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SNS闇金の意外な落とし穴、¥15,000で全てを失った公務員の話


今日はちょっとアングラな話題です。


店舗を構えないSNS闇金

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近年増加するSNS闇金

闇金ではないと唄う業者や、

前金を請求した挙げ句、融資をしない

完済させてくれない業者までいるとか。

Twitterで個人融資というハッシュタグで検索すると
無数のアカウントが出てきます。

その多くが直近数ヶ月で作成されたもので、恐らく凍結と作成を繰り返しているものと思われます。

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ブラックリスト入りした公務員

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呼称をAさんとしましょう。

Aさんは区役所の公務員...でした。

Aさんは日頃の業務のストレスから衝動的に買い物や豪華な外食をするようになりました。
公務員という社会的信頼性からクレジットカードの限度額はもちろん、カードローンの審査も良好だったがために、自分の支払い能力を超える買い物をするようになり、やがて滞納、ブラックリスト入りへと陥りました。


人は、一度簡単に大金を手にすると、
金銭感覚が簡単に麻痺します。

返済をしない上に元々の給料をすぐに使ってしまう癖がついてしまいました。

公共料金...携帯料金の支払い...今日の食費...

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追い込まれたAさんは、SNS闇金に手を出してしまいました。

SNS闇金に手を出した公務員

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Aさんは、Twitterで見つけた個人融資アカウントにDMを送りました。

そのアカウントは、給料日と給料が確定していたらその範囲で融資ができるというそうです。

「支払いが間に合わなくて、10日後の給料日に返済するので融資をお願いできませんか」
「おいくらご希望ですか」
「¥15,000でいいんです、少なすぎますか?」
「額が少ないので、返済は倍の金額になります」
「ということは、¥30,000ですね」
「そうですね」
「分かりました。お願いします」

¥15,000の元金に対して、10日で¥15,000の利息
日雇いバイトでもすれば2日ぐらいで稼げる額をAさんは何も考えず借りてしまいました。

身分証、親の連絡先、区役所の連絡先、直属の上司の名前、全て確認された後、電話で返済の意思を確認されました。

給料の手取り額に対して、返済金額が無理のない範囲であり、確実なものであるとAさんは伝えました。

すると、

無理のない金額で
人生台無しにすることも
あるからね?


その言葉の重みに恐怖を感じ、絶対に返済しなければいけないと肝に命じたとのことです。


詐欺ではなく本当に融資された!

電話のやり取りから1時間も経たないうちに、
Aさんの口座にはきちんと¥15,000が振り込まれていました。
もちろん、知らない人の個人口座からでした。
入金確認を報告し、その¥15,000は大切に使ったそうです。

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きちんと完済させてくれた!

給料の振込を確認すると、Aさんは真っ先に、
闇金に返済の用意ができた旨を伝えました。

融資の時とは違う名義人の振込先が伝えられ、
すぐに¥30,000返済。

闇金から着金の連絡があり、無事に闇金との縁は切れました。

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見ず知らずの人間から金を借り、無事に返済して
何事もなく終わった。

Aさんは、そう思っていました...


お金の使い方を見直した公務員

闇金との取引から時が流れ、
Aさんはお金の使い方を改めました。

計画的に使うようになり、

滞納していた債務の返済も進み、ついに完済!

もう何も背負うものは無い、そんな解放感に、
Aさんは心底喜びを感じていました。


SNS闇金の意外な落とし穴

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ある日、Aさんの携帯に銀行から不在着信が入っていました。

融資の営業かと思い、断るつもりで折り返し電話をしたAさん。

その内容に、戦慄が走りました。

A様の口座のことで、確認したいことがございます。至急、銀行までお越しいただけますか?」
「はい、分かりました」

身に覚えのないAさんが銀行へ行くと、別室へ案内され、3人の銀行員がAさんの入出金記録を提示しました。

それは、

Aさんが¥15,000を借り、
¥30,000を返済した時の記録でした。

A様へ振り込まれた銀行口座と、A様が振り込んだ銀行口座の名義人から違法な闇金業者の被害に遭ったと警察に相談がありました。警察からの要請で確認したところ、あなた名義の口座との取引記録がありました。
正直に仰って下さい。あなたは闇金業者のグループなんじゃないんですか?
「いえ、違いますよ!私は借りただけです」
「あなたに振り込んだ人と、あなたが振り込んだ人、2人との面識はあるんですか?」
「私は、闇金に融資をしてもらっただけです。闇金業者でもなければ、関係もありません!」

銀行員からの疑念は晴れることなく、
待機していた警察官にAさんは被疑者として連行されました。

そうです

闇金業者は、自分が融資したように見せかけて

誰かの返済金を誰かに振込させていたんです。

幸い、Aさんは不起訴処分となり犯罪者とはなりませんでしたが、間接的に闇金業者の片棒を担いだことに間違いないのです。

不起訴とはいえ、Aさんは区役所をクビになり、
持っていた全ての銀行口座が凍結されました。

Aさんは、闇金の言葉通り、

言葉無理のない範囲の金額で、
全てを失うことになりました。

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闇金に手を出してはいけない理由

利息と元金を期日までに返済すれば問題ない。

それは、ドラマの世界だけのようです。

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現実の闇金業者は摘発を逃れるための、
あらゆる手段を持っています。

闇金に手を出してはいけない理由は、

犯罪者の片棒を担ぐことになるからです

完済できるから問題ない。

そういう、問題じゃない。


※このお話は実話を元にしたフィクションです。闇金は犯罪です。借りない、貸さない、手を染めない。その沼は思っているよりも深く、危険な領域です。




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