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投資#77 生活者の価値観は【イマ・ココ・ワタシ】


書籍の情報

タイトル:生活者の平成30年史 データで読む価値観の変化
著者:博報堂生活総合研究所
出版社:日本経済新聞出版社
発行日:2019年2月20日

書籍の要約

  • 平成の時代、「生活環境」には、次のような変化があった。

    • 平成の初期、「夫婦と子ども世帯」が全世帯の多くを占めたが、最近、「単独世帯」が最多となった

    • 生涯未婚率が30年間で、男性20%、女性10%上昇した。結婚しないことも人生の選択肢の1つになった

    • 「共働き世帯」が「専業主婦世帯」の2倍近くになり、高齢者の就労も一般化するなど、誰もが働く社会になった

  • バブル崩壊やリーマンショックなどの経済的な困難を乗り越えてきた生活者は、未来は大きく変わらないと考え、楽観も悲観もせず、身近なところで楽しみを求めようとする。こうした人々の社会は、熱くも冷たくもない【常温社会】といえる。

  • 生活者の価値観については、次のような変化が起こった。

    • 関心が「社会」から離れ、「個人の生活」に向かっている。

    • 人つきあいを面倒くさいと思うようになり、友人知人、家族といるよりも、「ひとり」でいることを好む

    • お金との付き合い方が、「節約」から「獲得」(ポイントカードなどのポイントサービスの利用)へシフトした。

  • 平成初期から終盤にかけて広がった【常温社会】の時代認識の下、生活者の価値観は、「いつか」「どこか」「誰か」の幸せではなく、【イマ・ココ・ワタシ】の幸せを大切にしようとするものへシフトした。

  • 生活者は、暮らしを楽しむのが上手になった。商品・サービスを「消費する」だけでなく、自ら好きなように「加工・生産する」。企業は「完成品」ではなく、生活者も関与できる余地がある「半完成品」を提供する発想が有効だろう。

感想


生涯未婚率についてはこちらにも書かせてもらいました。
投資#63 未婚率の上昇の主な原因|umikirin (note.com)

近年、男女ともに50歳時未婚率(生涯未婚率)が上昇し、男性の約20%、女性の約10%が50歳時点で未婚である。

「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実

今回の書籍によれば、
「生涯未婚率が30年間で、男性20%、女性10%上昇した。」
そうです。

似たようなことの繰り返しになり、恐縮ですが、
複数の書籍で似たようなことについて言及がないと、
本当かなと思ってしまうので。

この件は、確度が上がってきたという認識です。

また、この書籍によれば、今は、
常温社会
なのだそうです。

もちろん、常温社会は本書籍の造語です。

ニュースを見聞きしていると、
いつも悲観的なニュースばかり報道されていて、
年々悪くなっているようにしか思えなく
なってしまいます。

それはニュースの特性上、
注目を集めなければならないので、
悲観的なことを報道すれば、
注目が集まりやすいですから。

書籍とは、違うのでしょうね。

インターネット、SNS等の発達が、
孤独化を推し進めたということも聞きますし、
結婚しなくなったことも、
孤独化を推し進めたとも聞きます。

そのような中、生活者の価値観については、
関心が「社会」から離れ、
「個人の生活」に向かっている、
そうです。

また、生活者の価値観は、
「いつか」「どこか」「誰か」の幸せではなく、
【イマ・ココ・ワタシ】の幸せを大切にしよう
とするものへシフトした、
ともあります。

マクロからミクロへ、
長期から短期へ、
視点がシフトしているとも取れます。

それらが良い悪いを議論したいと思いませんが、
その流れがあることはしっかり認識しておきたいと思います。

個人が団結しなくなってきているから、
都合がよくなっている人がいて、
もっと団結しなくなるように仕向けているのでは?
と陰謀論を考えてみたり、

施政者や政治家にとっては、
見向きされにくくなってきているから、
常温社会はお得かもしれないと思ったり、

しています。

ただ、商品・サービスを「消費する」だけでなく、
自ら好きなように「加工・生産する」
とあるので、
個に向かうことで、創造性が高まっているのも間違いなさそうです。

まとめ

生活者の価値観は【イマ・ココ・ワタシ】


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