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ドイツで動物保護をしている夫婦に聞いてみた

今回のインタビュー記事は、ドイツで動物保護活動をしているご夫婦に英語でオンラインインタビューしたものです。
そのため、
・英語から翻訳したのでちょっと翻訳調です!
・奥様ドイツ人、旦那様日本人、インタビュアー日本人で、英語でインタビューです。
・奥様と旦那様はリアルで一緒にいます。
・旦那様とインタビュアーで日本語で英語の意味の確認などを適宜しています。
です!

ドイツでの動物保護の実態、ドイツから見た日本のペット産業、そして二人の関係性など、様々な視点の盛りこまれたインタビューとなっています。
通常の「無名人インタビュー」同様、喋り言葉に重きをおいた編集となっております(と言っても、翻訳なので言い回しは再現できてないですが)。
いつもとは一味違ったインタビュー、どうぞお楽しみくださいませ。
まえがき:qbc(無名人インタビュー主催・作家)

今回ご参加


初めてシェルターに入り、感動して「わあ、私もここで働けますか?」と聞いてみると、 職員さんが「もちろん、いつもボランティアは大歓迎です」と言ってくれたので、それ以来、毎週土曜日は朝からボランティアに行っていました。シェルターはかなり遠くて40分ほどかけて行っていましたが、本当に楽しかったし、かなり長い間、2年間はやったと思います。

🐳くじら:では、最初の質問ですが、動物愛護の具体的な活動についてお伺いしてもよろしいでしょうか? 

Vanessa:はい。現在、私たちは里親の犬を保護しています。ルーマニアではまだ殺処分が行われており、その数を減らすためドイツの動物保護団体がルーマニアのシェルターと協力しているのです。 多くのドイツの団体は犬たちを保護し、より大きな施設にして長期間収容するための資金を集めたりしています。 私たちはそのような団体と協力してルーマニアの野犬を保護し、家族を見つける活動をしています。

それ以外では、私たちはベジタリアンの生活をしていますが、これも動物保護の一環です。 肉は食べない、牛乳はなるべく使わない、卵は地元の農家から買うようにしています。 

🐳くじら:はい。

Vanessa:私たちの活動はこういうものです。以前はボランティアとして、ドイツのシェルターの手伝いもしていました。特に子供の頃は毎週末、そこに通っていました。 

🐳くじら:シェルターでの活動は、どんな内容ですか? 

Vanessa:誰もやりたがらない毛布を洗ったりなどの掃除とか、食事の準備とか。でも、私はとても若かったから、動物そのものにはあまり関われませんでした。子供が動物に関わるのは安全でない場合もあるので、動物たちの周りの仕事を私にやらせてもらいました。 でも、すごく必要な仕事でもありました。 

🐳くじら: シェルターは動物保護に使われている場所、という理解で大丈夫ですか。

クヴィオ:はい、日本でも保健所というか、捕まえられた野犬や飼えなくなったペットを連れて行く場所ってありますよね。そういうイメージです。

🐳くじら:動物保護の活動は政府が行なっているんですか。

クヴィオ:いえ、政府ではなく動物のために何かしたい人たちが集まったのが動物保護団体です。

🐳くじら:では、いつこのような活動を始めたんですか? 

Vanessa: 初めてシェルターでボランティアをしたのは13歳のときだったと思います。

クヴィオ:その頃ベジタリアンの生活も始まったんだよね? 

Vanessa:うん。本当はもっと早くからベジタリアンになりたかったんですが、母が許してくれませんでした。「そんなバカなことをしたら、ご飯を作らないわよ!」みたいな感じで怖かったので。 ベジタリアン料理のレシピ本とかもなかったし、難しかったんだと思います。だから母は、そういうのはダメ、みたいな感じでした。それで私は何年か我慢していたんですが、ようやく「よし、私は私のための料理を作るぞ!」と決めました。料理は作るけど、肉は食べませんと宣言して、それで15歳でベジタリアンになりました。 

🐳くじら: おお、ずいぶん昔のことですね。
ボランティアとして始めたこの活動を、今は仕事としてやっているんですか?

 Vanessa:私たちはまだボランティアです。動物保護でお金を稼ぐのはとても難しく、 公的な保護施設の職員でさえ賃金はあまりもらえていません。そして彼らですら、たくさんの犬を保護してその残りのお金はすべてその犬や猫のために使っています。
ただ、私たちがしているのはボランティアですが、お金を払ってもいます。 ここで里親として迎えている犬たちの食費も私たちが負担しており、月に50から70ユーロのお金を動物愛護のために払っています。

🐳くじら:わかりました。では本業のお仕事は何をされていますか? 

