マッチングアプリ交遊録 Vol161
Vol.161 読むがいいさ、書くがいいさ
時は5月の日曜日。タバコは残り3 センチになると急にまずい。
GWは近場を飲み歩いていたら、気付くと過ぎ去った。
連休最終日の今日は、雨。
残り3センチのタバコよろしく、まずい。
昨日の出会いもまずかった。
いや、うまくなかった、と言ったろう。
言ったれや!!書いたれや!!
という、GWへのあてつけのように久しぶりにnoteを開いて、指を動かしている。
暫くnoteを書いていなかった理由は2つ。
マッチングアプリに未来が見えなくなった。何を今更という気もするけど。
スマホをGalaxyに変えてタイピングがだるくなった。iphoneと比べて予測変換のAIがぬるい。フリックもカクカクでなめらかに動かない。
そんなこんなでやめてたけど、GWの暇というのは怖いもんで、悪魔のクレジットカードに導かれるまま、ベッドの上で借金をして、タップルを始めてみた。
そして、借金が怖くなってまた眠った。
翌朝起きたら、
「首元が詰まったトップスにくそでかベストを
着ています。苦しいです。」
ふぅん、なるほど。俺はやってしまったか。
待ち合わせた吉祥寺のパルコ前に、いた。
彼女はほんの少し玉城ティナに似ていた。
惡の華の怪演にほだされていた僕は、この暗闇に堕ちていきたい。と思ったほど、彼女が好きである。
という前提があったから、今回のマッチングは結論として良かった。のかもしれない。
「かもしれない」と思う理由を下に綴るので、皆さんの感想をお聞かせください。それではどうぞ。
ハモニカ横丁の外国人スタッフが働く焼き鳥屋は活気は良いが、注文が中々通らない。
思えば吉祥寺、マッチングアプリをやめてから全く来ていない。恐らく最後に来たのも一年前のマッチだった。
昨日行った幡ヶ谷のクラブは、フォレストリミット。そこより3倍位ボリューミーな爆音スピーカーの真下の席で、注文も会話もうまくいかない。
名曲を轟音で叫ぶドリフターズ。
「いい湯だな〜。」と、弾けるリズムに耳を傾け、無言でホッピーを傾ける。
「なんかトリップしてるみたいで良いですよね。
眠ってるみたいな感じしませんか?」
「あ、うん、まあ??そうだね……」
「..........................…..…」
「..........................…..…?」
マッチングアプリのいつものあれはなかった。当たり障りないテンプレート会話。
「出身は?」「職場は?」「お仕事は?」
「趣味は?」「明日の予定は?」「ところでお名前なんて呼んだらいいですか?」「え、伊佐坂さんって言うんですか?」「はい、伊佐坂って言うんです。サザエさんの近所のあの先生。学生の頃は先生ってあだ名で呼ばれてましたよ。」「へえ~、伊佐坂先生ってちなみに、下の名前は難物らしいですよ。恋愛作家なのにね。」
このいつものアイスブレイクトーク。すっ飛ばした僕と通称はむさん。バチバチに濃くて、粗雑なホッピーで「各々の夢の世界」にトリップした。
「ちょっとごめん、このお店良いんだけど、ちょっと疲れるから、もう少しだけ、静かなとこ行かない?」
一人飲みマスターの彼女に導かれしオリエンタルな焼き鳥屋は、29のおじさんには少ししんどい。
26の彼女なら、まだいけるんだろうな。
それはそうと、昨日のクラブイベントのテーマもワールドミュージック。
少なからずどこかで人々の営みは繋がってるんだな。人生とは、日々起こる出来事の中から相関性を
導き出しては、記憶の彼方に放り投げ、そして何もなかったように、また無駄を積み重ねる編集作業である。
なんて高尚な想いにふけっていたら、
「喧騒から離れたいなら、井の頭公園で飲むのが良いですよ。さあ。」
「さあ、夜の帳へ!」と、ここまで計算していたかのように、スマートな彼女のくそでかべすとに導かれ歩く。
昼間も一人、井の頭公園で飲んでいたという彼女はとても頼もしい。
夜風に当たりながら飲む缶のハイボールも乙なもんですな。
井の頭動物園の鳥の鳴き声と彼女のマッチングアプリ交遊録を交互に聞く。
盛り上がることもなく、右肘と左肘と鳥の鳴き声とはむさんの経験談を交互に見たり聞いたりして、21時。ほろ酔いにて解散。
ん?これ、正解だっけ?
こんな感じで、そういえば昨日スト缶もらったんだ。カレーに入れるとうまいみたい。GWはスト缶カレーで締めようかな。
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