見出し画像

好きなものは好き~中学生・邦ロックとラジオ編~

はじめに

今日は中学生の頃に良く聞いていた音楽についてお話します。
前回お話ししたように、私の中学時代は勉強と部活しかしていませんでした。こんな中学生活の中で、音楽と本は私の救いでした。

私にJ-popだけではない世界を教えてくれたのは、個人塾の先生でした。
この先生は私に邦ロックとラジオの世界を教えてくれました。
そして、それまで周りにいたようなぬるま湯につかって、出る杭は打とうとするような腐りながら笑っているような大人とは違って、もっと今を、違う視点を持って未来を導いてくれる人でした。
私が聞いていた邦ロックはほとんどその先生が教えてくれたもので、CDも貸してくれましたし、先生がフェスに行った際には、グッズも買ってきてくれました。

私の友人たちはインターネットを自由に使うことができるようになった子が多く、ボカロ文化、アイドル・アニメ文化に早く触れていました。
彼女たちが私にボカロを教えてくれました。
特に、カゲロウデイズHoneyWorksはそのころ始まったばかりだったので、私も良く聞いていました。

塾の先生が教えてくれたラジオの世界はSCHOOL OF LOCK!でした。私は中学1年の秋から大学1年まで約6年間聞きました。

邦ロック

・赤い公園
・Base Ball Bear
・フジファブリック
・ハルカトミユキ
・サカナクション
・SEKAI NO OWARI
・BUMP OF CHICKEN
・flumpool
・go! go! vanilla
・indigo la End
・ゲスの極み乙女。
・キュウソネコカミ
・RADWMPS
・SHISYAMO
・くるり
・カラスは真っ白
・きのこ帝国
・相対性理論
・チャットモンチー
・パスピエ
・星野源
・レキシ

いくつか印象深かったアーティストについて話します。

赤い公園

このバンドはガールズバンドです。男性の勢力が強かった中にしっかりとしたロック調にほんのりと暗い歌詞、ポップな音を載せた曲が多かったです。
本バンドで作詞作曲を担当している津野米咲さんはSMAPにも楽曲を提供しています。
私が初めて聞いた赤い公園の曲は『交信』でした。
『交信』は、星の瞬きのように始まるメロディーに乗る、精神年齢の高い子供がひそひそと作戦を立てるような歌詞が特徴です。この前半の歌詞は“ひらがな”です。
本当に子供が話しているようです。その後は漢字表記に代わります。

『万華鏡は月へ向いた 神聖な友を待たれよ 
先生もパパもママも 寝かしつけて来たぜよ
雑草はブレーメンのように 神聖な友へ導く 
耳を澄ませたぼくらだけの秘密
閉まって 開かなくなったかい 
近頃はなみだ 朝日がきらきらで目を伏せるなら
もう一度はじめよう ぼくらのよる』

子ども目線なのに子供が歌っているようには思えない違和感がずっと残ります。
「はじめる」という言葉はポジティブと結びつくイメージのある言葉です。
しかし、この歌詞でははじめるのは「夜」です。夜をポジティブに始めるのです。
夜一人で机に向かっているときに、この曲を初めて聴きました。
「なんだ…?」と思いました。
もしかして、この孤独感に寄り添ってくれる人がいるのでしょうか、と。

『こみ上げる なみだ 朝日に 嘲笑われたって 拭えばいい 
もう一度はじめよう ぼくらのよる』

涙を流してもはじめる、はじめないといけないのです。
この世の理不尽さに気づいた日でした。


もう一つ赤い公園の中で好きな曲を一つ紹介します。
『何を言う』です。
イントロはバンドらしくないピアノで始まります。

『嫌いな人ばかりが増えてったな 優しい歌も今じゃ聴かなくなったよ
今宵も護身用の槍を研いで 鼻を利かせては眠れずにいるいつかマミーが言ってたよ キッチンに漂う ミンチを炒めるお砂糖と醤油の匂い
おかわり!ごはんの匂い
サンサーンス! せまいせまい心を持って妬んでいるんだ
愛してくれる君も君も 駄目になっちゃえばいいんだなんて思ってるの
いつかマミーが言ってた 醤油の匂い
こっそりこっそり嫌いになって 簡単な事さ、難しくないさ、ううん
決して私に染まらぬ君がまた この醜さを引き立てるんだよ
せまいせまい心を持って妬んでいるんだ
愛してくれる君も君も 駄目になっちゃえばいいんだなんて思ってるの
私は私を殺してやりたくなるのさ』

赤い公園の『KOIKI』『NOW ON AIR』『サイダー』のようなポップな曲を聴いている人にとってはこの曲は真逆の印象を受けるのではないでしょうか。

きっと同じような気持ちになったことがあるはずです。
小さい頃とは違って、年をとると嫌いな人も増えていく。
無邪気に「好き、嫌い」と言えていた頃はどんどん遠ざかって、声に出せずに胸の奥にたまっていく言葉が増えていく。
その対象が大切な人だったらどうでしょうか。
また、最後の歌詞にはどのような気持ちが込められているのでしょうか。
私は共通する点が多かったです。
この曲を泣きながら聞いていました。
私は大好きだと、愛していると思っていた人を嫌いになりたくなかったのです。
私を「大事だ」と言ってくれる人を恨んでしまう私は、狭い心の持ち主なのでしょうか。

