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あいづ未来人財育成塾2019 〜リーダー陣振り返り座談会〜

2019年8月18日~21日に福島県会津若松市で開催された、“あいづ未来人財育成塾2019”。

あいづ未来人財育成塾は、中学生対象の合宿形式のキャリア教育プログラムです。3泊4日の合宿の中で、様々な分野で活躍する講師陣の講演とグループワークを通じ、次世代のリーダーを育成することを目的としています。

Unicul Laboratoryからは、3人のリーダー陣と、男女合わせて8名の大学生チューターが参加。講師からの学びを振り返り、将来を考えるためのワークショップを設計・運営するとともに、中学生と期間中寝食を共にして、彼らの学びをサポートしました。

このnoteでは企画段階から関わってきた3名のリーダー陣に、これまでを振り返ってインタビューをしたいと思います!

詳しい実施内容は開催報告という形でこちら↓にまとめておりますので、ぜひお読みください。

メンバー紹介
あいづ未来人財育成塾2019
チューターリーダー:鈴木陸(大学3年生)
サブリーダー:舩窪花純(大学1年生)
サブリーダー:宮部宏成(大学1年生)

ーー今年も無事完走ということで、まずはお疲れ様でした!約半年に渡る準備と活動をしてきた3人に、未来人財育成塾の"オモテ"から"ウラ"までたっぷりお話を聞きたいと思います!まずは、3人の未来人財育成塾の参加動機について聞かせてください。

鈴木:実は未来人財育成塾は、母体となった企画を合わせると2013年から開催されているんです。僕は会津若松出身なのですが、第1回が開催された2013年に中学3年生で、ちょうど自分のやりたいこととか、大学って場所が何なのかすらよく分からずにいた時に運よく未来人財育成塾に出会いました。そこでの学びが間接的に今の僕に繋がっていると感じていたので、また関われる機会はないだろうか、と思っていたんです。そうしたら2017年の時に、OBとして参加してスピーチをする機会に恵まれ、その会場でUnicul Laboratoryとも出会いました。それから自分がお世話になった未来人財育成塾に恩返しがしたいって気持ちでUniculに入り、活動を開始しました。僕は昨年の未来人財育成塾でもサブリーダーとして関わっていたのですが、今年もより良いワークを、地元あいづの中学生に届けたい!と思って、参加を希望しました。

舩窪:私も会津若松出身で、未来人財には中学1年から3年まで皆勤賞です!

ーーえ!ってことは、鈴木くんが中3で参加した場に、舩窪さんは中1としていたってことですか?

舩窪: そうですね。初めて顔合わせした時はお互い気がつかなくて、自己紹介で話して「え!?」ってなってました(笑)。

ーー偶然ですね!

舩窪:3年間とも、それぞれ1週間弱という短い長い期間ではあるのですが、その期間で最高の仲間に出会って、多くの経験もして。講義内容ももちろんのこと、ワークを通して「自分と向き合う」ことができたことはすごく大きかったと今でも思っています。その成果は、今の私を形作っている、と心から言えます。それで私も、これから参加してくれる中学生にも自分と同じように、最高のものを届けたい、人生の中で何かきっかけになるようなものを届けたい、と思って参加を希望していたら、いつの間にかサブリーダーになってました(笑)

ーーなるほど。わずかな期間が、一人の人の人生にここまで影響を与えているのですから、未来人財おそるべし、ですね。宮部くんもそのように?

宮部: いえ、僕は元参加者ではないのですが。僕の場合、兄がUniculで活動していて、かつて未来人財のプロジェクトリーダーを担当していたんです。それで、ちょうど中学3年で進路に悩んでいた僕に、未来人財で行うワークを教えてくれて、初めて自分自信と向き合うという経験をしました。その時から教育、特にキャリア教育というものに興味が湧きました。高校生になってより深く将来について考えていく中で、ずっと教育の場において自身の将来を形成する機会の少なさを感じ続けていました。そんな状態でモヤモヤしながら大学生になり、中高生に自身の将来について考える機会を提供することができる企画を見つけ、自分も携わりたいと思ったんです。

ーーなるほど。3人それぞれの参加動機がよくわかりました。それでは次に、企画に臨む前の思いについてお聞きしたいと思いますが、その前に、簡単にUniculがこの未来人財育成塾の中で担っている役割を改めて教えてもらえますか?

宮部:この未来人財育成塾で僕たちが担当するのは大きく二つ、参加者である中学生の生活のサポートと、「講義振り返り」および「自分と向き合う」ワークショップの作成と運営です。これらを通じて、僕らが参加してくれる中学生のためにできることは、来て良かったと思ってもらえる場にすることだと思っています。
先ほど僕は中学3年の時に初めて「キャリア教育」というものを知ったと言いましたが、高校進学、大学進学にあたっても、あまりやりたいことがありませんでした。その際に自分自身にも、やりたいことを考える機会が少ない環境にも危機意識を感じました。ネームバリューとしての大学ではなく、やりたいことを考えて大学進学すべきだと思うし、そのために将来について考える機会の提供をしたいという思いでした。だから、どうすれば中学生に対して提供する価値を最大化できるだろう、と考え続けていたのですが、参加者としても企画担当としても未来人財育成塾に関わるのは初めてで、とっても苦労していました。

舩窪:私は3回参加したんですけど、それでもワーク作成は想像以上に難しかったですね。それでも、私が参加した未来人財育成塾を思い出しながら、当時担当してくださったチューターさんたちはどのような思いで行っていたのか、どうして楽しかったのか考えました。色々考えたんですが、それはきっと中学生と本気で向き合ってくれていたからだと思いました。そして参加してくれる中学生の中にはいろんな境遇の子がいると思うから、一人一人に寄り添って行きたいという思いでした。

