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⑭海外の評価って気になる?[連載/ボクっ娘のなれの果て、還暦を迎える。]

インバウンドサイト制作の仕事もしていたので、外国人が日本のカルチャーについてどう思っているかちょっと気になる。
日本のアニメについての海外の反応サイトを見ていると結構おもしろい一方で、理解できない不思議の国ニッポンの文化について辛辣なコメントも昔からある。
でも、「そんな海外の意見なんかどうでもいいんじゃね?」とも思うのだ。
それでは、いくつかの例を。

1980年代、日本は未曾有の好景気。昭和40年代から育ってきたマンガというカルチャーがその頃には見事に咲いていたわけです。
子どもの読む物として大人に虐げられてきたカルチャーは、マンガを卒業せずにそのまま読者として一緒に育ってきた大学生やサラリーマンたちによって電車通勤のお友になっていた。
おもしろいカルチャーはいくつになってもおもしろいから当然だよね。
しかし、海外から見たら変なお子ちゃま社会に見えていたらしい。
「いい大人が通勤電車の中でマンガ雑誌を小脇に抱え、ラッシュをものともせずにマンガを読む姿は幼稚」と酷評されていた時期があった。

それが現在ではどうでしょう!

日本のマンガは世界中に輸出され、各作品は世界中にアツいファンが大勢いる。今では「MANGA」としてそのまま海外で通用する単語となっている。
ハリウッドが「ドラゴンボール」の実写版を製作公開すると、熱狂的なドラゴンボールファンのアメリカ人女性が「あんなの悟空じゃない!悟空はもっと可愛い!」と滅多斬り。
ドイツのファンたちの「進撃の巨人」調査兵団コスプレは本格的すぎるし、ロシアではマンガ家になりたい若者が増えている。
つい最近(2021年5月)では、フランス政府が文化芸術活動を資金的にサポートする「文化クーポンを無料配布」したところ、フランスの若者が日本のマンガを爆買いしている!

どうですか! 当時、日本の、マンガ好きサラリーマンや大学生を嘲笑っていた外国人どもよ! 日本のマンガはおもしろいじゃろう
これはゲームの世界にも言えることだと思う。
だから、「外国人がこう言ってた」「ああ言った」「だから、みんな気をつけよう」とか「恥ずかしいからやめようよ!」とイチイチ気にしなくたっていいわけですよ。
正解不正解はないはず。世の中が変われば、価値観も変わる。

やはりバブル期。お中元・お歳暮の廃止論です。
「欧米ではこんな無駄なことはせず、もっと合理的」と「お中元・お歳暮」がやり玉に挙がりましたね。
いいじゃん、お中元やお歳暮のお陰で日本の経済回ってるよ。

それから、包装紙の廃止論。
個人的には「包む」という考え方は大好き。
「大切な物は包む」という考え方をするのは日本人ぐらいらしい。
古くは、正倉院御物の収納用に宝物を包む布が発見されている。
「包装をなくそう」と言われてから数十年、大手百貨店の包装担当の職人技が世界に発信されて、絶賛されていた。
風呂敷だって、海外で「もったいない文化」が見直され、風呂敷がもてはやされた途端に日本国内で急に手のひら返された。
海外からの評価に惑わされてんなー(笑)。

近年では、日本の70〜80年代の都会派ニューミュージックと呼ばれたポピュラー音楽が「シティポップ」として、海外で非常に人気が高いという。古いレコードを漁りに来る外国人DJも多いようだ。
でも当時は、日本語の歌詞の中に突然登場する和製英語が「何言ってんの?」と外国人(や帰国子女)から大いに嘲笑われていた。
「意味分かんない」「そんな英語ない」ということのようだが、海外から嗤われると日本人も「ダサい」と恥ずかしくなることが多かった。
今の40代は当時子どもだったが、バブル期にすでに成人だと、かっこ悪い日本のポップスや歌謡曲より本場のROCKやR&Bに走って(逃げて)しまうのだ。嘲笑っていた外国人たちは無責任にももうおぼえていないと思う。
今や、外国人DJがシティポップを得意げに日本人の若者に紹介する時代に入ったのだ。

そして、あの頃のシティポップのテイスト(リスペクトだったり、新しさの追求だったり)で、新譜がリリースされるようになった。一周回っていいことだと思う。

よく見たら私のiPhoneには昭和やバブル期の香りがぷんぷんする曲が徐々に増えていっている。
SoundHound」は、家に居る時、外出時でも「聴こえてきた音楽が『コレ良い!』と思ったらアプリに聴かせて曲名とアーティスト名を教えてもらう音楽発見&検索アプリ。コレによって知ったお気に入り曲を気が向いたら購入するのだが、これで今年(2021年)も何曲か購入した。
それが見事にほとんど昭和とバブルの香りがする。

▼2021年リリースの新曲。ジャケットもバブル期を彷彿とさせるイラスト♪
ぷにぷに電機ずるくない? (feat. Kan Sano)』

▼お次は、元キャンディーズの蘭ちゃんがソロ初シングルをリリース。
これぞ、昭和歌謡の香り!蘭ちゃん、かっちょいい〜♪
伊藤蘭恋するリボルバー

▼深夜ドラマのOP曲かED曲か忘れたけど、急に頭の中にアレンジのフレーズが流れたので検索して発見。ちゃんと購入済み。1997年リリースなのでバブル期でもないけど、なんか「つぎはぎ」なシティポップな要素あり。このバンドのメンバーも他の曲も一切知らない。歌詞よりもスパイちっくなアレンジに惹かれる!
MOON CHILDESCAPE

▼オーサムシティクラブのこの曲! 2016年リリースだけど、バブル期の香りがするね!ところで「考えるな、感じろ」ってブルース・リー?(笑)
Awesome City ClubDon’t Think, Feel

さて、音楽紹介が続いてしまったけど、基本的に外国人の批判は聞き流した方がいいと思う。
先週、アメリカで大人気のロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平選手が英語を話さず、通訳を通していることに批判的な意見があった。あれ見て、日本国内では日本人の英語力のなさとか英語教育がなってないとかって話になりそう(いや、否定的意見なんて燃えてしまうほどの大谷人気だけど)。

でも、私は日本人は英語は上手くない方がいいと思う。
下手にペラペラだと謙虚さがなくなるし、態度がでかくなる日本人が多い。
日本に来た外国人から見て、日本人のおじさん・おばさん、お年寄りが可愛かったり、親切だったりするのはひとえに英語が話せない人が多いからだと思う。一生懸命伝えようとしたり、お節介焼いたり、照れてたりするのが可愛く謙虚に見えるのなら…それで関係が上手くいくのなら英語力はそのままで(笑)。
そして日本に関して、海外から褒められていることだけ聞いて喜ぶというご都合主義でいこうぜ!

さて次回は、原稿料を支払ってもらえず内容証明を送って大嘘つきを追い詰めた19年前のお話。それでは、また!
還暦まで、あと43日

▼ここ数日はコレが気に入っている。
BGM by DÉ DÉ MOUSE & TANUKINeon Lightの夜 feat. HITOMITOI』


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