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ワーママ三種の神器の、その先へ

 先日会社で「共働きセミナー」があり、外部講師が共働きでうまく回すコツを語ってくれた。講師は10歳、5歳、2歳のママ。

 正直なところ、あまり目新しい話はなかった。しかしこれには裏がある。私は先輩ママたちが10年かけて試行錯誤してたどり着いた方法を最初から知ることができた。10年前は、ルンバはまだいなかったし、乾燥機付洗濯機は今よりはるかに高かったはずだ。講師の方も「私の屍を乗り越えていってください」と言っていた。ありがたく乗り越えさせていただきます。

 この記事では0歳児のエン様(赤ちゃんのあだ名) を抱えるワーママの私が2023年夏時点で取り入れている時短術をご紹介します。最初にマインドセットをお伝えし、その後時短術を説明します。

⚫︎家事育児仕事に対するマインドセット

 全ての目的は、この2点。
①エン様がごきげんな時間を長くすること
②一緒に過ごす時間を最大限作ること


 時短(9-16時)で復職してるのは、働きながらもエン様と一緒に遊ぶ時間を確保するため。家事育児の時短・省力化もエン様と一緒に遊ぶ時間を長くするため。家事のためにエン様を放置して泣かせないため。

 私は子育てほど付加価値の高い仕事はないと思っているので、何千万円、何億円のコンサル案件より子育ての優先順位を上にしている。そして子育てにおいて愛着形成、ものすごくかみ砕いて言うと「親も子もごきげんでいっぱい遊ぶこと」を重視している。

 だから、とにかく「時間を作る」こと、子育て以外の時間を減らすことに全振りしている。


 しかし時間を作ろうにも、出産育児でタスクが激増している。体感10倍はあると思う。もっと多いかも。離乳食準備、哺乳瓶洗浄、1日何回もの着替え、スタイ替え、おむつ替え、自分もよだれまみれにされて着替え……。1日は24時間で、産前と変わらない。当然、各タスクの質は下がる。

 大事なことは「終わらせる」こと。
 1日の終わりに自分の許容ラインのきれいさにして寝ること。別におもちゃが出しっぱなしでもいい。洗濯物が山になっててもいい。

完璧を目指すより、まず終わらせろ

日本経済新聞出版, シェリル・サンドバーグ, LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲, 2018年

 Facebook社のメッセージでこのようなものがあるらしい。「終わらせる」ことに最大限コミットする。質は問わない。まずこのマインドセットが大切だと思う。そして「終わらせる」のをスピードアップしてくれるのが後ろで紹介する時短術だ。


 ところで、私の場合は優先順位を明確にし、時間の使い方を戦略的に決めているが、「時間の使い方」というような普遍的な課題は先人が既に解を出しているのでは? 
 と思い調べてみると、やはり出てきた。経営学の父・ドラッカーの言葉。

集中とは、「真に意味あることは何か」「最も重要なことは何か」という観点から時間と仕事について自ら意思決定をする勇気のことである。

この集中こそ、時間や仕事の従者となることなくそれらの主人となるための唯一の方法である。

ダイヤモンド社, P. F. ドラッカー, 経営者の条件, 2006年

 ある人のブログでドラッカーの発言がまとめられていた。

・一度に一つのことしかするな
・その一つは「大きくて新しいもの」にせよ
・決定に必要なのは分析ではなく「勇気」である

普通のことを言っているように見えるが、そうではない。
この洞察は、実質的には「世の中のほとんどのことは「時間を使う価値がないよ」」と言っているのだ。

安達裕哉, 時間は「使い方」ではなく「何に使わないか」にこそ、本質がある。, 2023年

 一度に仕事と子育てをしている時点で1点目は外れているけど、「大きくて新しいもの」はまさに赤ちゃん子育て。勇気をもって時間の使い方を決めてしまうのが吉。


 以上、家事育児仕事に対するマインドセットをまとめるとこんな感じ。

・目的を明確化する(私は子育てだが、別に仕事でもいい)
・目的達成のために「やらないこと」を決める
(家事)
・やらないことを徹底的にやらないために、工夫する
(時短術)


 大変長らくお待たせしました。ワーママ三種の神器のその先へ、具体的なノウハウを紹介します。


①三種の神器

・食洗機

 食洗機はマンションのビルトインのものを使っている。離乳食の食器も入れている。油っぽいものを入れるときは熱湯で流して予洗いした方がいい。
食洗機の洗剤はタブレット型のもの。「粉の洗剤をすくう」という手間もなくしている。

