年収

20代は機会にこだわり、30代でお金に換える(ベンチャー20代の年収論)

今回はちょっとだけ生々しい話で、ベンチャーやスタートアップ界隈の若い頃、特に20代の年収論。場合によっては30代前半くらいまで。

これまた、いつもの私のnoteと同様、若いうちに大成功する人や、若い頃から超高年収のハイパフォーマーなど、劇的に優秀な人向けではなく、着実に一歩ずつ前進する、私を含めた「凡人(普通の人)のキャリア形成」にまつわるテーマと捉えていただければ幸いです。

また、あくまで私自身の主観であり、私自身の少ない経験や狭い視野を出ない意見である部分も多々あるかと思いますが、ご容赦ください。

20代での年収UP転職の誘いの多さ

私は20代~30代前半は上場後急成長ベンチャー~メガベンチャーのフェーズにいたWEB専業広告代理店のオプトで過ごしていました。

WEBの広告代理店は素直でまじめで、なによりストレス耐性の強い若者が多い(苦笑)ので、転職市場では、割と売り手市場だったりします。

フェーズによって、WEB広告代理店の人材をターゲットにする業界の移り変わりはありますが、例えば、ある時期はSNS系のモバイルメディアだったり、外資系の大手メディアだったり、ある時期はマスの広告代理店だったり、コンサル会社だったり。

WEBの広告代理店も平均年齢を考えると、給与の低い業界ではないですし、一般的に見れば、むしろ高めだと思います。

しかしながら、ビジネスモデル(利益構造)や規模も含め、WEB広告代理店の年収レンジよりも、さらに高い年収レンジの会社からの転職の誘いや、ヘッドハンティングの誘惑が、日常的に襲ってきます。

でもって、WEB広告代理店に限らず、特にWEB業界やスタートアップ界隈にいると、優秀な若者に対する、年収UPでの転職の誘いや、ヘッドハンティングというのは日常的にあるものだと思っています。

自分が管理職の頃は、そうやって転職していく若者たちと向き合いながら、たくさん見送ってきました。もちろん、転職してもっと幸せになれる人もいますので、ケースバイケース、価値観は人それぞれで、たくさんの例外もあります。が、私自身がずっと変わらずに思っていることを、綴ってみたいと思います。

100万~200万程度の年収UPをどうとらえるか

バブル状態の業界からのヘッドハントや、一時期のエンジニアヘッドハントバブルのような場合を除き、20代の転職の時の年収UP提示は、せいぜい、100万~200万円程度だと思います。350⇒400とか、450⇒550とか、600⇒800とか。

は?100万~200万円「程度」ってなんだよ?

って思う方もいるかもしれません。笑

確かに、20代のこの年収の変化は額としては大きいのものかもしれませんが、私が伝えたいと思うことは、「これと引き換えに捨てるものの価値」をよく考えたほうがいい。ということです。

20代の年収UP転職のワナ

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わざわざベンチャー、スタートアップ界隈に入ったのであれば、基本的には元々、志が高い人が多いと思います。

ですので、若い頃の年収UP転職は、この図のようなケースになるリスクがあるということは認識しておいた方がいいと思っています。

例えば、ベンチャーから20代で、同業の大手に引き抜かれる場合。

大体の場合が、優秀で出世コースにのっているような若者が対象になると思いますが、そういう人が大手に転職するとどうなるか。

20代で早々にマネジャーになった人が、100万や200万の年収UPで、一兵卒に戻る。せっかく若いうちに経営により近い層で仕事をできるチャンスがあったのに、歯車的ポジションに逆戻り。

みたいなことは多々あると思います。

ちなみにこの20代の凡人の転職における、100万~200万円の年収UPというのは「業界や市場(の利益構造)や企業規模による差」でしかなく、厳密には「自分自身の能力の正当な評価額の差」ではない(ことが多い)と思っています。

20代は機会や経験にこだわる

スタートアップやベンチャーにいるメリットは、たくさんあります。

・結果を出せば、仕事がどんどんレベルアップする。
・自らが志せば様々なチャレンジをさせてもらえる。
・チャレンジした結果の失敗が許される、時には歓迎される
・裁量が与えられ「決断経験」を若いうちから得られる
・若いうちから役職について、会える人もそれに伴い変わっていく。
・他社の現場の方と仲良くしていたら、お互いに出世して将来大きな仕事を一緒にできる。

などなど。

このような経験や、人とのつながりは何にも代えがたく、そして、結果的に、将来の年収アップにもつながります。

一般的には、

役職に対して、役割に対して給与が設定されているので、自分の責務以上の仕事をやるのはバカバカしい、ブラックだ。

という考え方もあるのも理解していますが、私は若いころは給与関係なく、どんどん視点、視座を上げて、いっこ上の役職の仕事をしてやろう、というつもりで、機会や経験にこだわっていき、自分の能力をどんど高めていくのがいいと思っています。

そして、それらが積み重なって、必ず30代でお金に換えることができます

20代で頑張ったら、むしろ30代は報酬にこだわっていい、むしろこだわるべきだと思っています。実績も残してきたのに30代で「やりがいあるんで、お金はいりません!」とかいうのはNGで。笑

自分が管理職や役員をやっていた時は「それ、メンバーを働かせるためでしょ」とか「辞めないようにするための打算的発言でしょ」って思われていたこともあったかもしれませんが、今は独立してたった一人になって、誰ともなんの利害関係もないですが、この思いは全く変わりません。

ベンチャー⇒ベンチャーの年収UP転職は??

チャレンジできる機会や環境は維持されて、かつ年収もUPの場合は?という意見もあると思うので、それに対してもちょっと補足しておきたいと思います。

以前、新卒入社後「3年は辞めるな」は正しいか?というnoteでも触れているのですが、若い頃は特に、会社固有の仕組みの理解や人間関係など、いわゆる「社内スキル」でもって活躍しているケースが多く、環境を変えても活躍するための「ポータブルスキル」ががっつり身についているケースは少ないと思っています。

それゆえ新しい環境で、思ったような活躍するまでに、また新しい「社内スキル」の蓄積に時間がかかって、せっかく成長できる20代の時間がもったいないというのもあります。

一つの会社で活躍するメリットは、結果を出せば出すほど、より自分がチャレンジしやすい環境が拡がっていくということだと思っています。

居心地がよくなってしまって甘んじる状況になってしまったらダメですが、周りが認めてくれている、会社に貢献していて、信頼が蓄積している状況であれば、チャレンジしたり、自分が成長するチャンスはむしろ外にでるより、大きい場合もあります。

であれば、一つの会社である程度がっつり実績を出して行く方が、将来の伸びしろはより大きくなるのではないかな?と思っています。

ゴリゴリのスタートアップや、規模の小さい会社にいるなら、会社が急成長したら、20代だろうと短期間で劇的に年収が伸びる可能性だってあるし、キャピタルゲインなどの考え方もあると思いますし、それらの未来を、目先の100万~200万円と引き換えにするのは得策ではないと思います。

最後に・・・

いろんなところで、よく聞く話だと思いますが、特に私含む凡人タイプの人間には「人生にもキャリアにも一発逆転はない」と基本的には思っています。

だからこそ、一歩一歩積み重ねていくこと、特に20代は目先の利益ではなく、自分自身に力と経験を蓄積しまくっていくことが、大事なことじゃないかなと思っています。

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