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仕事も恋愛も家庭もがんばりすぎている人に。山本文緒「自転しながら公転する」で癒される

週末は子どもと二人で実家に帰っていました。寒暖差からか、頭痛がひどく出かけるのも億劫だったのですが、夫が仕事で忙しいというのでドアtoドアで1時間半の実家へ電車で行ってきました。

ここ1週間ぐらいなーんかやる気がしなくて、うまく考えていることがまとまらなかったり、やりたいことが行動に直結しなかったりと、ぼんやりしていていました。パソコンを開いても気がついたらネットサーフィンをして、欲しかったわけじゃないブランドもののバッグをみていたり。

頭痛や肩こりもあって、パソコンやスマホを見るのも飽きてきたので、週末は「ゆるデジタルデトックス」をすることにしました。ここのところ、どハマりしているオーディブルではなく、紙の書籍を読み始めました。

小説は紙書籍で読むのが好きです。ひらがな、カタカナ、漢字の表記によって微妙な感情を読みとっていくことや、どんな人なんだろう、どんな声なんだろうと想像していき、それぞれのキャラクターの輪郭がだんだんとはっきりしていくのがやっぱりたまりません。

読み始めたのは、山本文緒さんの「自転しながら公転する」。学生の時から大好きな山本文緒さん最後の長編小説です。大事に読みたいという気持ちと相反する忙しい日々の中で読みきれず、数ページ読んだきり置いたままになっていました。

実家に出る直前、本棚を眺めているふと目にとまりました。しばらくぶりにパラパラとめくると、気だるくぼんやりとしていた私の気持ちにぴたりとはまり、旅のおともにすることにしました。

実家に帰るまでの電車で、帰ってからもリビングのソファでごろごろしながら、孫遊びに夢中な両親に子どもをまかせて読み耽りました。実家での気まずさ、なんともいえない重い空気を描かせたらピカイチだな、などと思いながら。まさに実家で読むシチュエーションもぴったりでした。

学生の時はよくわからなかった山本文緒がえがく30代の主人公の気持ちが痛いほどわかるようになっていたこと、時代背景が変わって描く人柄が変わっていたこと。またしても新鮮で新しい、そして変わらない山本文緒作品でした。

もっと読みたかった。大好きな作家さんほど早くに亡くなってしまうような気持ちになって寂しいです。

福来バモス

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