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No.16 中島遼さんの好きな屋久島〜森と海のつながり〜

こんにちは!屋久島の春牧(はるまき)で「漁師の暮らし体験宿 ふくの木」と「遊漁船さかなのもり」の開業準備をしている中島遼です。屋久島に住んで、今年で5年目です。

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今回は私たちが活動を始めたきっかけと、私たちが伝えたいと思っている屋久島だからこそ感じられる「森と海のつながり」についてご紹介します。
屋久島といえば、日本で初めて世界自然遺産に登録され、樹齢数千年の巨木「縄文杉」があることや、スタジオジブリのアニメーション「もののけ姫」の舞台として知られています。

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面積504平方キロメートル(東京23区は619平方キロメートル)の中心に、九州で最も高い「宮之浦岳」など1,800メートルを超える山が連なります。島の90%が森林で、約13,000人の島民が島を縁取るように山と海の間に暮らしています。
「ひと月に35日雨が降る」と例えられるほど降水量が多く、急峻な地形のため川の数も多いです。電力の99%は水力でまかなわれ、水の循環が早いこと、水が豊富でおいしいことも特徴です。

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私は屋久島に移住後、漁師の家で育った現在の旦那さんと出会い、2018年に結婚しました。もともと自然が好きで休日に山登りなどを楽しんでいましたが、漁師さんが身近になったことで、海や魚への興味関心がとても強くなりました。港に行くと、気さくな漁師のおじちゃんが「魚持って帰るかー!」とよく声をかけてくれたのがうれしかったです。

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新鮮でおいしい魚が食べられる幸せを感じると同時に、この十数年で漁獲量が大幅に減少していること、魚の価値が下がり多くの漁師さんの収入が減っていること、漁師の高齢化や後継者不足など、漁業の厳しい現状を見聞きするようになり、自然と「漁師さんのために何かしたい」と考えるようになりました。

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私たちが口にするおいしい魚は、一体どこからやってきたのでしょうか?
漁師さんが海で釣ってきてくれた魚は、一体何を食べて育ったのでしょうか?
海の水は何でできているのでしょうか?画像6

海の上の湿った空気は上昇気流にのって山肌にぶつかり、雲へと変わります。雲は雨を降らせ、樹木や植物を育てます。雨水は山を駆け下り、川となって私たちが住む里へとやってきます。そして海岸へ下り、やがて海となります。川は山から海へと下るときに森を抜け、木々や葉の栄養分をたくわえます。その栄養分が海の栄養となり、海藻やプランクトンを育て、稚魚はその海藻やプランクトンを食べて成長するのです。水は常に自然の中で循環し、山と森と海をつないでいます。

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つまり、豊かな海を守るためには、豊かな森を守ることが必要です。

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屋久島の漁業の衰退を解決するには、海や魚の魅力を広め、豊かな自然環境を維持すること、漁師さんが漁業を続けるための選択肢を増やすことが大事だと考えます。

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私たちは「漁師の暮らし体験宿 ふくの木」と「遊漁船さかなのもり」の活動を通して、海の楽しみ方や魚のおいしさはもちろん、自然の恵みに感謝すること、この島ならではの自然にやさしい暮らし方などを伝えたいと思っています。
屋久島の豊かな森と海が守られ、持続可能な暮らしの先進地となり、漁業をはじめ、一次産業全体が元気な島であってほしいというのが私たちの願いです。

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再び屋久島を訪れることができるようになった際は、ぜひ屋久島で「森と海のつながり」を体験してほしいです。
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中島遼
北海道出身。10年間の東京在住を経て、2016年より屋久島に移住。
「漁師の暮らし体験宿 ふくの木」と「遊漁船さかなのもり」立ち上げ中。
屋久島経済新聞ライター。元民宿すぎのこの女将。

HP:https://www.yakushima-fukunoki.com/(準備中)
Facebook:https://www.facebook.com/yakushima.fukunoki/
Instagram:https://www.instagram.com/yakushima.fukunoki/

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