Vanessa:幼稚園の先生と保育園の保育士の資格を持っていますが、そこで働くのはあまり好きではなく、児童養護施設のようなところで働いているのが直近の仕事です。 家では犬を社会化し、職場では子供を社会化するという(笑)。 

クヴィオ:そうだね。ずっと同じことしてるね(笑)。 

🐳くじら: でも、以前パートナーのクヴィオさんから、この活動をするために地方に住んでいると聞きました。 

Vanessa:そうですね、すごく田舎に(笑)。私たちは広いスペースが欲しくてここに引っ越してきましたが、実は広いスペースはあまり必要なく、本当に望むなら都会でもこの活動は可能です。 
でも、シティの部屋は2人用で、彼(クヴィオ)が引っ越してきて3人暮らしになったのでとても不便に感じて。

クヴィオ:私も日本では4畳半に住んでいたのに、今は140平米の家に住んでて、ちょっと手狭だなと感じ始めている自分がいます(笑)。

Vanessa:なんで!?空いている部屋があるのに!(笑) 

クヴィオ: でも、 ここには音楽室がないんだ。 

Vanessa:空いている部屋使えばいいじゃん!(笑)

クヴィオ:(笑)わかったもうこの話はやめよう。

🐳くじら:(笑)。では13歳のころから動物保護に関わっていたとのことですが、そこに興味を持ったきっかけなどについてお聞きしていいですか。

Vanessa:生まれたときから動物にとても興味があったし、動物全般が大好きでした。幸運なことに両親も動物好きだったので、いつもたくさんのペットを飼っていました。犬や猫、ネズミやラット、フェレットやオウムも飼いました。 
もちろん全部を同時に飼っていたというわけではありませんが、そのおかげでいろんな動物を知れたし、動物が大好きになりました。私は動物について学んだり勉強したりするのが大好きで、いつも動物と一緒に働きたいと思っていました。
 
そして、ドイツでは学校祭でお金が集まると、いくつかの団体に寄付されます。私の先生は地元の動物シェルターに寄付することを決めて、先生と友達と一緒にシェルターに行ってお金を渡しました。初めてシェルターに入り、感動して「わあ、私もここで働けますか?」と聞いてみると、 職員さんが「もちろん、いつもボランティアは大歓迎です」と言ってくれたので、それ以来、毎週土曜日は朝からボランティアに行っていました。シェルターはかなり遠くて、40分ほどかけて行っていましたが、本当に楽しかったし、かなり長い間、2年間はやったと思います。私はまだ子供だったのでティーンエイジャーのホルモンが分泌されて、寝るのが大好きになったのでしばらく行かなくなりましたが(笑)。
その後、17歳のときに、またボランティアとして何ヶ月か働きました。それから妊娠して、自分の生活を少し整理する必要があったのでしばらくはそういう活動を止めていました。 

クヴィオ:整理というのは?

 Vanessa:その時期が学校の最終学年で、しっかり勉強しなければならなかったからです。そして子供が生まれ、引っ越しをし、仕事の勉強をしなければならなくなり、色々なことが重なって、生活が落ち着いてきてからまた活動を始めることができました。初めはハンディキャップのある犬を引き取り、その後犬を保護するようになり、どんどんと精力的に活動するようになりました。

🐳くじら:その働いていたシェルターでは犬のみの保護を行っていますか? 

Vanessa:いや、ドイツでは犬のみのシェルターはほとんどありません。  シェルターでは人々は動物を預けたり、時にはそのまま置いていったりします。そしてシェルターはそれを断りません。
ペットだけでなく、怪我をした野生動物も保護されています。 ハリネズミとか鳩とかフクロウとか。なにか困難な事があると、みんなそこに動物を連れてきます。 

🐳くじら:え、鳩でも?

Vanessa:そうなんです。野生動物の専門家のいるシェルターもあります。 私たちの住んでいる場所に近い場所に、巨大な鳩専門の保護ステーションもあります。

クヴィオ: とりあえず飼ったけど飼えない人とかも全然います。例えば、大都市のシェルターとかだと蛇を飼ってみたけど飼えない、という人もいたりするので。

Vanessa:ええ、たくさんいますよ。他には豚を飼いたいと思って飼ったけど、大きくなって、こんなに大きくなるとは知らなかった、シェルターに入れよう、となったり。 

クヴィオ:悲しいことに。

🐳くじら:シェルターは保護と同時に、飼い主も探しているんですか? 

Vanessa:そうです。彼らには安全な空間があり、定期的に食事が与えられ、治療も受けられる。 でも、シェルターで一番大切なのは、新しい家族を見つけることです。どの犬も一生シェルターにいるべきではありません。もちろん、その犬が5回も戻されて、ストレスがかかっていてケアが必要という理由でシェルターに留まる犬もいます。 そういうケースもありますが、ほとんどのシェルターにいる犬たちの家族を探しています。もちろん犬だけではなく他の動物も。 異国の動物でも、新しい飼い主が良い環境を与えてくれればちゃんと飼うことができます。 

🐳くじら:では、新しい飼い主が動物を飼うにふさわしい人かどうかも確認するのですね? 

