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勧誘

この間の夕方、インターホンが鳴った。

画面に写っているのは、疲れた感じのおじいさん。

隣の部屋の人の親御さんと言っても、不思議じゃない、そこら辺にいる感じの人。

誰だろう?

すごい怪しいセールスな感じがしなかったので、インターホンに応答してみた。

「すみません、わたくし……(有名な某宗教)です」

(うわわわ。インターホン出ちゃった。。。)

「皆さんのご家庭のこと、将来への不安などの解決策をご提案できる活動をしておりまして、そのパンフレットをお配りしております」

(すっごいな!
そんな天文学的に解決策がありそうなのを、パンフレットで提案できるのか!!
宗教ってすごい!)

男性というか、おじいさんがしょぼししょぼと話すのを、半ば感心しながら私は無言で聞いていた。

「……あのう、いかがでしょうか」

あまりに私が無反応なので、不安になったのか、カメラ越しにおじいさん(勧誘員)は言う。画面いっぱいに、耳が映る。

返事が欲しいようだ。

(これも、同情を誘うとかの計算なのかなぁ)

「私はいらないです。ありがとうございました!」

と言ったら、

「そうですか。では、失礼します」
と言って、帰っていかれた。

本当に良心的な人だったのかもしれない。

勧誘してくれたその宗教はどうもなと思うけど。

丁寧な口調。疲れた風の普通の人。どこにでもいるようなおじいさん。

カメラ越しに見る限り、変な人には見えなかった。

このおじいさんもどこでどんな風に、その宗教にハマってしまったのか分からないけど、被害者なのかもしれないなあなんて、余計なことを思う。

でも、そういう風に見せることも、勧誘の戦略のうちなのかも。とも思う。

物腰の柔らかさにつられて、「そうなんです! 私、将来が不安で、、、」とうっかり話せば、こちら(宗教側)のもの。「パンフレット」は当たり前に入口に過ぎないので、もらってもらえたチェックが入れば、また違う日に、違う勧誘の人が来るんだろうな。「先日のお話の続きを……」とか。

怖。

別に特別な人じゃなくても、誰しも天文学的に難しく思える悩みを持っているものだ。

例えば、お腹のぷよだって、大事な問題。簡単に、さっくりスパっと脂肪をとる方法はないものかしら。

ないね。。。orz

解決策が他人から見れば単純(運動して、食べるものに気をつける)でも、本人が大変なら、それは大問題で、解決が不能なこともある。

今のご時世、将来が不安でない人は少ないだろうし、家族の問題を抱えない人も少ないだろう。

なにかの本で読んだけど、サザエさんや、ちびまる子ちゃんのお家は普通に見えて、日本的一般家庭に思えるけど、あのお家には、病人もいないし、介護の必要な人もいない。だからちっとも普通じゃないし、一般家庭でもない。家族のメンバーの誰かが欠けて、誰かが必死になって(物理的にせよ、精神的なものにせよ)家を支えているようなお家でもない。

否定するわけじゃないけど、サザエさんもちびまる子ちゃんも、ある特殊な理想的なお家であって、普通だなんて勘違いしたらいけない。と。

勧誘員が優しそうで、一見普通のおじいさんで、「いかがでしょう」なんて言う人というのは、たぶん計算なのだろう。段々そう思えてきた。

悩みに苦しんでいるとき、心が弱っているとき、優しそうな、そんな人が近づいてきたら、何も言わないでいられるか、誰にも保証できない。

狡猾だな。。。

宗教全てが悪いとは思わないけど、そういう風に心の隙間にするりと入り込むのは、良くないもの、と決まっているのは、どうしてなんだろう。

【今日の英作文】
「前は面白いと思えなかった本が、突然とても魅力的で夢中になれる本になることがあります。」
"Books that I can't find intersting at all before can suddenly change so attractive and amusing one.''

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