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義務教育段階での保健体育授業を考える~単元計画ー指導案-授業ー評価~(3)***授業の形は変わっていく。

体育授業のイメージ

 この記事に気づいてくださりありがとうございます。
 さて、あなたが受けた体育の授業はどのような物でしょうか。
 例えば跳び箱。開脚跳び6段が一つの目安とします。
1 とにかく高い段が跳べることがよい。
2 6段で固定、跳べればよい。
3 自分で目標を定めて、きれいに跳べるようにしていく。

それぞれの良さは?

 体育の光景を思い出す方もいるのではないでしょうか。
 どれが良い、悪いではなく、それぞれの特徴を知ることが大切です。
 どのようなメリット、デメリットがあると思いますか。特に運動があまり得意でない子どもを意識して考えてみましょう。


 

1 高さ至上主義

 これは、いずれモンスターボックスに挑戦しようという意識がある子どもは良いかもしれません。
 ただ、大部分の子どもは挫折します。
 また、低い段を挑戦している子どもを低く見る環境を作り出しているので、学級経営上も考える部分があると思います。

2 一定基準

 これは、6段という明確な基準があるので、評価としても分かりやすいという面があります。
 ただ、1番と同様にできるできないでの明確な線引きができるので、全員ができれば盛り上がりますが、できない子どもがいたときに、どのように励ますのかが課題となります。また、できないことも明確になるので、苦手意識を助長する可能性が高いです。

3 自分で目標設定

 これは、自分に合った高さで挑戦していく形です。無理せず、自ら決めた目標ですから、モチベーションも保ちやすいと思います。
 ただし、その目標が子どもの能力を高めるのに適切なのかが考える部分です。目標が低くできていることを繰り返していてもあきてくるのが人間です。
 

じゃあどうする?

 組み合わせる事です。
 授業は単元構成を考え、単元のゴールに向かって、子どもが能力を高めるように設定する必要があります。
 1時間の授業でも組み立てがあるように、1時間目と単元末では活動が異なります。授業の展開を考え、子ども達の学びをどのようにコーディネートしていくかが大切です。

学びの主体は?

(2)でもふれましたが、学びの主体は子どもです。
 子どもが跳び箱を通して何を学んでほしいのかを考えていくことが教師の役割です。ただ、教師の思いと子どもの思いはイコールではありません。
 子どもは良くも悪くも勝手に学びます。
 ただ、体育という授業で学んでほしいことがあります。それは、学習指導要領に示されている内容です。内容を確認し、単元プランを練り、子どもの学びのコーディネートをしていきましょう。

個別最適な学び

 人は個性があります。得意不得意があるのは当たり前です。
 それを前提に授業を考えると、教師が全てお膳立てするのは難しくなります。
 ではどうするか、子どもが何を学ぶかを考えることが必要になります。
 これは(2)「子どもが学ぶ場をどのように設定するか」につながります。
 教師が大枠を設定し、子ども達が場を構成するように考え動いていく。自らの学びを調整するように仕掛けをしていく。今後はこのような教師の在り方が多くなっていくと思います。

始めは試行錯誤。

 新しい試みは失敗が当然です。ただし、試行しないと検証もできません。PDCAサイクルと言われて大分立ちました。授業は失敗がゆるされないという気持ちでは、子どもも失敗できません。大人(教師)も失敗するのだという場を見せてこそ子ども達も失敗を恐れなくなると言えます。ただ、本気での失敗です。がんばることは次につながるのだということを示しやすいのは、体育の特質だと言えます。ぜひ、一人一人の個性を生かした授業づくりを意識して挑戦してもらいたいと思います。

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