Vanessa:そうそう、彼らは条件を満たさなければいけません。 

クヴィオ:ドイツってどんな動物でも法律上飼うことができるんですね。象を飼おうと思って、象にとって良い環境を作ることができれば飼うことができるんですよ。そういう基準に則った環境を準備できている飼い主だったら、家族として迎えることができるんですね。
ヘビとかもそうですね。キツネも結構毛皮にされたり、狩りをする犬のトレーニング用に飼われている場合があって、それはもうドイツでは禁止なので、そこから助けられたりすることもあります。キツネだったら大きな動物園みたいな檻が必要なので、そういう適切な場所を用意すれば、庭で一緒に暮らすことは可能なんですね。

Vanessa:野生動物であれば基本は野生に戻そうとするんですが、毛皮のためだけに繁殖されていたキツネは、野生環境では生き残ることができません。保護のための家が必要です。 彼らは保護シェルターにはあまりおらず、どちらかというと動物保護の会社に多いですね。 私の大好きな動物で、キツネを助けるのが最大の夢です。いつかキツネを保護したいです(笑)。 

🐳くじら:ドイツにはたくさんのキツネがいるんですか? 

Vanessa:はい、 キツネのいる森はたくさんあるんですが、世界中の国と同じように、動物たちは森で十分な餌を見つけるのに苦労しています。彼らは町に来て人間の生活圏に入ってくるので、ますます 彼らにとって危険です。餌が見つからなくてゴミ箱から盗もうとするので、人間は怒りますし、道路を走っていると交通事故が原因で死んでいるのを見かけることもあります。 

🐳くじら:日本にも同じような問題はありますね。

Vanessa:どこも同じだそうですね。 彼らの住む場所を壊してしまったから。 
でも幸運なことに、私たちが今住んでいる地域には森がたくさんあって、野原で幸せそうなキツネをたくさん見ることができます! 

(お二人が里親をしていたエラ。右がルーマニアのシェルターにいた時。
左がお二人と暮らしてから半年くらい)

これが、多くのペットショップが最初の1年で犬が死んだらお金を返すか、新しい犬を買ってもらうという方針を取っている理由です。子犬が不健康ゆえに死んでしまうということが、とても頻繁に起こっているのです。 

🐳くじら:日本のペットショップの問題点を聞いてもいいですか?ペットショップにはいろいろな問題があると聞きました。

Vanessa:ええ、ありますよ。何から説明したらいいのか難しいですね(笑)。 
まず、子犬というのは、少なくとも8週目までは母親や兄弟と一緒にいる必要があります。しかし 少なくとも日本のペットショップでは8週目でもう子犬を売り出しており、さらにその多くは8週未満で売りたがります。しかし実際には8週目は子犬が母親と一緒にいるべき最低ラインなのです。 
5週目までは健康な免疫系を作るために母乳を飲む必要があります。そして、6~8週目で社会性を学びます。でなければ母犬や兄弟は子犬に、他の犬に近づかない方法、噛まない方法、ぶつからない方法、自分の感情をコントロールする方法などを教えます。 それは子犬にとってとても大切なことで、母親から教わるのが一番です。
ですから、まず第一に彼らはミルクのために少なくとも5~6週間親元にいる必要があります。 そして2つ目の社会性は、犬が周りに迷惑をかけないマナーを学ぶことでもあり、母親だけでなく、兄弟や親との交流が必要です。また、時に父親も非常に厳しいので社会性を学ぶのにはとても良い相手です。
 そして、犬はとても社会的な動物だということ。一匹でいるべき動物ではないのです。ペットショップの多くは、犬を小さなガラスケージに一匹で隔離し、いつも明かりがついています。成犬は1日に14~16時間眠らなければならないし、子犬のうちはもっと眠る必要があります。なのに、あのとても明るい小さなガラスの箱の中、多くの人が通り過ぎ、ガラスをたたいたり覗き込んだりする騒々しい環境にいます。 
ペットショップの前を通ると、子犬たちはずっと動き回っていて、寝ている子犬は見かけませんでした。休むことができないのはとても不健康です。調べてみたら、最初の8週間で26,000匹の子犬が売られる前に死んでいます。 
彼らはとても不健康な環境で飼育され、とても粗末に扱われています。26,000匹のうち15,000匹は子犬メーカーからペットショップへの輸送中に行方不明とあります。つまり死亡しているということですが、そのように報告したくないのでしょう。 
そして、生まれてすぐ死んだ子犬の数はその数には含まれておらず、その数は未知数です。このような繁殖では健康かどうかという選別は行われません。なぜなら、ただかわいいだけというのは、ほとんどが不健康だからです。 
純粋な色で、白や灰色の子は非常に不健康です。丸顔で鼻が短いブルドッグ、フレンチ ・ブルドッグ、パグは呼吸するのもやっとです。もちろん輸送中に死んでしまう子も多いし、成長してもさらに変形が進むだけなんです。チワワは頭がとても小さくなってしまうので、いつも頭痛に悩まされ、痛みを感じながら成長します。
 彼らはみんなとても可愛いのですが、同時にとても不健康で、苦しんでいます。

これが、多くのペットショップが最初の1年で犬が死んだらお金を返すか、新しい犬を買ってもらうという方針を取っている理由です。子犬が不健康ゆえに死んでしまうということが、とても頻繁に起こっているのです。 

