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1991 MY LIFE,MY LOVE,MY DRIVE, IT CAME FROM…

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1991 MY LIFE,MY LOVE,MY DRIVE, IT CAME FROM PAIN

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    いつも忘れたいと思っている記憶の中のあなたに

最近の記事

幸せを感じた瞬間に手から離れるものがある

    • DIDN’T KNOW I WAS LOST

      皮膚癌と診断された。 ステージ1bの早期発見とのことで先日摘出手術を受けた。左頬に5センチの傷が残り26針縫った。  ほくろに似たよくある癌とのことですぐに命に関わる病気ではなかったが、顔に残った大きな赤い傷を見た時に、自分の何かが終了したような気がした。無病で健康な人間としての終わり、顔に傷のない人間としての終わり、ついでに30歳になる前の若い女としての自己肯定感の終わり。普通の人間として当然にクリアしてきたあたりまえの人間のチェックが一つ一つ外れていくのを感じた。  今

      • 痛みに溺れて

        自分にはあなただけだったのに あなたは私だけじゃなかったのが嫌だったんだろうな 使い古した歌詞のようなこのありきたりな感情に どうして気がつかなかったのか 自分事と思えなかったのか ありきたりで でも重要な答えにどうしてたどり着けなかったのか よりによってあの時に 人を愛して 人を恋しく思って 人との繋がりを大切にして 人のあたたかさに感謝して 大事な人を逃さないように 他ならぬその人を手放さないように 皆 それぞれに許し許され愛を手にするのだろう 愛してるよ 側にいて欲

        • 愛情も友情も同情も今日でおしまい。明日からは自分に必要なものだけを求めて、他ならぬ私のために生きる。

        幸せを感じた瞬間に手から離れるものがある

        • DIDN’T KNOW I WAS LOST

        • 痛みに溺れて

        • 愛情も友情も同情も今日でおしまい。明日からは自分に必要なものだけを求めて、他ならぬ私のために生きる。

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        記事

          ひとつ、諦めがついた。私が望んでいても、いつか裏切られることを心から受け入れる覚悟を決めても、やはり私は人から信用されない人間だ。やはり私は一人で生きて死ぬ人間であり、それ以外のことについて諦めがついた。家族を見送ったあとは、好きにさせてもらう。

          ひとつ、諦めがついた。私が望んでいても、いつか裏切られることを心から受け入れる覚悟を決めても、やはり私は人から信用されない人間だ。やはり私は一人で生きて死ぬ人間であり、それ以外のことについて諦めがついた。家族を見送ったあとは、好きにさせてもらう。

          私があえて期待を裏切ったり、あえて予想を下回ったりすることで生まれるあたたかな居場所は、私の生きる場所ではない。あなた方の心の安寧のために、私が今までの生き方を反省し、心を改めて生きようとすることが望みなら、私はあなた方の前から消える。今までもそうだったし、これからもそうだ。

          私があえて期待を裏切ったり、あえて予想を下回ったりすることで生まれるあたたかな居場所は、私の生きる場所ではない。あなた方の心の安寧のために、私が今までの生き方を反省し、心を改めて生きようとすることが望みなら、私はあなた方の前から消える。今までもそうだったし、これからもそうだ。

          WAY DOWN WE GO

          時々潔癖と言われることがある。飲み会の席でふと話す言葉から、隣に居座り絡んでくる酔っ払いのほとんどに、私は病的な潔癖症だと言われる。 TEARS DRY ON THEIR OWN人と一緒のベッドでは寝付けないし、狭い部屋で一緒に食事したときのお互いの生活音を気遣うことを想像しただけで息がつまる。誰かと結婚して一緒に暮らしたとしても、認められるか分からない味、ふと匂う自分のにおい、相手を失望させないかという不安、思いもしない言葉や想像もできなかった厳しい現実が、きっと待ってい

          WAY DOWN WE GO

          他人に魅力的な人ほど、心の深いところで病んでいる

          掴んだ手を頬に寄せた。なめらかな肌に、おだやかな心音に、あたたかい体温に、もう一度触れたい。 愛とか恋とか欲望とか情とか自己満足とか、どの言葉も当てはまらない。ただもう一度触れたい。

