2023関西大学ラグビー春季順位決定戦:関西学院対天理を簡単な数字で見てみた
みなさんこんにちは
小ボケが見つからない今本です
今回は7/2に行われた関西学院大学対天理大学の試合をレビューしていこうと思います
小ボケは期待しないでください
まずはメンバー表から
次にスタッツです
結構露骨に差が出ましたね
小ボケを出さずに順番に見ていきましょう
関西学院のアタック・ディフェンス
関西学院のアタックシステム
いかんせんキャリーの回数自体が前後半合わせても30回強、そのキャリーもそこまでシステマチックではなかったことから判断は難しいのですが、基本的には9シェイプに3人、10シェイプに3人のオーソドックスなスタイルであったように思います
今回の試合ではアタックの時間が取れなかったこともあり、なかなか思っていたような展開に持ち込むことはできなかったのではないかと愚考します
実際、ゴール前ないしは敵陣でのラインアウトは何度か起きていますが、そこからトライまで繋げることができたのは恐らく一度きりだったと思います
それに関してもモールからのトライでしたしね
そういった点ではセットピースの中でもスクラムで優勢に立っていたのは極めて大きいことだと思います
とはいえ、ラインアウトでのエラー、被スティールが多かったのは恐らくチームでも反省点として上がっているのではないでしょうか
関西学院のキャリー
言い難いことですが、総合的に見ると天理にとってあまり脅威にはなっていませんでしたね
前半に至ってはラインブレイクがゼロと逆に珍しい結果となっています
天理のディフェンスが1対1を仕留め切るというスタイルだったことも相まって外で余らせることも難しく、外で勝負をすると外で1人に止め切られるという形になっていたのでなかなかしんどそうでしたね
ハンドリングエラーやターンオーバーなど相手にボールを渡してしまう機会も多く、なかなか継続することができていなかったのも苦戦した要因になったと思います
関西学院のパス
良くも悪くもOther Passが多かったですね
カテゴライズしにくいパスが多いともいえますが、セットピースやターンオーバーからの最初のパスをOtherに含んでいることもあり、フェイズを重ねることができなかったという予想にもなっていくかと思います
パスの質に関しても、もう少し欲を言えばあとちょっとレシーバーの手元に正確に届けたかったということが気になりました
この試合内でのパスでは味方の勢いを殺すようなパス、つまりは理想の位置より少し後に到達するようなパスになっているということです
ただ、9シェイプからのスイベルパスに関してはとても良いものを感じました
キャリアーがしっかり前に出て相手に正対しながら肩の可動域を生かして深くパスをすることができていたと思います
関西学院のディフェンス
少し被Defenders Beatenが多かったですね
また、天理のモーメンタムを受けすぎなような気がしました
選手によってディフェンスラインからどれくらい出るかがまばらなこともあり、味方内での意思疎通が図れていないような印象です
また、頭が下がって飛び込むようなタックルも散見され、ディフェンスのミスにつながるとともに危険性の高いタックルになってしまっていました
うまくバインドできれば相手の勢いを生かして楽にタックルすることができるとは思うのですが、なかなか肩でコンタクトする瞬間をタイミングとして掴むことが難しいこともありミスにつながっていたような気がします
失礼な言い方になってしまい誠に申し訳ないのですが、今回の試合をより良いものにするにするためには「ディフェンスラインを揃えて前に出る」「視線や頭を下げない」という基本の徹底になってくるような気がします
特に「視線や頭を下げない」という点に関してはタックルで生じる危険を低減させるためにも必須であると感じています
個人的には、新しいタックルに関するルールに沿って考えるとタックルはより低くなっていくことが予想されますが、それに伴い「結果として危険なタックル」が増えてしまうことを危惧しています
人間の体の構造上ある一定の高さよりも下にタックルに入ろうとすると必然的に頭が下がるか、相手の勢いをもろに受けて後方に強い勢いで倒れ込むようなタックルになることが考えられます
相手との接触で脳振盪が生じることはよく知られていますが、地面へのインパクトでも生じることを忘れずにいきたいですね
やめよう、危険なタックル
天理のアタック・ディフェンス
天理のアタックシステム
基本は1−3−3−1という形であると判断しても良いかと思います
優れたキャリアーであるサイア選手やヴァカタ選手にいかに良いタイミング・位置でボールを供給するかといった点に注目してみるとその面白さが見えてくると思います
そこまで注目しなくてもバンバン見所を作ってくれてはいますけどね
FWを当ててモーメンタム=アタックの勢いを生み出し、その勢いを殺さないようにテンポよくボールを繋いでいく様子は見ていてとても爽快でした