誰も彼らの健康を気にかけていませんし、知りません。子犬の社会性が行動に影響する点はもっと大きいですが、8週間以上、まれに12週間まで待ってから売られることがあっても、あまり売れないのです。 28%の売れなかった犬が殺処分されています。私が持っているのは2010年の古い数字ですが、きっと増えています。 

つまり、売れる前に死んだのが約4万匹、売れなかったために死んだのが約40万匹ということになる。その中間に売れたものが少し。 これは本当に大きな問題だと思います。短鼻犬や頭痛持ちのチワワを飼うと動物病院代がかなりかかるし、何度も通わなければなりません。 成長してから呼吸ができるようになるには、手術が必要なことが多いのです。

ドイツでは犬をいろいろな場所に一緒に連れて行くことが多いため、犬の社会性の問題の方がより大きな問題となっています。 
日本では大きな犬であっても室内にいるか繋いでおく場合が多いですよね。 

もし犬がそうやって孤立して社会化されずに育ったら、一緒に散歩に行くと何にでも吠えるようになります。噛み癖がついたり物を壊し始めたり、 見知らぬ人や環境に対してすごく攻撃的になることもある。見たことのない新しいものに対してとてもとても怖がります。
ダックスフントのようなとてもかわいい犬種を飼っていてもトレーニングをしていないと、自転車の運転手やジョギングをしている人を追いかけて走り出すことがあります。 自分をコントロールする方法を知らないのです。これは室内で飼うのが多い日本では軽視されがちですが、ドイツではありえないことです。 ドイツでは犬を連れ出さないのはとても残酷なことであり、法に反するという理由で犬を取り上げることができます。 だからとても重要なのです。 

しかし、こうした社会的な問題は非常に大きな問題で、私は一匹たりともこのような経験をして欲しくありません。1歳を過ぎてしまうと、これらのことを学ばせるのはとても難しくなるため、それまでに環境と社会性を学ばせる必要があります。 母親と一緒にいる最初の8週間は、その土台を作るのに最も重要な時期です。そのため、家族の中にいることがとても重要なのです。

クヴィオ:僕たちが飼っている犬もおそらく小さい頃に売りに出された子達だから、そのあたりが大変だったりするよね。

🐳くじら:しつけがそもそも大変になる、ということですか。

クヴィオ:そうですね。あと何も知らない状態で急に外の環境に出されるのは犬にとっても大変なので、幼い頃に社会性を身につけて、その後飼い主がきちんと外に出してあげて学ばせてあげるというのが大事、ということですね。

🐳くじら: ドイツでは絶対に犬を外に連れて行かなくてはいけない、という法律があるんですか。

Vanessa:ありますね。ただ、ドイツは犬にとって良い法律を作ろうとしたんですが、外に出すべきと定められた時間はまだ20分だけなんです(笑)。全然足りないんですね。 

クヴィオ:大きい犬から小さい犬まで一括で20分としてしまったので、うちで飼っている大きめのコリーとかだと全然足りないですね(笑)。

Vanessa:努力はしたんでしょうね(笑)。たぶん、年月が経てば経つほど、もっと良いものに変えられると思います。 

🐳くじら:正直に言うと、ペットショップの恐ろしさについて私は全く知りませんでした。 

Vanessa:はい、だからこの話をできることを本当にうれしく思います。

クヴィオ:そうだね。

🐳くじら:でも、ドイツ人は日本人以上にこの状況を知っているのでしょうか。

 クヴィオ:多分これに関してはデータというより、自分の感覚になると思います。日本の現状を知ってる? 

Vanessa:いいえ。なのであなたがどう思うか話してくれる? 

クヴィオ:そうですね。日本にもドイツにも知らない人はいるし、問題意識を持っている人もいます。ただ、ドイツの人は犬を飼う人が多いので、知らないままでいようという人の割合は、少し低いような気はします。飼うってなって、じゃあなんか知っておこう、という風になる率は高いんですね。特にドイツ人って議論が好きなので、散歩中に犬を見かけたら先輩の犬の飼い主みたいな人が普通に話しかけてきたりします。そういう人の関心という面ではドイツの方が高いような気がします。

🐳くじら:犬のオーナー同士で情報交換が盛んだったりするんですか。

クヴィオ:そこまでではないにしろ、犬を連れて歩いていたら絶対に顔見知り程度にはなるので。そこから話したりするときもあるし、あいつ全然犬の扱いがなってないな、と他の飼い主同士で話したりもしますね。

 Vanessa:また、ここドイツやスイスでは、犬に関する科学的知見が非常に高まっているという事実もあります。昨年では犬の行動学、遺伝的欠陥や繁殖に関する科学、これらすべての研究が進み、その知識をしっかりと学んでいるドッグトレーナーが多くいます。もちろん、悪いドッグトレーナーもたくさんいますが、 良いドッグトレーナーは行動学だけでなく、犬種に関する遺伝学、繁殖や心理学についても膨大な知識を持っています。 
ドイツでは現在、32%の犬が動物保護団体から引き取られ、残りはブリーダーから引き取られています。 だから、少なくとも犬にセカンドチャンスを与えるという点に関心を持つ人は多いです。 

🐳くじら:日本にはまだたくさんのペットショップがあり、この問題はまだ普通に起きています。このような状況について、私たちは何を知り、行動や知識を変えるべきだと思いますか? 

