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「黄色い家」ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(改訂)


One of the most beautiful things to do
is to paint darkness
which nevertheless
has light in it.

ゴッホの絵は生前、ほとんど売れませんでしたが、数少ない理解者の一人にゴーギャンがいました。

34才のゴッホは、不遇続きだったパリを離れて心機一転を期するために、地中海に面した南フランスのアルルに、一軒の黄色い家を借りて移り住みます。

そしてこの家で、多くの画家たちと共同生活を送る夢を抱き、多数の招待状を送ったのでした。

しかし、応じてくれたのはゴーギャンだけでした。

ゴッホはゴーギャンを待つ間、彼を歓迎するために一連の「ひまわり」を次々と描き、部屋に飾り立てます。

ゴーギャンは、約束を三か月も遅れて到着しました。

そしてしのぎを削るようにゴッホは37点、ゴーギャンは21点もの作品を描き上げます。

しかし、二人の共同生活は長く続きませんでした。

互いに異なる芸術観とそれぞれの強い個性がぶつかり、ある日激昂したゴッホは自分の片耳を切り落とす騒動を起こします。

そしてゴーギャンは黄色い家を去り、二人が会うことは二度とありませんでした。

僅か二か月あまりの激しい日々でした。

しかし、その間に生まれた作品たちは、今も鮮烈な光芒を世界に放ち続けているのです。


美しい景色を探すのではなく
景色の中に
美しいものを見つけよう

Don't look for the beautiful scenery.
Something beautiful 
is found in the scenery.


ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(1853- 1890 オランダ・画家)
ポスト印象派(Post-Impressionism)を代表する画家として知られる。生前はほぼ無名だったが、後世に残る傑作を晩年の約2年半に描いた。「ひまわり」「自画像」「星月夜」などが有名。


2024.4.13
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