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鍋料理はほどほどにしてくれ 2


純白のかっぽう着を
砂漠の夕陽がピンク色に染めて
ぎんぎんぎらぎらを歌いながら
元気いっぱいにお遊戯する
ハローキティちゃん
万歳して手のひらヒラヒラ
体はくるくる回転すれば
空から千のちゃんこ鍋が
黄金色の流星群となって
しだれ花火の如く墜ちて来る
 
ナスカの地上絵的スケールの
キティちゃん模様を砂漠に描いたら
きみはちゃんこ鍋をてきぱき配膳して
私を菜ばしで手招きする
ハローキティちゃんも
ぎんぎんぎらぎらが佳境に入ると
うおおりゃどおすこいっ! と
夕陽に向かって可愛くおらぶ
地鳴りとともに
千のちゃんこ鍋を乗せた
千の土俵が砂漠に盛り上がる
 
土俵の真ん中におじんじょ(*注)して
ちゃんこ鍋を突っつく
千人のきみと千人の私
きみが買ったキティちゃんグッズの
「ハローキティ×tinkpinkフェイスミラー」が
餅入り油揚げやネブカと一緒に煮立っている
箸でつまんでミラーを覗くと
鏡に映った見知らぬこいつは誰だ?
きみと一緒に鍋を突っつく
アフォ面したこいつは一体誰だ?!
 
釈然としないまま
千人の私はまわしを付けて
後背位スタイルになると
細かなぶつぶつのある
それでいて粉を吹いたような尻を
夕陽に向かって突き立てる
するとハローキティちゃんは
千匹のみつばちキティちゃんに増殖し
ブ~ン、ブブブ~ンと飛来すると
千のケツを千の毒針で突き刺すのだ
いたいんだけど!
 
ところできみも
安閑としてはいられない
鍋料理は連帯責任だからね
これから私と一緒に
おじんじょ姿勢で
脂ぎったエラ張り顔の
陰湿極まる性格をした
ハローキティちゃんに
砂漠の真ん中の
千の土俵の真ん中で
うんざりなお説教を
聞かされるのだ
こりゃたまらんぞ
わたしゃパス
 
そこで折り入って
きみに相談があるんだが
こうなりゃハローキティちゃんを
ちゃんこ鍋にぶち込んで
食ってやらないか?
闇の森の芋つぼに誘い込んで
ガス燻蒸して退治しよう
つばくらめの子安貝どころでない
珍味中の特別大珍味
ハローキティちゃんこ鍋を
食べさせてあげるんだから
今後は鍋料理は
ほどほどにしてください



*「おじんじょ」=正座。中国地方某地域の方言。

いやいや、ほどほどにせんでもええです。冬場の鍋最高!
「海鮮ちゃんこ鍋」

↓↓↓ぎんぎんぎらぎら夕日が沈む


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