Vanessa:まずは、現状を知って欲しいです。ペットショップでは理想のペットを見つけることはできません。様々な問題のある子たちを、それでも愛するかもしれません。私たちもそうです。環境の良い場所で飼えば、問題は少なくなるかもしれません。 
ここドイツには、犬を売る最後のペットショップがあります。何とか存続しようとしていますが、数年のうちに無くなるでしょう。小さなガラスの箱に入れることはしていませんが、病気や適切な治療がないこと、親元から早くに引き離され、他の犬からも孤立しているなどの多くの問題は残されたままですから。 

しかし、知っておかなければならないのは、たとえ可愛くても、あるいは売れなければ死んでしまうとわかっていても、買ってはいけないということです。彼らはあなたが買うことで助けられるわけではありません。代わりに保護施設に行けば、新しい犬のためのスペースを作ることができます。 
保護施設に行く人が増えれば、ペットショップから犬を救うスペースが増えます。そして、ペットショップの犬を売る数が減れば、犬をあまり扱わなくなり、どんどん減っていくでしょう。 それこそが、ペットショップを止めるために皆が目指すべきことです。

子犬が欲しいなら、良いブリーダーを見つけてください。 たぶん日本ではちょっと難しいけど、ちょっとリサーチして良いブリーダーを見つけることもできると思います。かわいい子犬を飼うのにペットショップなんて必要ないです。 
子犬は1年間はかわいいけど、その後は普通の犬と同じだから、自分が本当に子犬を飼いたいのかどうか考えてみてください。最初の2年間はずっとしつけをする必要があります。子犬の時期はすごく疲れるし、その後ティーンエイジャーになって、それもすごく疲れる。 実は、2歳や3歳の犬を飼う方が遥かに楽なんです(笑)。子犬を飼う場合、子どもだからいろいろな問題を起こすわけです。でも成犬を飼う場合は、何が問題なのかすでに分かっているので、とても簡単です。 
ああ、あの犬はリードを引っ張るけど、他は大丈夫、みたいな。

クヴィオ:欠点がわかっていれば問題も対処しやすいしね。

Vanessa:子犬がかわいくても、そのかわいさも終わってしまうし、しつけの大変さに比べればあまり価値はないです。老犬も、子犬も、ティーンエイジャーの犬を飼うことも全て経験しました。成犬は楽ですよ! 

🐳くじら:知りませんでした。

クヴィオ:さっきティーンエイジャーと言っていましたが、犬にも思春期があって、飼い主の言うことを聞かなくなるんですね。子犬の頃はわからないから聞かないし、聞くようになってきた、って時にまた思春期がくるので、飼い始めて2年間は大変なんですよね。
施設から成犬をもらうのであれば、施設の人はもう犬の性格を知っているはずなので事前に教えてもらえますし。


一番いい方法は、自分の生活や状況に合った犬を見つけることです。もし5人の小さい子供がいるのなら、ダックスフントはあまり飼わない方がいいかもしれない。

🐳くじら:噛み癖のある犬が戻されてしまうというケースを見たことがありますが、躾の方法というのは、ドイツでは浸透しているんですか。

Vanessa:噛み癖というのは色々な理由があるので。これは非常に大きなトピックですね。幼少期の社会性、環境の悪さが理由の場合もあります。そうなると躾は少し難しくなり、忍耐が必要になります。 でもやめさせるトレーニング方法はありますし、ほとんどすべての犬で可能だと言えます。なぜ噛むのか、その理由を知る必要があるので、絶対このトレーニングをしないといけない、とは言えません。 不安、恐怖、攻撃性、食べ物を守る、おもちゃを守るなど、理由はたくさん考えられます。

状況に圧倒されていて、お願いだから放っておいてくれ、と伝えようとしても人間がどんどん近づいてきて、噛むことが唯一の自分を守る方法になってしまったり。個々の事例から、あれとこれをしなければならない、と推測することはできますが、一概にこうすれば噛まなくなるという方法はありません。噛み癖は子犬の頃に身についた社会性によって、しつけが難しくなったり、簡単になったりするからです。 

日本でダックスフントが売られているのは、小さくてかわいいからという理由が多いですが、ドイツでは噛まれる率が一番高い犬の一つです。彼らはかわいい小さな家庭犬ではなく、品種改良された超乱暴なヤンキーみたいなものです。猟師と一緒に森で狩りをするために繁殖された犬種です。穴の中で自分より遥かに大きい穴熊と戦い、捕まえ、引きずり出し、猟師が仕留めるというのが彼らの仕事です。だから、彼らはとてもタフなんです。
家の中では、ダックスフントはよくおもちゃやおやつをソファの下やテーブルの下で噛んだりしています。 彼は穴の中で戦っていて近寄らない方がいいんですが、それを知らない子供が撫でようとして、噛まれてしまう。これはごく普通に起こるケースです。 それは彼らにとって当然のことです。彼らは穴の中で自分の仕事をし、喜びを感じているのだから、それを邪魔してはいけない。そして、犬ではなく、子供に注意しないといけません。このような状況で噛んだとしても、犬には何の落ち度もないからです。これはダックスフントの例ですが、おそらく多くの人が経験したことでしょう。 犬が噛む理由は千差万別ですが、トレーニングは可能でもあります。 