粉を使わない

 粉はスプーンについたり散らばって周りが汚れたりと、手間が増えがち。できるだけ粉を使わない、オープンにしない。粉ミルクも小麦粉も片栗粉も同じ。

粉を使わない

・ロボット掃除機

 DEEBOTのECOVACSを使っている。私が購入検討したときは掃除機+水拭きをできるのがDEEBOTだけで、ルンバは買わなかった。

 水拭きは、子どもがいるとマスト。よだれをあちこちに垂れ流してくれるのと、離乳食があちこちに散らばるので、掃除機だけでは不十分。

・乾燥機付き洗濯機

 洗剤・柔軟剤の自動投入がいい。私が購入検討したときはまだ妊活前だったので、ケチって型落ちの自動投入がないものを選んだ。ここは少し後悔している。
 洗剤はジェルボムをいれるだけだが、柔軟剤はさらさの液体を自分で入れないといけない。前述の通り、粉を使わないのは手間とイライラを減らすポイント。

粉を使わない

 スタイとお食事エプロン(と長持ちさせたい服)は洗濯後取り出してピンチハンガーにかけてるけど、自分が許容できるなら一緒に乾燥でいいと思う。

②アートメイク

 眉に88,000円課金しました! これは、まじで、お金の価値ある。一度の施術で2年もつと仮定すると、

88,000円÷2年÷365日/年=120円/日

 1日120円で朝のメイク時間減少+眉に悩まされるもやもやがなくなると思うと、コスパがいい。
 人によると思うけど、私にとっては眉が一番難しくて時間がかかる。でも眉は顔の印象を決める大事なパーツ。丁寧に描きたいけど、朝のバタバタのなかエン様の相手しながら描くのは至難の業。
 眉アートのおかげで、すっぴんでもなんとかなる。朝エン様がグズグズのときは、抱っこしながらスティックタイプの日焼け止めを塗り、マスクで保育園へ送る。家に帰ってきてからメイクを仕上げてもギリ9:00始業に間に合う。

 理想的には、顔を突っ込むだけで3秒くらいでフルメイクを完成させる機械が欲しい。50万円しても買う人いっぱいいると思う。パナソニックだか資生堂だか、開発お願いします!(既にやってると思うけど)

③鍵の自動化

ひらけごま! これも、鍵を出さないといけない小さなイライラが解消されてコスパ良い。8,000円は安すぎると思う。

 うちはマンションの入口が非接触オートロックで、マンションに入るときは鍵を出さなくていいのに、最後自部屋に入るときは鍵を出さないといけない。全部非接触オートロックになればいいのに……と思っていたところ、スマートロックの存在を知った。
 キーケースから鍵を出して鍵穴に入れてガチャっとやる、カバンの奥底に鍵が入り込んで出すのに時間がかかる、家に入った後キーケースに鍵をしまいカバンに戻す、といった小さな手間・時間がなくなる。鍵をかけるときと開けるときの手間・時間を考えるとだいぶ楽になる。

 エン様は鍵を出す間や、家に入ってからベビーカーの上で放置されてぐずることが多いのだが、セサミを導入してからそういうことがなくなった。眉にしろ鍵にしろ、こういう小さな時間・手間の解消がQOL向上につながる。

 少し話は変わるが、iPhoneのロックが指紋認証から顔認証に変わったのはとてもイライラが増している……。ボタンは無くしたままで、指紋認証を復活させてほしい(難しいのは百も承知だが、開発の方向性として)。

④ベビーブレッザ(自動調乳機)

 ベビーブレッザなしの育児は考えられなかった。ミルクがワンタッチで出てくる。エン様が生まれたての頃から、お腹が空いて泣いてもすぐミルクをあげられた。お腹が空いて泣かせた時間は他の完ミの赤ちゃんに比べて少ないと思う。完ミで毎回液体ミルクを使っている強者がいたら負けるかもしれないけど。
 ベビーブレッザも、粉をオープンにしないという点が良い。粉は余計な手間・時間がかかる諸悪の根源。

 ベビーブレッザについては過去記事をご参照ください。

⑤いろいろ自動注文

 大事なのは2点。
1. 注文することを考え、実際に注文する手間を減らすこと
2. 大きい重たい物を自分で運ばないこと
 牛乳やおむつ、洗剤、柔軟剤、トイレットペーパーなど、液体やカサが高いものは自分で運ばない。