鈴木:僕自身が「会津の中学生」だったのでわかるんですが、いわゆる地方の中学生って、自分自身で思っている以上に将来に対する視野が狭いんですよ。本当に。それこそ大都市や首都圏なら比較的様々な情報があったり、大学なんかについて知れる機会があったりはすると思いますが、地方の中学生はどんどん飛び込まない限りは掴めないじゃないですか。そんな子どもたちが、将来の可能性の幅に気づけないまま、ただ闇雲に学校の勉強に無表情で取り組むのはすごく勿体無いと思うんです。ぜひ未来人財育成塾に参加するからには、世の中の広さを知って欲しいし、その中で自分は何ができるのかを考えるために「自分と向き合う」ことを大切にして欲しい。で、そんな思いから、僕は子どもたちのために真正面から向き合い、ぶつかり合いたいと思って臨みました。

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▲最終日、グループ内での最終発表の様子。4日間の集大成です。

ーーそれぞれが実体験と合わせながら、自分にできる最大のことを考えていたんですね。では、そんな中本番を迎えたわけですが、無事に終えた今思う、素直な感想をお聞かせください。

鈴木:昨年サブリーダーとして参加したので、同じように一生懸命頑張れば今年も走りきれるだろうと楽観していたというのか、今思えば甘くみていたわけですが、サブリーダーとリーダーとでは全然違うということを思い知らされましたね。まずは無事に終了できて本当に良かったです。

ーーと、言いますと?

鈴木:予期せぬ事態ばかりで、自分の力不足を再認識しました。まず苦労したのが、大学生チューター集めでした。僕たちの知り合いづてに探してもなかなか集まらないし、公募を出しても声をかけてくれる人はいないしで。ようやく集まっても、僕たちがコミュニケーションを十分にとることができず、辞退を申し出されたこともありました。もちろん本番の立ち回りなども「ああすれば良かった」と思うことは多々あります。反省会の際にじっくり振り返りをしたので、今後の活動にしっかりと反映させていきたいです。

宮部:僕は本当に、中学生とチューターに助けられた4日間であったと思います。参加者の中学生は、僕たちのワークの趣旨を理解し、どうすればそのワークの効果を最大限に実感することができるか、自分たちで考えながら取り組んでいました。僕らから一方的に「教える」のではなく、僕らと参加者がワークの価値を共有することができたのは、中学生たちのそうした主体的な取り組みによるものだと思っています。また、大学生チューターは、中学生に一番近い立場で子どもたちの一挙手一投足に気を配りながら、どういった行動を取れば子どもたちの学びにつながるかを考え、動いていました。大学生チューターのみんななしでは、それこそ一方的に「教える」という時間になっていたかもしれません。そう思うと、僕たちは本当に中学生とチューターのおかげで、最後までやり抜くことができたと言っても過言ではないんじゃないかなって思っています。

舩窪:中学生の時に参加して、すごく充実した状態で未来人財を終えられていたのは、運営してくださる方々の努力や想いがとても影響していたからなんだなということを身にしみて感じました。これまでは中学生側として参加してきて、運営として関わるのは今回が初めてですから、やっぱり緊張感がすごかったですね。期間中、中学生が本気でワークと向き合ってる姿を間近で見て、自分が参加していたころを思い出したと同時に、私の中の1つの目標であった「中学生に何かきっかけを与える」ということを改めて強く感じました。その目標が達成できたかと言われると、はっきり達成できたと言うにはまだまだ力不足でしたが、将来を考えるうえで、私たちの行ったワークが、少しでもきっかけを与えていたら嬉しいです。

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▲最終日の閉校式で挨拶をするグループチューターたち。
別れの感動に泣いている中学生もいました。

ーーなるほど。それぞれに反省もあるようですが、来年以降、より良い場を作ることができると良いですね。ありがとうございました。

鈴木:あ、実は本日、もう一つお伝えしたいことがあって。

ーー何でしょうか?

鈴木: 未来人財育成塾は2013年に始まって、今年で7回目ですね。それからUniculは3回目から関わらせていただいているので、これで5回目になります。本当にありがとうございます。これだけサポートをさせていただいている中で、今年初めての、すごく印象に残る出来事があったんです!

ーぜひ教えてください!

鈴木:なんと、中学生から閉校式でサプライズを受けてしまいました!

舩窪:今までは、大学生チューターから中学生にサプライズで手紙を渡していたのですが、中学生からのサプライズは史上初めてらしいです。子どもたちからもらった厚紙には、私たちリーダー陣や大学生チューターに向けてのメッセージがあふれんばかりに貼られていて……とても感動しました。

宮部:陸さん(=鈴木)、中学生にコメント求められたのに、泣いて何言ってるかわかりませんでしたからね(笑)。

鈴木:今思い出しても泣きそう...。準備期間は果てしなく長くて、辛くて、大変でしたけど、こうして中学生から面と向かって「ありがとう」を伝えられて、本当に頑張ってきて良かったなって思います。
たくさんの反省点はありましたが、「中学生が来てよかったと、心から思える場にすること。」というこの約束は果たせたのかな、と嬉しい気持ちです。そしてそこから、中学生に将来について考えるということのきっかけを与える一つの場になってくれれば、と思います。
そのために、Unicul Laboratoryとして、今後一層、一生懸命、より良い社会とより良い教育のために精進していきます!

以上で “あいづ未来人財育成塾2019” の振り返り記事は終わりとなります。
この記事で、未来人財育成塾とその裏側のありのままを知っていただければ、このうえなく幸せです!

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

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▲無事”未来人財”を完走しきったリーダー陣3人

いただいたサポートは、より多くの中学生・高校生に私たちのキャリア教育を届けるために活用させていただきます。ぜひ応援いただければ幸いです。