🐳くじら:犬にとっての事情を理解しないといけない、ということですかね。

クヴィオ:犬の性質だけでなく個性、理由を理解しないときちんとした躾はできない、ということですね。犬の噛み癖について聞くと、悪いトレーナーたちは、こうすれば噛まないだろう、と言うかもしれないけどね。 

Vanessa:うーん、あんまりその話はしたくない(笑)。でも、トレーニングで進歩がなかったり1年間何も変わらなかったりしたら、それはトレーナーとして失格かもしれない。 

クヴィオ:日本だとネットで調べて試してみて、ダメだったら諦めてしまうようなイメージがありますが、ドイツだと根気強くやる人が多いので。Vanessaに関しては解決までしないと気が済まない人ですね(笑)。

Vanessa:犬のしつけについては、犬の性格や性質を常に考慮する必要があります。犬によっては、絶対にやめられないものもあります。例えばダックスフントの戦闘を好む性質が強ければ、テーブルの下で物を噛むのはやめられないでしょう。 そうすると、あなたの解決策はテーブルの下に行かせないことです。もしくは、子供が近寄らないようにする。 このように、噛む癖は止められないけど、そのような解決策や妥協点を見つけられるはずです。どんな犬でも、あなたが努力すれば良い家族になれますよ。 

🐳くじら:彼らの問題行動を防ぐ方法はたくさんある、ということですか。 

Vanessa:ええ、その通りです。でも、一番いい方法は、自分の生活や状況に合った犬を見つけることです。もし5人の小さい子供がいるのなら、ダックスフントはあまり飼わない方がいいかもしれない。
シェルターで働く人たちに聞けば、あなたの状況にはどのタイプの犬が必要か教えてくれるはずです。たとえシェルターで犬を引き取るつもりがなくても、彼らは犬を保護施設に戻したくないので助けになってくれますよ。

もう一度言います。もしあなたが子犬を探していて、どんな犬がいいか保護施設に行って聞けば、彼らはあなたに教えてくれるでしょう。 それが彼らの仕事かどうかはわからないけど、自分の仕事を愛しているなら、きっと助けてくれると思います。

クヴィオ:もちろん、それで困った犬の数は減るしね。

Vanessa:そうそう、犬を飼い始めてからいくつもの問題が起これば、だれにとっても大変ですから。 
日本のシェルターでは、人々は現状を変えたいという強いモチベーションを持っているはずです。もし人々がそこに行って、私はすごく犬を飼いたいのですが、どんな犬が良いのでしょうかと尋ねれば、協力してくれると思います。 

クヴィオ:詳しく調べていないのではっきりとは言えませんが、日本でよく言われるシェルターというのは保健所のようなところで、そこの職員がいろんな活動をしているかどうかはわかりません。あまりいい環境でないのは「しっぽの声」という漫画で描かれていました。なので市の運営ではなく、動物愛護団体が運営しているシェルターの方がいいと思いますね。 

Vanessa:そうです。市の職員の場合は、彼らは自分の仕事を行なっているだけだから。その活動に精力的な人でなくちゃいけない。だから動物保護団体の方がいいと思いますね。ここドイツでも同じく、どのシェルターも動物保護団体が運営しています。

🐳くじら:私も保健所に行ったことはないですね。

クヴィオ:普通の人は知らないんですよね。だから今度日本に帰った時にちょっと見てこようかなと思うんですけど。やっぱり動物愛護団体のシェルターはその団体のお金で運営されているので、自然とモチベーションの高い人ばかりが集まるんですよね。団体もそういう人ばかりを雇おうとしますし。

🐳くじら:少し時間が迫ってきたんですが、動物愛護についてこのインタビューで話したいことは十分話せましたか? 

Vanessa:とてもとても多くのことを話せました。本当にありがとう。 

クヴィオ:また次のインタビューで話せるかもしれないしね。

政府に疑問を持たないというのはとても日本人的だと思う。ドイツ人は戦後、常に政府に疑問を抱いてきました。 

🐳くじら:では、違う国からきたパートナー同士でこのような活動をされている、という点についてお聞きしたいと思います。
2人でこのような活動をする良い面とそうでない面は何ですか?