Base Ball Bear

『青』が似合うバンドでした。
私は初めて聞いたのはラジオで流れていた「PERFECT BLUE」です。
聞いた瞬間に、「この曲はもう一度ちゃんと聞かなきゃ、」と思い、バンド名とタイトルをメモしたのを覚えています。

『むせび泣いたみたいな 通り雨がやんだ
 いつかの慟哭のことを思い出してしまうな
 ひとり行進をしながら 歩く鉄塔の足元
 ざわめく胸にあふれた 注ぎたてのサイダーの音
 遠くで煙が昇っていく
 空にかけた梯子のように 無い天井に向かってのびていく
 君は翔んだ あの夏の日 むき出しの太陽にくちづけしようと 
 そっと目を閉じ
 舞いあがった その黒い髪 凛とした青い空にとけてしまったのにね
 会いたいよ また、君に』

鮮やかな青で少しとがっていて、もやもやして良く見えないような、曲が多いです。
特に、さわやかなメロディーはベボベ特有ではないでしょうか。
私の青春は彼らの音楽で成り立っていたため、今でも聞くだけで胸がきゅううと締め付けられる感覚です。
また、作詞を行っている小出祐介さん(こいちゃん)の言葉の使い方が好きです。勉強になります。
こいちゃんはラジオでたくさんの他のバンドについても語ってくれます。
特に、こいちゃんが学生時代に聞いていたバンドについてです。
こいちゃんを通して私も知らないバンドにたくさん出会いました。
とても感謝しています。


『新呼吸』という曲では、深呼吸と新しい呼吸をかけて使っています。
『定点観測した僕の日常は ありふれたであふれた つまらないもの
 にせものみたいな食事を済ませたら 見せかけの白いシャツを洗う
 ただくり返すだけでさ すでに飽きてる
 「ささやかな幸せこそ」それもわかってる
 夜明けの住宅街 決まって出くわすよ 
 時間かけてみがいた 思い出の化け物
 群青大通りをゆく 制服姿の自分 立ち止まって見送る 部屋着姿の自分
 僕は僕にもなれずに 誰にもなれずに
 どこにもいない気分を 吸って、吐いてる
 あたらしい朝が来れば 僕は変われるかな
 新品の現実に出会うために 起きてる
 あたらしい窓開けたら 僕は変われるかな
 蒼い街をながめて そっと深呼吸』

私は何度も思ったことがあります。
寝て起きて、朝が来たら昨日の失敗に足を引っ張られないぐらい強い自分になっていないかなと。
朝起きたら、できなかったことができるようになっている新しい自分になっていないかなと。
そんなことが起きたことはないのに、何度も何度も何度も期待してしまうのです。
私はそんなことを考えるのは、変わりたいと思っているとき今の自分にあきれているとき、であると考えています。
そんな時にこの曲に何度も救われました。
今日もです。

前半はゆったりとぼんやりとしたリズムですが、後半は走っているように早いリズムになります。そのような点も好きです。
また、ドラムがAメロとサビで同じリズムでも、スプラッシュシンバルとハイハットのように使い分けをしている点が好きです。

私は昨年秋に武道館で行われた20周年コンサートに行ってきました。それまで映像で見ていた彼らが目の前にいることが信じられなかったです。
でも楽しかったです。
またどこかでしっかりと整理して語りたいです。


SCHOOL OF LOCK!

『未来のカギを握るラジオの中の学校』です。
番組のメインターゲットは中学生から高校生であり、生徒が逆電に登場なっていないかな書き込み、メールが紹介されたりすることもある。
本当の学校のように、「起立→礼→叫べーーーー!」で番組が始まります。
また、私の日常とは全く違う世界が見つかりました。昼間にいる世界とは全く違う世界でした。
この番組には校長と教頭がいます。
私の時代は
「とーやま校長&よしだ教頭」
「とーやま校長&あしざわ教頭」
でした。
とーやま校長は「本当に生徒思い」この一言に尽きます。
逆電において、様々な背景を持つ生徒の悩みを聞いて、一緒に泣いて、一緒に対策を考えて、一緒に立ち上がって、背中を押していました。
私は、こんな大人もいるんだなあ、と思っていました。
こんなにも、多様な背景を持つ人に対して真摯に、情熱をもって、冷静に、力強く全力で向き合うことができる校長がとても素敵に見えました。
「ああ、こんな大人と出会うことができてよかった…!」
実際に会ったことはありませんでしたが、平日5日間の2時間で十分でした。
私は一人ではなく、一緒にいた感覚でした。
教頭や校長が「みんなで月を見よう!」というたびに窓から月を見ていました。「同じ月だ!」と言われるたびに、私の心はもう地元にはありませんでした。
私の居場所は別にここじゃなくても良いんだ、もっと外に世界があるんだ、と気付きました。

私は音楽やラジオを聴きながら勉強することを禁止されていました。
一回、見つかった時にはひどく怒られられました。
そこからは隠しながら聞くのが上手になりました笑

とーやま校長が卒業する際、お手紙を出すことができる企画がありました。
私はこれまでの思いのたけを文章にしたためました。
その後きちんと直筆でお返事をいただき、すごくうれしかったです。

さいごに

今日は邦ロックの中でも特に、赤い公園、ベボベについて、ラジオではSCHOOL OF LOCK!についてお話ししました。
個々は私の考え方の根本になった地点でもあります。
とても大事にしたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?