          他人に魅力的な人ほど、心の深いところで病んでいる

          AKIRANAKAの眩しさ

          嫌味のない光沢、ドラマを感じさせる不思議な配色、全体的に大きめのサイズ感に詰まるようなカフス周り、うつくしい縫い代の始末、細やかなピッチ、一目見て素敵だと思う服というのは理由がある。視線のたった一秒を捉えるような服というのは、たいてい細部まで素晴らしい作品である。いつもそういう目で服を見てきたのでそういう勘は働く方だ。家に持ち帰って改めてまじまじと見て、自分の勘が間違いなかったことに安堵した。 まるで強い光を見た後のように世界が眩しく真っ暗にも見えた。名も知らぬメーカーの服

          AKIRANAKAの眩しさ

          あなたのために死にたい

          あなたのために死にたい もう願えぬあなたを 隣に感じて死にたい 儚いあなたの 腕を支える 私でありたい

          あなたのために死にたい

          WRITING'S ON THE WALL

          家に帰りたくなくないと思うのは2回目だった。そして、前回も今回も思い返せば事前に不穏な予感がしていた。不自然に思った昨日の出来事が、今さらになって効いてきた薬のように全身を拘束した。 その日の朝、SAM SMITHのWRITING'S ON THE WALL を通勤中になぜか繰り返し聞いていた。穏やかであたたかなポップスを歌うSAM SMlTHらしくない、オーケストラを率いた壮大な悲哀の曲だ。彼の高めで優しい声が、このような悲壮な曲をさらに深刻に、奥深いものにさせていた。

          WRITING'S ON THE WALL

          ファッションと日本製

          毎回、死ぬまで着るくらいの気迫をもって購入するヨウジヤマモトで、今季一番気に入って手に入れたニットが中国製だった。とにかく寂しくて、こみあげる悲しみを抑えられなかった。いつのまにかヨウジヤマモトで中国製が存在していたとは。 中国製だからといって糸がほつれていたり、始末が悪いという訳ではなく、袖を通すと期待通りの美しいシルエットが生まれる、大好きなヨウジヤマモトのニットだ。少しざらついてドライなウールの糸も、よくこのデザインと合っている。秋冬のコレクションを見たときから気に入

          ファッションと日本製

          花を食べて生きていきたい

          後になって分かったことだが、「自分は頭が悪い」と声に出していうことには、二つの働きがあった。自分は頭が悪いという事実を受け入れることと、色んな嘘をついてまで「作ってきた」自分との別れだった。 楽になるためには私は頭が良くない。しかしその言葉を今までずっと口に出すことがなかった。事実なのに受け入れられず、正直なところ認めたくなかったからだ。 言葉の中に閉じ込めた愚かな意地を、まわりの大人はどう感じていただろうか。きっとバレていただろうな。勉強も出来ないくせに、プライドだけ

          花を食べて生きていきたい

          あなたの夢を見たあと

          あなたの夢を見たあと 必ず聴きたくなる歌がある 声が 体温が 自業自得の傷の痛みが よみがえる 夢のあとでも

          あなたの夢を見たあと

          ぬくもりが消える頃

          突然私のとなりの席に焼酎のソーダ割りが入ったグラスが置かれた。グラスから離れるその手を見上げると、奥で作業をしていたはずの寿司屋の息子さんが、優しくほほえみながら「お父さんの分」と言って厨房に帰っていった。 プロフェッショナルゆえに高圧的で頑固であることで有名な大将が営むその寿司屋は、父が私達家族を連れて行くのを長年渋っていた店だった。なんと言っても高級で、寿司を知らない私達にはもったいないと拒まれてきた。 私達が来るもっと前から、父はこの店に来ていた。大将は私の知らない

          ぬくもりが消える頃

          最悪を想定して生きる

          そごうの地下で会う約束をしていた。晩御飯を買って帰る、それだけの約束だった。私の仕事の定時が18時半だったから、それくらいの時間に待っていてもらうように伝えていた。その日はその約束のことだけを考えていたので、1日まともに仕事をした心地がしなかった。 定時になった瞬間に会社を飛び出た。早く会いたいのは間違いなかったが、同じくらいの熱量で、会うことが怖くもあった。私は最良と最悪のケースの両方を想定していたから、心の準備はできていた。出来ていたはずなのに、いざどんな顔をして会いに

          最悪を想定して生きる