Vanessa:まず、夫には知識がないから、たくさん説明しなければならない。

クヴィオ:そうだね(笑)。

Vanessa:私たちはゼロからスタートし、今では3年間一緒にいます。 
それでもまだ一緒に何かするときは説明しないといけない。その度に「話聞いてた!?なんでまた間違えるんだろう?」となる(笑)。とはいえ全部間違えているわけではないし、愛してますよ!(笑) 

クヴィオ:申し訳ないと思っている(笑)。でも、ご存知の通り、僕は日本人として、そんなこと考えたこともない。わかりますよね?ペットショップでも、こんなに残酷なことが行われているとは思いもしませんでした。 

Vanessa:日本人の彼と付き合っていく上でとても難しいのは、彼が常にそれをさも知っているかのように言うことだと思う。例えば、食肉の製造工場について話したとき、彼は「そうなんだ、でも日本ではそんなことはないんだよ」という。 でも調べてみたら日本の方が酷くてショックを受けていました。
鯨狩りの話をしたとき、彼は「それは科学のためで、日本人はその残りを食べてるだけだ」と言っていたけど、それもきちんと調べる必要がある。また、プラスチックストローを止める理由として海に捨てられるのを防ぐため、と言うと彼は「日本ではゴミは全部燃やすんだ」と言っていたけど、日本のゴミがどれくらい海に落ちているのかの統計を調べるのに、2分しかかからりません。
こういう事がすごく難しいなと感じます。彼は政府の言うことを全て信じているから。

クヴィオ:日本政府が発表していること以外、知る機会がないんだよ。 

Vanessa:いや、でも機会はあるよ。調べればいいだけだし、2分もあれば実際には何が起こっているのかわかることもある。でも、あなたはいつも「日本ではそうではない」っていうけど、実際はその通りなんだよ!

クヴィオ:それはとても恥ずかしく思ってるよ。ごめんね 。

🐳くじら:パートナーが何も知らないということにイライラするんですね。

Vanessa:そう、彼は政府の言うことに疑問を持たないんです。政府は日本はアジアで最高の国だと言っているが、実際は他と同じですよ。他のどの国とも。

クヴィオ:最悪ではないけど、良くもない、というのが分かってきました。

Vanessa:そう、ドイツのゴミも海に流されています。でも、なぜあなたの島国は海にゴミを捨ててないと思うの?なぜそれを考えないんだろう(笑)。

クヴィオ:でも、私の祖父母は逗子に住んでて、時々浜辺のプラスチックゴミを集めてたんだよ。それはつまり、かつて海にあったはずのものなんだ。 

Vanessa:その通り!笑 

クヴィオ:今はそんな風に考えることはできるけど、考えたことは無かったんだよ。 

Vanessa:政府に疑問を持たないというのはとても日本人的だと思う。ドイツ人は戦後、常に政府に疑問を抱いてきました。 

クヴィオ:疑問だけでなく、不満もたくさん言うよね。 

Vanessa:そう、私たちは不満も言うし、政府を憎んでいます。第二次世界大戦以来、私たちはいつも政府を批判しています。私たちはその点で全く違うなと思います。彼は政府が言うことは何でも信じますが、我々は彼らが言うことは何も信じません。 

🐳くじら:政府に対する根本的な姿勢が違いますね。 

クヴィオ:そうなんですよね。ドイツ人は常にファイティングポーズをしているんで。僕は日本人で、すべての人がそうとも思いませんが、基本的に政府が言ったことはそのまま信じていたので。最近はそうでもなくなってしまったんですけど(笑)。
多分なんでこいつ疑問に思わないんだ?って最初から思われていました。政府ってダメだろ、と思っている国柄なので。

🐳くじら:(笑)。

クヴィオ:いい面はある?

Vanessa:ないね!(笑)

クヴィオ:(笑)でもだからこそ、いろいろな視点を持つことができるっていうのはいいことなんじゃないかと思います。向こうも疑問を持たない人がいるんだな、ということは知れたと思うので。情報を鵜呑みにするのは良くない、ということを知れたので私は本当に感謝していますね。

🐳くじら:ヴァネッサさん、良いこと無いって言いました?

クヴィオ:(笑)

Vanessa:これはドイツのユーモアですよ(爆笑)。 

クヴィオ:確かにドイツ人のユーモアは真っ黒ですね。

🐳くじら:そうなんですか?

Vanessa:私たちはいつもブラックジョークを言うでしょ? 私たちは一番楽しいと感じているからです。 

🐳くじら:彼と出会って付き合い始めてから、何かが変わったと感じますか? 

Vanessa:基本的には変わりません。 私はもう完璧なので。 

クヴィオ:ノーコメントです。 

Vanessa:(爆笑)。
 私は過去の人生で多くの葛藤があり、自分自身を見つけるために多くの時間と努力を必要としました。今は自分にとても満足しているから、そんなに変わりたくないんです。とても頑固なんですね。
でも彼と出会って良い方向に変わったのは間違いないので、本当に感謝しています。 ありのままの私を受け入れてくれる人をやっと見つけました。ひどい人と言われてきたので無理だと思っていましたから。彼のそばにいるととても安心できるし、それはとてもいいことだと思う。 

🐳くじら:それは良かった。ポジティブな面を聞けてよかったです(笑)。

Vanessa:(笑)。

クヴィオ:それを聞けて嬉しいよ(笑)。 

Vanessa:時々、私も彼に優しくしますよ。誤解しないでくださいね!(笑)