・生協

 生協なしの育児は考えられない。離乳食で大助かりしている。うちはパルシステム派。
 おそらくどこの生協でもあるのだと思うけど、自動注文機能がある。アプリで登録しておくと、注文を忘れても毎週届けてくれる。毎週の注文時に選択する手間も省ける。うちは牛乳、パン、エン様の好物(豆腐ハンバーグ、茶わん蒸し)、おむつを登録している。もちろん「今週はいらんな」となったら注文を取り消すこともできる。
 自動注文にはしていないが、お米も重たいものの代表格なのでパルシステムで買っている。

・Amazon

 洗剤、柔軟剤、トイレットペーパーを定期配送登録している。
 エン様が生まれて、洗濯の量・回数が爆増した。今後外遊びとかするようになるとさらに増えるのだと思う。とにかく洗剤、柔軟剤の消費量がえぐい。Amazonの場合は「洗剤なくなってきたな~」と思ってから注文してもすぐ届くけど、注文の手間を減らすことが重要。
 配送日の少し前にAmazonから連絡が来るので、もし前のストックがまだあるようだったら配送スケジュールを変更できる。

・化粧品、サプリ

 カルテHDのオールインワンゲルとDuoクレンジングバーム、FANCLのマルチビタミンを定期配送している。毎日使うものは定期配送。

 定期配送とは関係ないけど、カルテHDについて少し語らせてほしい。「ヒルドイド」という皮膚に良いことで有名な薬がある。このヒルドイドを、大人が使う目的で子どもの受診時(医療費タダ)に処方してもらう人が多く、問題となっていた。そこで開発されたのがこのカルテHD! 
 ヒルドイドのメーカーであるマルホが、化粧品大手のコーセーと組んで新しい会社を作り、カルテHDを開発、展開。なのでパッケージもヒルドイドと酷似している。もちろん成分も医薬品のヒルドイドに近いものだから、肌に良い。私は元々某デパコスの基礎化粧品をライン使いしていたけど、カルテHDに変えてからの方が調子が良い。


 育児中のママに化粧水、乳液を順番に開けて顔に浸透させている暇はない。とりあえずオールインワンゲルを塗りたくる。少し乾燥が気になるときはクリームを重ねる。

 DECORTEのリポソーム美容液も定期配送にするか迷っている。定期配送はスイッチングコストが高いので、他の商品を使わないことが明確な場合は適しているけど、美容液は他の商品を使う可能性もあるのでまだ踏み切れていない。



ここからは、導入予定だがまだ検討中のもの。

⑥家事代行

 トイレの後ろの方や窓のサッシ、換気扇など、絶妙に面倒な掃除を外注したいと考えている。外注するところまでは家族会議で決定済なのだけど、いかんせん業者が多すぎてどこを選べばよいのかわからない状態。
 家事代行はとりあえず使ってみて合う人・サービスに出会うまで変えていったらいいと先輩ママパパに聞いたので、今後やっていきたい。

⑦病児シッター

 エン様は健康優良児で保育園に行き始めてから2ヶ月半皆勤だったのだけど、いつか病気をすることは確実。病児シッターは年会費3万円、月額1~2万円程度とかなりコストが高いので、うちは一度検討したものの導入を見送った。まぁ私が休めばいいか、と思って。

 しかし病児シッターを利用している先輩ママ(3児の母)の話を聞いて、少し考えが変わった。

・保育料月7万円も、保育料+病児シッター月8万円も、たいして変わらん
・病児シッターの月額費には1回分の利用料が含まれるので、月1回くらい「あ、ちょっと子どもがしんどそう」でシッターさんを呼べる
・何か楽しそうな仕事があったとき「子どもが理由で手上げしない」ことが中長期的なキャリアに影響する

 この先輩ママは3児のママなのでスケールメリットがあるというか、子どもの病気リスクも高いから病児シッターの費用対効果が一定程度見込めると思う。0歳児1人で契約する必要があるか迷いどころだけど、多分1回痛い目を見た後に契約する気がする。

⑧Apple watchでの支払い

 私の場合Suicaの申し込みからやらねばならず、面倒でずっと手続きせずにApple watchをただの腕時計として使っている。早く申し込めば絶対楽になるのに……育休中にやっておけばよかった。



 以上、ワーママ三種の神器のその先へ、マインドセットから具体的なノウハウまでまとめてみました。圧倒的に、最初のマインドセットが重要だと思います。

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《終わり》

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