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2023関東大学ラグビー春季大会Bグループ:立正対筑波を簡単な数字で見てみた

みなさんこんにちは
連日投稿にも慣れてきた今本です

今日は5/21に行われた立正大学対筑波大学の試合をレビューしていこうと思います
えぇ、優先順位は独断です

それではメンバー表から

次にスタッツです

両校の特徴や勝敗に関わるところが出てきそうなスタッツですね
それでは順番に見ていきましょう


立正のアタック・ディフェンス

立正のアタックシステム

この試合に関してはポッド的に捉えるのは少し難しかったですね
9シェイプと10シェイプがうまく整備されていないシチュエーションが少し多く、人数で考えるのがうまくいきませんでした
逆にシェイプ的に捉えるにしてはSHやSOに入った選手に対してオプションが多いわけでもなかったので、判断に困るところです

あえて特徴を述べるとすれば、エリアによってはCTBがポッドの一員的役割を果たしている事でしょうか
もちろんスクラムやラインアウトからの1stフェイズではCTBの選手がポッドの頂点に立つこともあるのですが、特にAゾーンやフィニッシュゾーンと呼ばれる敵陣22m内のアタックでは9シェイプが増え、そのサポートの位置にCTBが立つことも増えていました

改善というほど偉そうなことは言えないのですが、少し9シェイプが浅かったような印象は受けました
そのため、急加速がそこまで得意ではないと思われるタイトファイブの選手がコンタクトの勢いを作る前にディフェンスラインとのコリジョンが起こったりと、意図しない位置でラックができていることもあり、トータルで見ると下げられてしまっていることも見受けられました

立正のキャリー

外国出身選手がいいスパイスになっていたというか、キーになっていたような印象です
特に13番のヴェイタタ選手のキャリーは手足の長さも相まってタックルに入りづらくオフロードを放ることも多かったのでアタックの中心になっていました

単純なキャリー数で言うと4〜5割程度が9シェイプでのアタックと、少しフォワードに偏ったアタック傾向かな、とは思います
もちろんリモリモ選手などFWにも強烈な選手も多く、その付近でゲインを図ったりアタックを組み立てようとする意思は見られましたが、少し9シェイプが浅いこともありうまく起点にすることはできていなかったように感じました

もう一点気になるところを挙げると「ハンマーに入るか、オプションになるかの判断」について述べておこうかと思います
ゴール前を中心に9シェイプの幅が少し狭くなり、サポートプレイヤーが頂点のキャリアーに近づいていきます
その中でただ寄り添っているだけの選手がいたようにも見えたので、そこまできたらハンマー=味方選手にバインドして2人がかりで押していくプレーを選択しても良いのかなとは感じました

立正のパス

統計的に分析するには少し母数が少なかったのですが、あえて傾向を述べるとすればキャリーでも述べたようにバックスライン上での展開というよりはフォワードを起点としたアタック・パスが中心となっているような印象です
約1/3がFWに近い部分でのパスになるので、そのように結論づけることも可能かと

とはいえ、SOからFWにキャリーさせるようなパスがほぼ見られなかったのも一方では事実です
狙ってやっていなかったのか、結果的にほとんどなかったのかはわかりませんが、10シェイプをフラットに当てるようなパス展開を持ち出しても面白いかもしれません

欲を言えば9シェイプを中心にしているからこそスイベルパスの精度や質を上げていきたいところですね
9シェイプの選手がバックドアと呼ばれるポッド裏の選手に対してパスを図るシーンは数度見られたのですが、足が完全に止まって相手に正対することがあまりできていなかったため、相手としてはそこを切る判断が容易であったように思います

立正のブレイクダウン

少しオフフィート気味の選手も多かったですが、基本的には原則に忠実に2人でオーバーを完結させていました
流石に全てのラックが2人以内で完結していたわけでもないので、アタックに人数を割くことができないシーンや相手に越え切られるシーンも何度か見られたのですが、極端に気にする必要もないかなとは思います

ディフェンス面で考えると少し淡白な印象で、後半になってようやくエンジンがかかってきたというか、後半で少しずつプレッシャーを与えるシーンが増えていたような気がします

立正のディフェンス

タックル成功率が気になりますね
相手にビッグゲインや大きめのゲインを許すことも多く弾かれるというよりは外される形でのミスタックルが多かったような印象です

ゴール前は耐え切ることができていたようにも思うので、中盤でのディフェンスエラーを減らせればまた違った展開に持ち込むことも可能かと思います

筑波のアタック・ディフェンス

筑波のアタックシステム

普段通りと言えば普段通りの9シェイプの人数や形に特徴のある1−3−2−2 or 1-3-3-1といった形ですね
バリエーションに幅のあるアタックが特徴です

自由度があるというか、選手の判断が担う責任の大きいスタイルなのかなとも思います
ハマるハマらないが結構顕著に出そうな気もしますが、今のところ(これまで分析した試合の中だと)天理戦以外はその自由度が良い方向に働いているような気がします

