない。
子どもたちにそのスポーツを楽しんでもらうことを前提としている。だから決して失敗を怒らない。むしろそのチャレンジ精神を褒め称え、拍手を送り、メンタルの回復を促す。
練習風景に悲壮感はまったくない。
ただこれだけでは終わらせない。
楽しんでプレーするところから「自発的に」技術向上へ向けさせる意識を持たせる環境を作ってやる。
スキーの指導者は言う。
「私は何も教えない」と。
海外の優れた指導者はこの「環境」を作ってやるだけなのだ。
あとは勝手に子どもたちがその環境から何かを発見し、コツをつかむ。自分で成長していくのだ。だから楽しい。

日本人の指導者は得てして自分の経験、成功体験を押し付ける。
よく考えてもらいたい。成功する道程は1つしかないだろうか、と。
教えることは罪だ。
指導者こそ、さまざまな勉強をしてもらいたい。

私は『奇跡のレッスン』のあらゆる分野の外国人指導者たちには共通した信条があることに気づいた。
それは「プレーヤーは表現者たれ」ということだ。
相手と競う前に自分自身をどう表現するのか。
そこにユニークでクリエイティブな思考が発育する。
そうなれば子どもたちは楽しさの中から何かを見つけるだろう。


(注:写真は内容とは一切関係ありません)

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