SHとSOの持ち出しと走り出しが極めて優れており、タイミングはバッチリで勢いそのままにアタックをしていたのがとても印象に残っています
今回の試合ではある程度組み立てながらトライを狙う様相を見ることができたように思います
筑波戦の時とは少し違った様子でしたね
また、ボールを受けにいく選手がアングルをつけて走り込む姿が見られたのも天理の今回の試合での強みの一つでした
詳細はキャリーの項目で述べていきます
天理のキャリー
外国出身選手が強烈なのは以前から感じていたことなのですが、この試合では総合的に見てどの選手に関しても力強さを感じることのできた試合展開でした
ボールキャリーの回数も多く、そのキャリーの多くでゲインを切る、もしくはアタックに勢いを与えるようなキャリーをしていたため、非常に見てて清々しかったです
特に先述したようにアングルをつける=中でも外からうちにかけて角度をつけてフラットに走り込んでくるようなランコースを選択するような選手が多く、関西学院はそのモーメンタムにかなり押し込まれていたように思います
アングルをつけたランの何が怖いかというと、基本的にディフェンスの選手はラックを視野に入れながらディフェンスラインを作らないとボールが出るタイミングがわからないので少なからず中央に向けて視野が広がっています
上手い選手は軽く首を振って自分がノミネート=タックルを狙う相手を視野に入れているのですが、その場面でラックに過集中してしまうと外から中央に向けて角度をつけたランが急に視野の中に飛び込んでくる形となります
なので、集中力に負荷がかかったり意識の範囲外からのランでディフェンスを切られるわけですね
天理の上手いところはそのアングルが決して鋭角すぎないところですね
例えばすごい遠いところから鋭角にアングルをつけて走り込めば良いかというとそういうわけでもなく、そのようにアングルをつけすぎるとそもそも縦軸=アタックする方向でのベクトルの大きさが小さくなってしまいます
さらにボールレシーバーが外のディフェンスの選手の視野に入ることで、外のディフェンスの選手がアングルをつけた選手を見て判断したり中の味方に声をかけたりすることができたりするわけです
天理はそういう点で考えると「外の選手がノミネートするほどでもないが内側の選手の視野の範囲ギリギリになる位置」からのアングルをつけたランに優れているということができるというのが今回の試合での感想です
天理のパス
天理のパスはどちらかというとSOの選手が起点となって組み立てているような印象を受けました
というよりも、先に述べましたがSHとSOのコンビネーションがとてもよかったですね
SHの北條選手の持ち出し方も絶妙で、相手にタックルされない位置でかつ前方向へのベクトルも含まれる少しの持ち出しをしてからバックスラインにパスを供給していたため、チーム全体にモーメンタムを生み出すことができていました
それに合わせる筒口選手も直立や立った状態でパスを受けることなく、走り込みながらちょうど良い位置でパスを受けていて勢いを殺すことなく外への展開につなげていました
また、後半でこそOther Passの割合が多かったですが、前半に関してはシステムに沿ったアタックができていたような印象で、シェイプ・ポッドへのパスやバックス展開をすることができていたように思います
天理のブレイクダウン
天理はキャリーが優れていることもあり、相手に対して優位な姿勢でコンタクトを完結させることができていたように思います
そこから生じるのは「ボールプレイスメント=ボールの置き方の正確さ」ですね
関西学院がそこまでプレッシャーをかけきれていない、また一回一回のキャリーで天理が前に出ていたことで関西学院は後ろに下がらなければいけなかったこともあり、受けたタックルに対して相手の上や奥にかけて体が倒れ込む形をとっていました
そのため、ボールキャリアーが比較的ボールを綺麗に置くことができ、かつ自陣側のSHの近くまでボールを供給することができていましたね
天理のディフェンス
大崩れすることはなく、基本的には1対1をきちんと倒し切るという形でディフェンスを構築していたように思います
ダブルタックルの回数自体は少なかったですね
関西学院のキャリー自体があまり選手間を抜けようとしたりするようなディフェンス2人に対峙するシチュエーションにならなかったこともあるとは思いますが
取られたトライに関してもビッグゲインをもたらすようなものではなく、ゴール前での意思疎通が図れなかったことから生まれたものであるように見えるため、システム上のエラーではなく試合に応じたエラーであると思われます
まとめ
ちょっと天理に寄った記事になってしまったような気がしているので、少なからず反省しています
やっぱりディフェンスに関しては観るのに技術がいりますね
アタックはいくらでも書けるんですけど
いくらでも書けるは盛りました
今回はここまでになります
それではまた!
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