9シェイプと10シェイプに関してもグラデーションというか可変性があり、9シェイプの人数が足りていれば次のアタックの9シェイプに入ったり、足りなければ9シェイプの外側の選手として3・4人目として参加したりとバリエーションがありました
ただ、選手の判断負荷は高いと思うので、選手の戦術理解度やラグビーに対する理解度、広い視野がないと完成形を目指すことができない難しいラグビーだと思います

筑波のキャリー

相変わらず少ないですね
少ないって毎回言ってるような気がしますが、少ないものは少ないので許してください
前後半合わせてもキャリー数が50回に満たないチームというのもなかなかないかと思います
キャリーの種類自体はバリエーションがあるので、結果としてはキャリー対効果が高いということができるでしょうか

今のところキャプテンの谷山選手といったペネトレーターになる選手が欠場していたり、そもそものペネトレーターの母数が少ないこともありなかなか一発で相手を弾き飛ばすようなシチュエーションが見られるチームではないのですが、そういった選手が戻ってくる、もしくは育ってくると少し面白いことになってくるかもしれませんね

個人的な感想としてはコンタクト姿勢やハンマー・ラッチングといった技術が育ってくるとさらにいいラグビーになるかと思っているので今後も見ていきたいですね
まぁ、いずれにせよ見るんですが

筑波のパス

この試合に関してのみ言えば、SHに高橋選手、SOに楢本選手が一時的に戻ってきていたこともありバリエーションもパス距離も稼ぐことができていたように思います

これまで見てきた試合と同様に崩れたシチュエーションから細かくパスを繋いだりすることもあり、Otherの数が比較的多くなっていました
次いでバックスライン上での展開が多く…と言おうと思ったのですが後半はパスも少なくて判断に困りますね

基本的にフォワードでガンガン前に出るチームではないと思うので、細かくパスを繋いだり、ずらしたりしてゲインを図るチームだと勝手に認識しているのですが、今回はキャリーによるビッグゲインも続き、パスへの依存度は減ったような印象です

筑波のブレイクダウン

質が高いと言い切れるほどラックができていないので判断に困るところではあるのですが、数だけ見るとほぼ全てのラックを2人以下で完結させつことができているので、アタックに関しては良い傾向にあると思います

気になるところとしては少しサポートが遅れたり相手側に倒れ込むような場面も時々見られるといった点でしょうか
シーズン中どのようなレフリーの方が吹くかはわからないのですが、ここはレフリーの判断によって大きく変わるところでもあると思うので、伸び代ですね

ディフェンス時は適時プレッシャーをかけて適時捨てていたので、判断は良かったと思います
無駄にかけるシチュエーションはあまりなかったように感じています
また、タックルした選手が起き上がってそのままプレッシャーをかけてターンオーバーをしたりといい場面も多く見られたので良かったです

筑波のディフェンス

大まかには問題はないかと思います
しっかりダブルタックルができていて、倒れた後の起き上がりも悪くなかったので、ディフェンスラインの整備がちゃんとできていました
成功率も9割越えと良い数値かと思います

あえて言及するとしたら「相手のフラットなパスからのキャリーに弱い」ように見える場面がいくつか見られたところでしょうか
もちろん相手の動きに合わせてタックルすることができればベストであり、立正もそこまで勢いをつけてキャリーをするようなチームではなかったので、今回の試合に関してはうまくハマっていたと思います

しかし、先日の天理の試合などではフラットに走り込んでくる選手に対してうまくタックルを決めることができていなかったり、今回の試合では相手の走り込みに反応してオフサイドになってしまっていたりと少し弱みが露呈していたようにも見えました

元々受けに回ると押し切られる傾向にあるので、そこで如何に相手と同じ土俵に立っても負けない体づくり、スキル構築ができるかが今後のミソになってくるような気がします

まとめ

立正も何度も筑波陣深くまで攻め込んでいたのですが、少し決め手にかけるような場面が何度かありましたね
パスミスをしたりハンドリングエラーを起こしたりと取りきれないシーンがいくつかありました

筑波のようなトライ効率のいいチームと当たる時はそういったミスの積み重ねが最終的なスコアの開きにつながると思うので、効率化・精度を高めることをよくしていきたいところです

今回は以上になります
それではまた!



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