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12月の読了

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機嫌のデザイン

プロダクトデザイナーの著者による、ものごとや出来事、気持ちに対する新しい視点を与えてくれる一冊。

機嫌よくいることと、常に服装には手を抜かないことを「景色としての自分をデザインする」と考えるのは新しかったな。
私は機嫌の起伏が結構激しくて、それを必死に抑えながら(抑えられているどうか・・・)仕事をしているので、この目線は非常に目から鱗だった。自分のデザイナーになって、その時の自分を少し上の方から俯瞰して見て「機嫌が悪そうな自分、今どう見えてる?」と想像すると、醜さが恥ずかしくなってスパッと切り替えられる気がする。

大事なことは安定した情緒であり続けるということかなと思います。(中略)本当に困るのは「お天気屋」の人です。昨日会った時にはやたら機嫌がよくて愛想もよかったのに、そういう「気持ち」でもって今日会ったら「あれっ」と思うぐらい接し方に愛想がなかったりする人です。
(中略)
無理して「晴れ晴れ」している必要はありません。曇り空で十分です。晴れたり雨が降ったりするのは楽しいですが、相手からすれば曇っているぐらいの方が助かったりもするのです。

上の引用の文章を「情緒の気圧配置」とつけているあたりがまた、さすがという感じです。私の今年の目標、情緒の気圧配置を安定させること。

少し遠いところから自分を見つめ直して、考え方や価値観をアップデートできます。新年に読むにはぴったり!


自転しながら公転する

2021年に亡くなった作家、山本文緒さんの代表作の一つ。
ずっと積読ではあったのですが年末にドラマ化されていたのをきっかけにやっと読みました。

主人公はアラサー独身女性、ワーキングプアの契約社員。職場の人間関係は良くはなく、どっちつかずの態度でやり過ごしている日々。彼氏はいい奴だけど低学歴で仕事も不安定。母親は体調を崩し、頼られている。
そんな生活の中で次々に起こるトラブルや悩み。こっちが泣きたくなってくるようなリアリティと正解のわからない状況が次々にやってくる。

高望みはしていないはずなのに、ふつうに幸せになりたいだけなのに、どうしてこんなに難しいんだろう。
もがいてもがいて不器用に生きる主人公に頑張れと思いながら読みつつ、共感できる思いや言葉もたくさんあって終始胸が苦しかった。

「別にそんなに幸せになろうとしなくていいのよ。幸せにならなきゃって思い詰めると、ちょっとの不幸が許せなくなる。少しくらい不幸でいい。思い通りにはならないものよ」

気づけばこの読了記録も2024年で3年目!いつも読んでいただいている方々ありがとうございます。
これからも、誰かの本選びのきっかけになれますように。


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