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映画「七つの会議」感想

映画「七つの会議」感想(※ネタバレあり)
2019年公開。

ひと言コメント:「藩に仕える武士のDNA」。

電化製品メーカーで社員が一生懸命働く中、ぐうたら社員の八角はなぜかクビにならない。
それどころか八角を責めたり調査をした社員は左遷されるという謎の待遇。
実は八角は会社のある弱みを握っていた。。

というストーリーなのですが、その弱み自体はよくあるリコール隠しで特に驚くことはなかったです。それより「本当の黒幕は誰か?」ということについて深く考えさせられる映画でした。
クライマックスで責任の所在が二転三転して結局この人が…!!となるのですが、そもそもその人にここまでの行動を起こさせたのは何か?ということを考えると、本当の黒幕は日本という国の体質のように思えてくるのです。
映画の途中から社員が武士に、幹部が悪代官のように見えてきてまるで時代劇を見ているような錯覚に陥ったのですが、恐らくそれも制作側の意図だったのでしょう。

最後に八角が語っていたこと
「不正は今後も絶対になくならない。昔は武士が藩に絶対忠誠を誓っていたように、今は社員が会社に絶対忠誠を誓っている。いつのまにか会社の常識が世間の常識とズレてきても、それに従ってしまう。海外だったらこんなことはありえない。だが、その忠誠心こそが何の資産も持たない日本をここまで発展させてきた要因なのだ」ということに全てが詰まっています。

リコール隠しのニュースはよく目にしますが、記事を読む時間とそれについて考える時間を合わせても、普段は数分程度ではないでしょうか。
しかし登場人物ひとりひとりに肉付けして物語仕立てにすることで、2時間もの間私達に興味をもってこの問題に向き合わせてくれる。

七つの会議はそんな映画でした。


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