🐳くじら:では、これが最後の質問になります。動物愛護の活動、そしてパートナーとしての、今後の展望をお伺いしたいです。

Vanessa:私たちの最大の夢は農場を持つことです。農場を持って、そこにいるすべての動物を救うことです。農業にも大きな問題があり、牛や豚や鶏も助けたいです。そして先ほども言った通り、私の個人的な夢はキツネを救うことです。それと、子供たちを救いたいですね。子供の里親にもなりたいと思っています。農場で育つのは子供にとってとてもいい環境ですし、生き物の世話の経験もさせてあげられますし。 
そういうことを、家族でやっていきたいと思っています。私の夢に付き合ってくれる人が見つかって、とても嬉しいですよ。 
もしかしたら、私たちがとてもとても年を取った時、10匹くらいの犬と一緒に暮らすかも知れません。しつけとか何もする必要はない、14歳くらいの超高齢犬を10匹飼ったりして。 
庭で10匹の超高齢犬と一緒に座って、ただゆっくりして......。

クヴィオ:マンガを読んだりね。

Vanessa:マンガはよく知らないけど、そうかもね。 

クヴィオ:あなたはネットフリックスを観たりね。 

Vanessa:でも、日本に住んだ場合、どうやってドイツ語のマンガを手に入れたらいいんだろう?難しそう。 

🐳くじら:ドイツ語のマンガなんですね。

Vanessa:あんまり日本語を学びたいとは思わないから(笑)。 

クヴィオ:それが僕にとって一番辛いかも(笑)。 

Vanessa:だって申し訳ないんだけど、日本語って難しいから。

🐳くじら:子供を助けたいって言うのは・・・

クヴィオ:我々は今は犬の里親をやっているわけですけども、いつかは子供を里親として迎えたいと思っていて。子供たちが養護施設で育つのは悪いことでは無いですけど、家族のなかで自分がどういう役割をするのか、というのは子供の成長にとって大切なんですよね。Vanessaは保育園、幼稚園の資格をもっているので教育学を勉強して、その際に子供の成長についても学ぶので。なので子供達を家族として迎えて、一緒に暮らす、というのは我々夫婦としてもやっていきたいなと思っているところです。

Vanessa:ええ、里親は養護施設で育つよりずっと良いです。犬と同じで(笑)。
家族で暮らして信頼関係を築くことができるから。

🐳くじら:人間も動物も救いたい、という。

クヴィオ:やっぱりなるべくみんなが幸せになってほしいな、と思うので。それこそ子供が悲しむ世界ってどうしても辛いものがあるので。犬もそうですよね。

Vanessa:私の仕事では、子供たちがそのような環境にいることで苦しんでいる現状を知ることができます。暴力や性的な問題で彼らは家族から離れ、とても辛い思いをしています。
多くの場合、彼らはあまり家族が悪いと思っていなくて、戻りたがっています。多くの施設は8人程度の子供たちと、大人2人で暮らしているような状態です。どの子にも特別なニーズがあり、治療やあらゆることが必要ですが足りていません。 スタッフは毎日か2日に1回くらいは変わり、子供たちは大人と安定した関係を築くことができません。子供たちのグループと合わないからと、居場所を移動しなくてはならなくなり、その度にまた引っ越さなければならない。10歳ですでに7回引っ越した子もいます。 
毎回新しい友達、新しい家族、職員。一部の大人が彼らに酷いことをしてこうなってしまっただけで、彼らは何も悪くないのに。ひとつの場所に留まることができないから、難しい子というレッテルを貼られてしまう。それはとても良くないことです。

可能なかぎり、安心できる家庭を築きたいですね。 私は何が起こっているのか見ているし、見ているなら、それを無視することはできない。 

🐳くじら:動物保護と同じように、ということですね。

Vanessa:その通りです。我々は助けたい症候群ですね(笑)。 

🐳くじら:次はドイツの子供についての問題も聞いてみたいですね。 

Vanessa:ええ、もちろん。私は伝えたい情報でいっぱいですよ!(笑) 

🐳くじら:そろそろインタビューが終わる時間ですね。たくさんお話を聞けてよかったです。ありがとうございました。 

Vanessa:こちらこそ動物保護について話す機会をくださり、 ありがとうございました。

クヴィオさん単独インタビューはこちら!

あとがき

ペットショップ商法は問題があるとか、動物保護、養護施設の子供達など、なんとなく社会問題として認識はしているものの実情は全然知らない、という問題をドイツという遠い国の方からたくさん教えてもらいました。

今は情報にいつでもアクセスできる代わりに、自分が興味のあるもの以外にはあまり目が向く機会が無かったな、と実感する時間でした…。やはり、実際にそういった活動をしている人たちの言葉には現場のリアリティがありますね。

私の質問にそれぞれの視点から丁寧に答えてくださり、また日本語と英語が錯綜するインタビューだったため、お互いの理解のためにサポートし合うお二人の雰囲気も素敵でした。

今回は無名人インタビューを受けていただき、ありがとうございました。

【インタビュー・編集・あとがき:くじら】

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